Oracle Cloud Infrastructure Archive Storageは、アクセス頻度の低い、長期保存のデータの保存に最適なストレージ層です。Oracle Archive Storageに保存されたデータには、Oracle Object Storageと同じインターフェイス(API、SDK、CLI)を使用してアクセスできますが、Oracle Object Storageとは異なり、データの取得には時間がかかります。データを読み取るには、Archive Storageからデータを復元する必要があります。復元リクエストが行われてから、データの読み取りに最大1時間かかります。この時間は、TTFB(最初の1バイトが到着するまでの時間)として計測されます。Oracle Archive Storageにより、保持ルールを利用してデータ・アクセスを管理することで、WORMコンプライアンスを達成できます。
Oracle Archive Storageは、次の使用事例に対応しています
バックアップ/アーカイブ:
多くの場合、バックアップ/アーカイブ・データは、さまざまなコンプライアンスに関する規定を順守するために、長期間保存する必要があります。作成した後、それらのバックアップ/アーカイブ・データにアクセスすることはほとんどありません。Archive Storageは、それらのデータを保存する適切な層です。
ログ・データ:
アプリケーション・ログ・データを保存し、それらのデータを遡及的に分析して、使用パターンを特定したり、問題をデバッグしたりする必要がある場合があります。通常、ログ・データは必要がない限りアクセスしないため、Archive Storage層はそれらのデータを保存しておくためのコスト効率の良い方法です。
コンテンツの保存:
大量のリッチ・メディア・コンテンツ(画像やビデオなど)を従来のストレージに保存すると、コストがすぐに高くなります。保存する必要があるが、頻繁にはアクセスしないコンテンツがある場合、Archive Storageはそれらのデータを保存するのに最適な層です。
非常に大きなデータ・セット:
アプリケーションが将来利用できるように保存する必要がある大量のデータ(ゲノム・データ、医薬品試験データ、IOTデータなど)を生成する場合、Archive Storageはそれらのデータを保存するのに最適な層です。Archive Storageに特有のコスト効率の良さにより、データへのアクセスに必要となる長いリード・タイムを相殺できます。
* 最小保持要件が満たされる前にArchive Storageからデータを削除すると、削除ペナルティが課せられます。削除ペナルティは、データを90日間保存するコストを日割り計算したものです。
Object Storage
Archive Storage
オブジェクトを保存する最小期間
N/A
90日間
ストレージ・コスト
0.0255米国ドル/GB(1か月あたり最初の10 GBは無償)
0.0026米国ドル/GB*(1か月あたり最初の10 GBは無償)
リクエスト・コスト
US$0.0034 / 1万リクエスト
US$0.0034 / 1万リクエスト
帯域幅のコスト
0.0085米国ドル/GB(1か月あたり最初の10 TBは無償)
0.0085米国ドル/GB(1か月あたり最初の10 TBは無償)
ストレージ層は、バケット作成時にバケットのプロパティとして表示されます。デフォルトでは、すべての新しいオブジェクトはバケットのストレージ・プロパティを継承します。バケットのストレージ・プロパティは、一度設定すると変更できません。既存の標準Object StorageバケットをArchive Storage層にダウングレードすることはできません。また、Archive Storageバケットを標準Object Storage層にアップグレードすることもできません。
いいえ。ストレージ層プロパティは、特定のオブジェクトまたはオブジェクト・グループに適用することはできません。ストレージ層は、バケットのプロパティとしてのみ表されます。すべてのオブジェクトは、それらが属するバケットのストレージ層プロパティを自動的に継承します。
既存のOracle Object Storage APIを使用して、Archive Storageデータを管理できます。さらに、Oracle Archive Storageは、アーカイブ・データを読み取ることができるように、アーカイブ・データを復元するための「復元」APIもサポートしています。
Archive Storage層からデータを取得するには、最初にデータをObject Storageに復元する必要があります。データを復元した後、決められた時間内にデータをダウンロードする必要があります。
デフォルトでは、データを復元してから24時間以内にデータをダウンロードする必要がありますが、ダウンロード期限を1〜240時間に指定することもできます。ダウンロード期限を過ぎると、データは以前のアーカイブされた状態に自動的に戻ります。
復元リクエストが行われてから、データの読み取りに最大1時間かかります。この時間は、TTFB(最初の1バイトが到着するまでの時間)として計測されます。
Object Storage層に復元されたデータにアクセスしてダウンロードできる期間を1〜240時間に指定できます。期間を明示的に設定しない場合、データをダウンロードできる期間はデフォルトで24時間となっています。
いいえ。オブジェクトのプレフィックスを選択してデータを復元することはできません。
はい。オブジェクトがアーカイブされた状態または復元された状態にあるかに関係なく、アーカイブされたオブジェクトのメタデータにいつでもアクセスできます。
いいえ。データをArchive Storageに保存するための最小サイズ要件はありません。
はい。Oracle Archive StorageはWORMに準拠しています。これは、保持ルールを利用してデータが削除または上書きされないようにすることで達成されます。保持ルールをロックすると、管理者でもルールの変更およびデータの削除または変更を行えなくなります。
はい。Archive Storageの耐久性と可用性は、標準のObject Storageの耐久性と可用性と同じです。