このチュートリアルでは、データベースとやり取りするリッチWebアプリケーションを構築する方法について説明します。このアプリケーションの構築には、Oracle JDeveloper 11g Version 11.1.2.0.0とOracle Application Development Framework(Oracle ADF)フレームワークを使用します。その過程で、Oracle ADFビジネス・コンポーネント、Oracle ADF Faces Rich Clientコンポーネント、およびOracle ADFタスク・フローを使用して作業します。

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目的 所要時間 アプリケーション
このチュートリアルで作成するアプリケーションでは、部門と従業員に関する情報を表示します。データベース内のデータの問合せおよび更新を実行できるように、複数のJSFページを作成します。
これから作成するアプリケーションの完成版を確認するには、「Download」ボタンをクリックして最終アプリケーションのzipファイルをダウンロードし、JDeveloperのmyworkフォルダに解凍します。
2時間 Download applicationname.zip
パート1:Fusion Webアプリケーションの作成とビジネス・サービスの構築

JDeveloperを使用する場合、作業内容はアプリケーションに含まれるプロジェクト内に整理されます。JDeveloperが提供するさまざまなテンプレート・アプリケーションを使用して、アプリケーションやプロジェクトを作成することができます。テンプレート・アプリケーションは、さまざまな種類のアプリケーションを開発する上で必要となる基本的テクノロジーに基づいて事前構成されており、ニーズにもっとも適したテンプレートを選択して作業環境を構築できます。また、使用を予定している別のテクノロジーをこの環境に追加することもできます。

このチュートリアルのパート1では、新しいFusion Webアプリケーションを作成し、データベースにアクセスする再利用可能なビジネス・コンポーネントを構築します。
Oracle ADFビジネス・コンポーネントのテクノロジーを使用して、データベース内の既存の表にJavaオブジェクトをマップします。

ステップ1:Fusion Webアプリケーションの作成
  1. スタート」→「プログラム」→「Oracle Fusion Middleware 11.1.2.0.0」→「JDeveloper Studio 11.1.2.0.0」を選択して、JDeveloperを起動します。

    JDeveloper Studio 11.1.2.0.0が選択されたスタート・メニュー
  2. Select Roleダイアログで、「Studio Developer 」を選択して、「OK」をクリックします。

    JDeveloperのSelect Roleダイアログ


  3. JDeveloper環境では、ユーザーのロールに基づくシェイピング機能を使用して環境を調整できます。具体的には、メニュー、プリファレンス、新規ギャラリ、およびダイアログ上の個々のフィールドから、それぞれのロールで不要な項目が削除されます。詳細を表示/非表示詳細表示

    以前のバージョンのJDeveloperからプリファレンスをインポートするかどうかを確認するダイアログ・ボックスが開いたら、「NO」をクリックします。Tip of the Dayウィンドウを閉じます。

  4. ロードが終了すると、JDeveloper IDEが表示されます。初めてJDeveloperを開く際には、Start Pageが表示されます。後でStart Pageを再表示する場合は、「Help」→「Start Page」を選択します。

    このページにはJDeveloperについて学習するためのさまざまなオプションが用意されています。これらのオプションを確認したら、タブ上の「X」をクリックしてStart Pageを閉じます(タブにマウスを合わせると、Xが表示されます)。
    JDeveloperのStart Page

  5. アプリケーション・ナビゲータで「New Application」リンクをクリックします。

    New Applicationにカーソルが置かれたアプリケーション・ナビゲータ
  6. New Galleryで「Fusion Web Application (ADF)」を選択し、「OK」をクリックします。

    Fusion Web Applicationが選択されたNew Gallery
  7. JDeveloperによってFusion Webアプリケーションに必要な機能がロードされ、Create Fusion Web Application (ADF)ウィザードが開きます。
    ウィザードのName your application ページで、Application NameにHRSystemと入力します。必要に応じて、ファイルを作成するディレクトリ・パスを別の場所に変更しても構いません。
    Application Package Prefixフィールドの値をdemoに設定し、「Next」をクリックします。

