Keller Williams、Oracle Cloud ERPを活用してフランチャイズ・オーナーの成功を支援

クラウド移行により、世界最大の不動産フランチャイズが手動プロセスの自動化を支援します。

Jim Lein | 2024年12月17日


過去20年間、規制や市場の急激な変化が続く中、世界最大の不動産フランチャイズであるKeller Williamsは、「成長とフランチャイズ加盟店へのサービスに集中するあまり、自分たちのことを顧みることができていませんでした」と、KWの技術運用およびイノベーション担当バイスプレジデントであるTamara Hurwitz氏は述べています。

KWの財務チームは、高度にカスタマイズされたオンプレミスの財務管理システムと連携しながら、予算編成やレポートなどの業務はスプレッドシートやEメールによる承認に依存して行っていました。こうした、ほとんどが手動プロセスとそれによって生じたデータサイロによって、タイムリーで十分な情報に基づく意思決定はほぼ不可能でした。エグゼクティブ向けに最新の財務報告を作成するといったシンプルな作業でも、チーム・メンバーは何時間もかけて行っていることがありました。

「レポートが作成されるまで、それまでの業務を中断し、他のことは何もしない状態でした」と、Hurwitz氏は述べています。

KWは、パートナーであるAccelalphaの支援を受け、数多くの代替システムを評価した後、2024年1月1日にOracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP)アプリケーション・スイートの一部であるOracle Cloud Financialsに主要な財務管理プロセスを統合しました。財務スタッフは、請求書の承認や経費管理などの手動プロセスの自動化により、すぐに効率の向上を実感しました。

「あらゆることをより迅速かつ簡単に行うことができる」

2024年6月、KWはOracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management(EPM)とともにOracle Fusion Data Intelligenceを導入しました。

最初の数カ月間は、従来のスプレッドシートベースの月次計画をOracle Cloud EPM Planningと並行して作成していましたが、KWは9月に初めて、中断することなく新規アプリケーションのみを使用しました。また、年次計画の次のサイクルにも使用し、スプレッドシート・プロセスとEメールによる承認を使用していた数カ月に及ぶ予算の照合・統合プロセスを廃止する予定です。毎月繰り返すたびに、財務スタッフはOracle Cloud EPM Financial Consolidation and CloseAccount Reconciliationを使用して、照合および決算プロセスの時間を短縮しています。

データサイロが解消されたことで、財務担当者はOracle Cloud ERPとEPMのあらゆるソースにわたる財務データにアクセスし、アドホック・レポートをより簡単に作成できるようになりました。全体として、KWによるレポートの自動化データソースの統合、およびOracle Smart View for Officeの使用により、同社の財務報告にかかる時間は90%短縮されたとHurwitz氏は推定します。「オラクルによって、あらゆることをより迅速かつ簡単に行えるようになりました」と、同氏は語ります。

フランチャイズ・オーナーと提携代理店の成功を促進

フランチャイズ加盟店と提携代理店には最先端のテクノロジーを提供していますが、社内では古いシステムで作業していることに気づきました。私たちはかつてないほどスマートになりました。これでも、まだほんの表面をなぞっただけに過ぎません。」

Keller Williams、技術運用およびイノベーション担当バイスプレジデント、Tamara Hurwitz氏

KWはまた、Oracle Cloud Infrastructureの統合サービスを利用してOracle Cloud ERPに連携したセルフサービス・ポータルを立ち上げました。これにより、フランチャイズ加盟店と提携代理店は、銀行口座などの情報をオンラインで更新できるよう支援されるため、サポートに電話してサービス・コーディネーターに変更を依頼する必要がなくなります。このポータルによって、データ入力ミスが減り、サポート・スタッフが費やす時間が大幅に短縮され、いつ、誰が、どのような変更を行ったかを示す監査証跡が提供されるようになったと、Hurwitz氏は述べています。

KWは最近、Oracle Fusion Data Intelligenceプラットフォーム内のAIと機械学習機能の活用方法についての検討を始めました。Hurwitz氏は、同社の社外向けeコマース・プラットフォームが新しい財務アプリケーションと統合される日を予測しています。

「以前は、業界や経済に関連する情報を外部のソースから入手し、今後起こると自分たちが考える情報に基づく意思決定を行っていました」と、同氏は語ります。「現在では、外部情報をより多くの内部情報と組み合わせることで、ビジネスの指針となるデータに基づく意思決定を支援する実用的なインテリジェンスを得ることができます。」

たとえば、KWのKSCOREイニシアチブ(個人がコストをかけずに不動産免許を取得できるプログラム)がOracle Cloud ERPに統合されると、KWは、個人が特定のクラスやカリキュラムを受講することが、フランチャイズ加盟店の売上増加に直結するかを判断できるようになります。その結果を受けて、KWはそれらのクラスを推奨することができます。「当社がよりスマートになるだけでなく、フランチャイズ加盟店と提携代理店をより成功へと導きます」と、Hurwitz氏は述べています。


Oracle Connectの記事をもっと見る