ビジネス課題
AgrarMarkt Austria(AMA)は、農家へのEU助成金の支払いを管理しています。AMAで助成金に応募する農家は、どの土地で何を栽培しているかという情報を提供します。そのプロセスが円滑に進むかどうかは、農地の正確なマッピングにかかっています。データは、地図と衛星画像を組み合せて応募者がオンラインで入力します。その入力内容は、Oracle Databaseの空間機能を使用した複雑なプロセスで検証されます。
Oracle Databaseの空間機能を導入するまで、AMAの農場インスペクタはオーストリアの132,000もの農場を主に手作業で調査していました。そのため、農場検査の完了までに数日かかることがよくありました。データは、処理のためにAMAに送付された手書きのフォームと一緒に収集されます。その後、オーストリア全土に対する土地の利用を計算しますが、完了するまでに1~2か月かかることもあるうえ、計算エラーが発生した場合には作業をやり直さねばなりませんでした。その結果、農家が資金を受け取るまでに数週間遅れることもありました。
空間データから、レポートを迅速に生成してAPEXアプリケーションを実行する機能まで、1つのコンバージド・データベースに必要なものがすべて揃っているので、助成金依頼を最短時間で処理できるようになりました。
AgrarMarkt Austriaがオラクルを選んだ理由
長年Oracle Databaseを使用しているAMAは、空間からJSONまで対応するオラクル独自のコンバージド・データベース・ソリューションの組合せや、APEXでアプリケーションを迅速にスピンアップできる機能に感銘を受けました。そのすべてが、より効率的で信頼性の高いサービスを顧客に提供するのに役立つものだからです。
結果
AMAのインスペクタは、AndroidタブレットでOracle APEXアプリケーションを実行し、1日に2つの農場を調査できるようになりました。GeoJSONデータの中央データベースへのアップロードは、以前は数日かかることもありましたが、今ではその日のうちに完了します。システムの複雑さは50億件の測地計算から250億件の処理にまで拡大したにもかかわらず、エラー率は100分の1に低下しました。このため、手作業での検証に費やしていた時間を短縮でき、AMAは顧客への資金提供遅延リスクを大幅に低減することができました。
さらなるメリットとして、AMAはOracle Databaseを使い、助成金の概要を示す一般アクセス可能な「透明性の高いデータベース」を公開したり、各農家に助成金を支給する約150の地域オフィスをサポートしたりしています。