    NameフィールドにHRSystemが入力されたCreate Fusion Web Applicationウィザード(1ページ目)
  8. Name your projectページで、Project NameがModel(デフォルト)になっていることを確認します。Fusion WebアプリケーションのProject FeaturesリストにADF Business ComponentsとJavaが含まれることを確認します。

    NameフィールドのModelがハイライトされ、Nextボタンにカーソルが置かれたウィザード(ステップ2)

    Next」をクリックします。

  9. Configure Java settingsページで、デフォルト・パッケージ、Javaのソース・パス、出力ディレクトリを定義します。デフォルト値のままにして、「Next」をクリックします。

    Default Packageのdemo.modelがハイライトされたウィザード(3ページ目)
  10. 2番目のName your projectページで、Project NameがViewControllerになっていることを確認します。Project Featuresリストを下方向にスクロールし、Fusion Webアプリケーションで使用できるテクノロジーの種類を確認します。

    Project NameのViewControllerがハイライトされたウィザード(4ページ目)

    Next」をクリックします。

  11. Configure Java settingsページで、デフォルト値を受け入れて「Finish」をクリックし、Fusion Webアプリケーションとプロジェクトを作成します。

    デフォルトのパス設定を表示したウィザード(5ページ目)
  12. 画面左のアプリケーション・ナビゲータに、HRSystemアプリケーションと2つのプロジェクトが表示されます。

    新規アプリケーションと2つのプロジェクトを表示したアプリケーション・ナビゲータ。アプリケーション・ナビゲータの右側にFusion Webアプリケーションのチェックリストを表示。
    画面右側のチェックリストも確認します。詳細を表示/非表示詳細表示
ステップ2:ビジネス・サービスの構築
  1. チェックリストの概要で、「Connect to a Database」ステップをクリックします。

    2番目のタスクConnect to a Databaseが選択されたチェックリスト
  2. このステップの内容が展開され、このタスクの実行に必要な前提条件や、タスクの実行方法に関する詳しい指示などの役立つ情報が表示されます。「Create a Database Connection」ボタンをクリックします。

    Connect to a Databaseタスクが展開され、Create a Database Connectionサブタスクにカーソルが置かれたチェックリスト
  3. 作成する新規接続のプロパティを次のように指定します。

    Connection Name HRConn
    UserName hr
    Password hr

    Oracle JDBC Settingsに適切な値を入力して、使用するデータベースに合ったホスト、ポート、SIDを指定します。「Test Connection」ボタンをクリックして、接続が成功することを確認します。

    値が入力され、Test ConnectionボックスにSuccess!が表示されたCreate Database Connectionダイアログ

    OK」をクリックします。

  4. 下矢印をクリックして、Connect to a Databaseステップの内容を閉じます。

    展開されたデータベース設定を閉じるための矢印にカーソルが置かれたチェックリスト
  5. Checklistペインで、Connect to a Databaseステップのステータスを「Done」に設定します。

    ステータスのドロップダウン・リストからDoneを選択したチェックリスト
  6. Build Business Services」ステップをクリックして展開してから、「Go to Substeps」ボタンをクリックします。

    Build Business Servicesステップが展開され、Go to Substepsにカーソルが置かれたチェックリスト(ステップ3)
  7. サブステップ・リストで、「Create Entity Objects and Associations」サブステップをクリックします。

    サブステップ・リストが表示され、サブステップ3.1が選択されたチェックリスト
  8. Create Entity Objects and Associations」ボタンをクリックします。

    サブステップ3.1が展開され、Create Entity Objects and Associationsボタンにカーソルが置かれたチェックリスト
  9. Select Project for Actionダイアログで、「Model」プロジェクトを選択し、「OK」をクリックします。

    ProjectフィールドでModelが選択されたSelect Project for Actionダイアログ
  10. Initialize Business Components Projectダイアログで、ConnectionにHRConnが選択されていない場合はこれを選択します。「OK」をクリックします。

