Fusion Analyticsの機能に関する詳細

デフォルトのデータ・モデルとパイプライン

Fusion Analyticsは、Oracle Cloud Applicationデータを処理するためのデフォルトのデータ統合および管理コンポーネントを提供し、データ管理タスクの複雑さを解消します。

デフォルトのデータ基盤コンポーネント

Fusion Analyticsは、データ・パイプラインの抽出、Oracle Cloud Applicationsのデータの設計された部門横断的なデータ・モデルへの変換とロード、データ・モデルを変換する提供されたセマンティック・モデルなど、プロセス全体を通して簡単かつ迅速にデータ分析ができるように設計されています。

図1: デフォルトの分析ワークフローによるデータ管理タスク

Oracle Cloud Applicationsデータ向けのデータ・パイプライン

Oracle Fusion Analyticsのプロビジョニング時には、Oracle Cloud Applicationsのデータをデフォルトのデータ・モデルにロードするために、特定の機能領域用にデフォルトのデータ・パイプラインがすぐにアクティベーションおよびスケジューリングできるように準備されています。例えば、総勘定元帳は財務の機能領域であり、人材獲得は人事の機能領域です。

パイプラインは、データを段階的またはオンデマンドで更新するようにスケジュールできます。データ・リフレッシュ・プロセス中もデータへのアクセスは中断されないため、ダウンタイムはありません。

データ・パイプラインは、Oracle Cloud Applicationsのフレックス・フィールド拡張機能を自動的に抽出してロードします。

図2: データ・パイプラインのアクティベーション・ステータスの例

Oracle Cloud Applicationsデータ向けのデータ・モデル

デフォルトのデータ・パイプラインは、Oracle Cloud Applications(ERP、HCM、SCM、およびCX)のデータを組み込みのOracle Autonomous Data Warehouseサービスに含まれる単一のデフォルトのデータ・モデルにロードします。この不変のスター・スキーマのデータには、保護されたSQLクエリやFusion Analyticsのセマンティック・レイヤーを通じてアクセスすることができ、ビジネス・ロールのセキュリティが信頼性、正確性、高パフォーマンスを保証します。

追加の外部データ・ソースは、同じOracle Autonomous Data Warehouseサービス内のカスタム・データベース・スキーマにロードすることができ、スター・スキーマを拡張することができます。詳細については、データ強化をご覧ください

セマンティックモデルとビジネス・サブジェクト・エリアの表示

Oracle Fusion Analyticsは、Oracle Cloud Applicationsデータにアクセスするデータ・モデル内の何百もの物理的な表とビューのシンプルなビジネス・サブジェクト・エリアを可視化します。複雑な物理データ間のマッピング、ルール、変換は、理解しやすく一貫性のあるビジネス用語で行われます。適合したディメンション(顧客、サプライヤー、製品、会計カレンダー、事業部門、元帳など)は、サブジェクト・エリア間の分析を容易にするために利用可能になります。

図3:サブジェクト・エリア間の分析を容易にする、デフォルトの適合するディメンションを備えたセマンティック・モデル

これらのサブジェクト・エリアは、カスタム分析やレポートを作成するための構成要素です。たとえば、財務のサブジェクト・エリアには買掛金のエイジングと売掛金収入が、HCMのサブジェクト・エリアには従業員、人材獲得、パフォーマンス管理があります。ユーザーは、これらのサブジェクト・エリアからメトリックや属性をドラッグ・アンド・ドロップすることで、迅速に可視化およびレポートを作成することができます。Oracle Fusion Analyticsは、概要レベルから最小粒度のトランザクション分析まで、特定のビジネス上の疑問やユースケースに答えるように設計されています。

サブジェクト・エリアは、詳細なチューニングとデータ・レベルおよびロール・レベルのセキュリティによってクエリの実行を最適化するように設計されています。Oracle Cloud Applicationsのフレックスフィールド拡張も自動的に利用可能になります。ユーザーはセマンティック・モデルをカスタマイズすることができます。詳細については、データ強化をご覧ください。

以下は、Oracle Cloud Applicationsのデータから可視化およびレポートを作成するために使用されるデフォルトのサブジェクト・エリア・ビジネス・ビューのサンプル・リストです。

デフォルトのサブジェクト・エリア・ビジネス・ビューのサンプル

財務

  • GL収益性
    収益および費用勘定に関連する基本収益性メトリックと、損益計算書を裏付ける派生メトリックの詳細を提供します。
  • 売掛金のエイジング
    すべての未決済売掛金取引を、エイジングの詳細、現在および延滞ポジションに関して分析する機能を提供します。
  • 買掛金インボイス
    買掛金インボイスの取引アクティビティと関連する詳細を最も詳細なレベルで分析できます。

HCM

  • 従業員のコア
    従業員の配置とイベントを最も詳細なレベルで分析するためのメトリックの包括的なリストを提供します。
  • 人材獲得
    候補者や採用に関するンサイトから採用業務に関するインサイトまで、採用プロセスの包括的なビューを提供します。
  • パフォーマンス管理
    業績評価を通じて評価された従業員の業務パフォーマンスに関するインサイトを提供します。

調達

  • 支出
    サプライヤー、商品、アイテム・カテゴリ、事業部門、コスト・センター、購入場所、サプライヤー拠点、および関連する階層にわたり、総支出をレポートする機能を提供します。
  • 契約
    サプライヤー、調達アイテム、事業部門ごとに分析された、消費額、契約数、有効期限などの購買契約に関する測定値をレポートする機能を提供します。
  • 発注書
    発注書、発注コスト、発注スケジュールの情報を統合します。

CX

  • キャンペーン商談の収益明細
    キャンペーンのパフォーマンス、キャンペーンのコスト/ROI、関連する商談とその収益明細をレポートする機能を提供します。
  • 商談
    作成されたすべての商談と、関連するアカウント、商談オーナー、リード、キャンペーン、問い合わせ先、競合他社、パートナーに関する情報を提供します。