Analytics Platformの機能に関する詳細

AIとML

Oracle Analyticsは、プラットフォーム全体にAI/MLが組み込まれており、クリックで操作するユーザーからコードを使用するプログラマーまで、あらゆるスキル・レベルのユーザーに対応します。Oracle Database Machine LearningとOCI AI Servicesの組込みAI/ML機能を拡張して、幅広いユース・ケースに対応します。

人工知能と機械学習による分析

Oracle Analyticsは、人工知能、生成AI、機械学習を、データから意思決定まで、分析プロセスのあらゆる要素に組み込み、ユーザーの生産性を向上させ、分析主導の優れたインサイトを提供して、すべての役割をサポートします。AIサービスなどの追加のOracle Cloud Infrastructure(OCI)サービスで組込み機能を拡張することによって、さらに多くのAI/MLのユース・ケースに対応できます。

ビジネス・ユーザー向けのAIとMLのデモをご覧ください(3:35)

ビジネスユーザーのための機械学習

ワンクリックで実行できる高度な分析を使用して、クイック予測、トレンド線、クラスター、参照線を表示できます。ユーザーは、組み込みのアルゴリズムの予測間隔とモデルタイプをカスタマイズして、データやビジネスのユースケースに、より適合させることができます。

図1: ワンクリックによる予測の追加

説明機能を使用すると、コーディングを行うことなく、わずか数回のクリックでデータ・セットを調査し、有意義なビジネス・ドライバ、コンテキスト・インサイトおよびデータ異常を特定できます。Explainからビジュアルや知見を選び、新しいダッシュボードやストーリーをスタートさせることができます。

図2: 分析主導のビジュアル・インサイトの自動生成


自動インサイト機能は、データ・セットを調査し、MLを使用して、利用可能なすべての指標と属性により、視覚的なインサイトを自動的に作成します。これにより、他の方法では考慮されないつながりやパターンをデータから発見できる場合があります。Oracle Analyticsでは、1回のクリックで、詳細な説明を含むさまざまなビジュアライゼーションが表示され、プロジェクト・キャンバスに簡単に追加できます。インサイトの導出に使用されるすべての計算は透過的で編集可能です。

図3: ワンクリックで表示できるメトリックまたは属性の説明


説明機能と自動インサイト機能を使用して、機械学習(ML)を利用した分析主導のインサイトでプロジェクトを開始し、空白のキャンバス・シンドロームと結果の偏りを回避できます。

アナリスト向け生成AIアシスタント

Oracle Analytics AI Assistantは、会話型インタフェースを介して生成AIの大規模言語モデル(LLM)を使用し、アナリストの生産性を高めるのに役立ちます。自然言語を正確なアクションに変換することで、AIアシスタントはアナリストがビジョンを実現できるよう支援します。アナリストは具体的な変更や修正を依頼し、AI Assistantに実行を自動化させることができます。その結果、アナリストは可視化ツールの専門家である必要がなくなります。また、適切な機能や構成を探すために時間を費やす必要もなくなります。Power BI や Tableau などの他の可視化ツールを使い慣れているアナリストは、Oracle Analytics を使用することで、すぐに生産性を高めることができます。

お客様は、2つの言語モデルから選択できます。

組み込みのLLMは、現在のワークブックでアクティブになっている特定のデータセットと、Oracle Analytics環境内のデータを理解するように特別に設計されています。外部LLMとは異なり、分析会話と分析タスク用に最適化されているため、正確でハルシネーションが起こりにくくなっています。たとえば、「ロイヤルティ・プログラムのゴールドメンバーおける収益の上位5か国はどこですか?」といったコマンドに対応します。

Bring-your-own-LLM (BYO-LLM)により、OpenAI などのサービスから外部 LLM サブスクリプションを統合することができます。外部 LLM は、分析プロジェクトにすでに存在するデータセット以外の、外部世界に関する追加の知識をトレーニングデータから提供します。これにより、外部参照の事実を使用したより柔軟なクエリが可能になり、フィルタ値を正しく設定できます。たとえば、「2024年の米国連邦祝日の売上高は、平均気温が22℃以上の人口上位10の米国の都市ではいくらでしたか?」などのコマンドに対応します。

この例では、分析プロジェクトのデータセットは、収益表、日付表、地域表で構成されています。これらの表には、米国の祝日、都市人口、過去の気象データに関する情報は含まれていません。LLMは、これらの不足している詳細情報を補い、日付表と地域表を正確に限定するための正しいフィルタ値を提供します。

NLPのデモを見る(1:16)