    ConnectionフィールドにHRConnが選択されたInitialize Business Components Projectダイアログ
  11. Create Business Components from Tablesウィザードが開きます。Entity Objectsページで、「Query」ボタンをクリックし、データ・ディクショナリを調べて利用可能な表を表示します。

    Queryボタンにカーソルが置かれたCreate Business Components from Tablesウィザード(ステップ1)
  12. Availableリストから「DEPARTMENTS」表と「EMPLOYEES」表を選択します。右矢印をクリックして、これらをSelectedリストに移動します。この手順により、選択された表に基づいて、更新可能なエンティティ・オブジェクトが作成されます。

    左側のペインの使用可能な表リストで、Departments表とEmployees表が選択されたウィザード

    Next」をクリックして続行します。

  13. ウィザードのUpdatable View Objectsページで、Departments (HR.DEPARTMENTS)とEmployees (HR.EMPLOYEES)をSelectedリストに移動します。この手順により、先ほど作成したエンティティ・オブジェクトに対する問合せに対応したビュー・オブジェクト(Departments1ViewとEmployees1View)が作成されます。

    SelectedペインにDepartmentsViewとEmployeesViewを表示したウィザードのステップ2

    Next」をクリックして続行します。

  14. Read-Only View Objectsページで、「Query」ボタンをクリックし、JOBSをSelectedリストに移動します。この手順により、Jobs表に対する問合せを行う、読取り専用のビュー・オブジェクトが作成されます。「次へ」をクリックして続行します。

    SelectedペインにJOBSを表示したウィザード(ステップ3)
  15. Application Moduleページで「Finish」をクリックして、Modelプロジェクト内にビジネス・コンポーネントを作成します。

    Add to Application Moduleチェック・ボックスが選択されたウィザード(ステップ4)
  16. チェックリストで、Create Entity Objects and Associations手順のステータスを「Done」に設定します。

    Create Entity Objects and Associationsサブタスクのステータスのドロップダウン・リストを表示したチェックリスト。Doneオプションの選択。
  17. Close Step 3」ボタンをクリックします。

    Close Step 3ボタンにカーソルが置かれたチェックリスト
  18. Back to Checklist」リンクをクリックし、Build Business Servicesステップのステータスを「Done」に設定します。

    Build Business Servicesタスクのステータス・ボックスを表示したチェックリスト。ドロップダウン・リストでのDoneオプションの選択。
  19. アプリケーション・ナビゲータで「AppModule」を右クリックして「Run」を選択し、アプリケーション・モジュール・テスターを起動します。このテスターは、Swingベースの小さなアプリケーションです。これを使用して、作成したばかりのOracle ADFビジネス・コンポーネントをテストできます。

    AppModuleの右クリック・メニューでRunオプションを選択したアプリケーション・ナビゲータ
  20. Oracle Business Component Browserウィンドウで、「EmpDeptFkLink1」ノードをダブルクリックすると、部門と従業員のデータが表示されます。「Next」ボタンを使用してレコードを移動し、マスター・ディテールが自動的に同期される様子を観察します。

    EmpDeptFkLink1を選択したBusiness Components Browser。部門情報と所属従業員のリストを表示。
  21. マスター・ツールバーのSpecify View Criteria(双眼鏡アイコン)ボタン「双眼鏡アイコン」をクリックし、データの検索条件を入力します。LocationIDフィールドに1700と入力し、「Find」ボタンをクリックして問合せを実行します。

    LocationIdフィールドに1700が指定されたBusiness Component View Criteriaダイアログ
  22. フォームにはこのロケーションの部門のみが表示されます。「Next」ボタンを使用して、ロケーション1700に含まれる部門データをスクロールします。

    ロケーションID1700を持つ部門30のデータを表示したBusiness Component Browser
  23. Oracle Business Component Browserウィンドウを閉じ、JDeveloperに戻って、JDeveloperメニュー・バーのSave Allアイコン「JDeveloperメイン・ツールバーのSaveAllアイコン」をクリックするか、メニューから「File」→「Save All」を選択します。

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