SecureFilesに保存されたデータには、データベース・クライアントからもファイル・システム・クライアントからもアクセスできます。
SecureFilesはLOBインタフェースに対して100%の下位互換性を提供します。 したがって、アプリケーションは既存のLOBインタフェースを使用したままで、変更を意識することなくSecureFilesの利点を活用できます。 サポートされるクライアントには、JDBC(Javaシック・クライアントとJavaシン・クライアント)、ODBC、OCI、.NET、PL/SQLが含まれます。
SecureFilesを使用してアプリケーションを構築する方法と関連する各種データベース管理タスクの実行方法について、詳しくは SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイドを参照してください。
SecureFilesはPOSIXに準拠したファイル・システムとして設定できます。データには、WebDAV、HTTP、FTPなどのオープン・データ・プロトコルを介してアクセスできます。 Oracle Content DatabaseのWebDAVサーバーを使用すると、オペレーティング・システム・インタフェースからSecureFilesにアクセスできます。 WebDAVサーバーはWindows Explorerによるネイティブのマウントが可能なため、Windowsプラットフォーム上からSecureFilesへのアクセスが実行できます。
また、Mac OSでもWebDAVサーバーのマウントがサポートされています。 davfsファイル・システムを使用すると、Linux上にSecureFilesをマウントできます。 また、Cadaverを使用すると、WebDAVを使用してFTPと同様にアクセスできます。 詳しくは、こちらをクリックしてください。
基盤となるストレージ・インフラストラクチャとしてSecureFilesを使用したOracle製品は、次のとおりです。
Oracle XML DB(バイナリXML)
Oracle Multimedia
Oracle Spatial
Oracle Content Database
SecureFilesはBasicFiles(従来のLOB)のAPIに対して100%の下位互換性を提供します。 LOBインタフェースを使用したすべての既存のアプリケーションは、何も変更することなくSecureFilesの利点を活用できます。 SecureFilesを使用することで、コードを変更しなくても、ほとんどのアプリケーションでパフォーマンスが向上します。 SecureFilesは新しいSQLデータ型ではなく、非構造化データをLOBに格納するための新しいストレージ・タイプです。
圧縮、重複排除、暗号化などのSecureFilesの高度な機能は、DDLコマンドを使用して有効化できます。 これらの機能はデータがディスクに格納される際のプロパティのみを変更し、すべてのアプリケーションに対して完全に透過的に機能します。
たとえば、SecureFiles LOBに対して暗号化が有効化されている場合、データはディスク上だけでなく、REDOやバックアップなどのその他のイメージでも暗号化されます。 ただし、アプリケーションが既存のLOB APIを使用してSecureFiles LOBを読み取ろうとした場合、データはアプリケーションに渡される前に、透過的に復号化されます。
既存のインストールに対する移行
SecureFilesは、スキーマやアプリケーションを変更することなく、既存のシステムに導入し、全面的に活用できます。
* 既存のスキーマをパーティション化して、古いパーティションはBasicFilesまたは従来のLOBを使用したままで、新しいパーティションに対してのみSecureFilesを有効化できます。 この方法にはデータ移行は必要ありません。 新しいデータではSecureFilesによるメリットが活用されます。 新しいSecureFilesパーティションを追加する場合、ディクショナリを変更するためにごくわずかな停止時間が必要になります。 停止時間はデータのサイズに関係なく、ディクショナリの変更にかかる時間のみになります。
* オンライン再定義を使用して、BasicFilesコンテンツをSecureFilesへ移行できます。 これはオンライン処理であるため、停止時間は必要ありません。 古いデータが存在する状態で新しいSecureFilesデータを格納するため、一時的に追加の領域が必要になります。 一度に1つのパーティションに対してオンライン再定義を実行すると、使用する追加のディスク領域を削減できます。 パーティションのサイズが小さいほど、必要な一時追加領域のサイズも小さくなります。
BasicFilesからSecureFilesへの段階的な移行例については、こちらを参照してください。
新規インストールに対する移行パス
アプリケーションの新規インストールで'db_securefiles=always'パラメータを指定すると、すべてのLOBがSecureFilesとして作成されるため、インタフェースやソース・コードを変更することなく、SecureFilesの利点を活用できます。 このパラメータについて、詳しくはSecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイドを参照してください。