自然言語処理と自然言語生成

AIによる自然言語処理(NLP)と自然言語生成(NLG)を生成AIが作成した応答と併用することで、対話とアナリティクスの理解を改善できます。データが存在する場所やデータ・セットの構成を理解していなくても、自然言語(話し言葉や検索キーワード)を使用するだけで、Oracle Analyticsのデータ・セットとセマンティック・レイヤーに情報を問い合わせることができます。クエリの作成時に、コンテキスト内にビジュアライゼーションを自動的にレンダリングします。

図4: 自然言語のクエリ

NLGは、ビジュアライゼーションのスマート・テキストによるナラティブを作成します。作成されるナラティブはデフォルトでデータ・ソースにライブ接続され、ビジュアライゼーションやフィルタなど、キャンバス上の他のデータ・オブジェクトとの対話が行われます。ナラティブの詳細には7つの選択可能なレベルがあり、説明を「トレンド」または「ブレークダウン」に設定できます。テキストによるナラティブは複数の言語で作成できます。モバイル・アプリを使用すると、分析ワークブックをポッドキャストなどの音声によるナラティブに変換できます。

図5: 自然言語生成


データ・サイエンティスト向け機械学習

データの準備中に、データ・フロー・エディタで様々な組込みアルゴリズムを使用して、数値予測、多項分類子、二項分類子、クラスタリングをトレーニングできます。これらの機械学習アルゴリズムは、カスタマイズ、トレーニング、チューニングが可能で、その後、より広い分析ユーザー・コミュニティーに公開できます。モデルが公開されたら、新しい企業データ・セットまたは個人データ・セットに適用できます。

図6: 線形回帰MLモードのカスタマイズ

Oracle Analytics Cloud内でトレーニングされたモデルは、品質と正確性をチェックできます。たとえば、このNaïveBayes二項分類子は減員データを使用してトレーニングされており、テスト・データの既知のTRUE値に対してアルゴリズムの品質が評価されます。

図7: MLモデルの正確性の確認

Oracle Database MLによる拡張

Oracle Autonomous Databaseの一部である、高度で洗練されたOracle DatabaseのMachine Learningをご利用いただけます。Oracle Databaseでの機械学習は、SQL、R、Python、REST、AutoMLを使用してMLモデルを開発、テスト、公開するための一元管理されたプラットフォームを提供します。これにより、ビジネス・ユーザーはデータを準備する際にセルフサービスを柔軟に利用できます。公開されたモデルをOracle Analytics Cloudに登録することで、より広範なビジネス・ユーザーが独自のデータ・セットにアクセスして実行できるようになります。

Oracle Analytics Cloudデータ・フロー内のOracle DatabaseでAutoML機能を使用できます。データ・セットを分析し、最も正確なMLアルゴリズムを自動的に選択して、新しいMLモデルを作成します。これにより、プロセスが簡素化され、機械学習の専門知識がなくても正確なモデルを作成できます。

OCI AIサービスによる拡張

Oracle Analytics Cloudは、OCI VisionやDocument UnderstandingなどのOCI AIサービスと統合されます。この統合によって、Oracle Analytics Cloudの既存の組込み機械学習機能が拡張され、さらに広範なビジネス・ユース・ケースに対応できるようになります。事前トレーニング済みモデルを使用するか、カスタム・モデルを設計、改良、デプロイして、ビジネス・プロフェッショナルが直接アクセスできるようにOracle Analytics Cloud内に登録します。

OCI Visionは、AIイメージ分析のパワーをOracle Analytics Cloudダッシュボードにもたらします。たとえば防犯カメラからのデータを使用して、駐車場の占有率を自動的に追跡したり、店舗での客足のトラフィックを監視したりするといった用途が考えられます。OCI Visionにより、画像を分析し、ビジュアル情報からインサイトを引き出すことで、ビジネス・パーソンは、視覚的情報に基づいてデータ・ストーリーを伝えることができます。

OCI Document Understandingサービスを使用すると、JPEGファイルやPDFファイルなどのドキュメントにAIモデルを適用し、キー値とそのコンテキストを抽出できます。これにより、たとえ中央データベースに保存されていない場合でもドキュメントから情報を引き出して、さらなるインサイトを生成できます。


このような動的なセルフサービス・アプローチによって、ビジネス・ユーザーが日常的な反復モデルの実行と結果の提供のためにデータ・サイエンス・チームに依存する必要性が低下します。ビジネス・ユーザーが自力でモデルをスケジュールして実行できるようになるため、データ・サイエンスの専門家はより戦略的なタスクに集中できます。