DP World、Oracle Cloudで月次決算の期間を短縮

この多国籍ロジスティクス企業は、予算編成にかかる時間を半減し、請求書処理を60%高速化することで、財務担当者がイノベーションに取り組むための時間を増やしています。

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私たちはオフィスに誰もいない状態でも、すべての(バックオフィスの)業務を行うことができました。従業員なしで会社を運営できるとは思いもしませんでした。

Mohamed Absar氏DP World、エンタープライズ・システム担当バイス・プレジデント

ビジネス課題

2020年初頭、DP Worldは、世界中にある160のバラバラのオンプレミスシステムを、クラウド上の統一されたグローバル・スイートに統合するという大きな課題にすでに取り組んでいました。同社は5万3000人の従業員を擁し、世界各地に90の船積みターミナルを持つ128のロジスティクス事業を展開しています。

急成長中の同社は、オンプレミス・システムの乱立による業務の遅延とコスト増に頭を悩ませていました。そして業務を合理化し、買収の迅速な統合や新規施設の立ち上げなど、成長を支えるバックオフィスを構築する必要がありました。

DP Worldは、世界貿易とロジスティクスのデジタル化を支援し、その過程で自社の内部プロセスの効率を高めるという、さらに大きな目標を掲げていました。世界貿易は依然として極めてアナログで、貨物の移動には紙の文書が必要とされ、人々は書類を提出するためにオフィスに出向かなければなりません。

パンデミックが発生すると、日常業務を維持しながら従業員の安全を確保するという新たな懸念が生じました。COVID-19の影響で旅客フェリーの輸送量が減少するなかでも、貨物量は力強さを維持しました。

パンデミック時におけるDP Worldの優先課題は、従業員の保護、ロジスティクスと貿易のデジタル化の加速、そして世界中の貿易の流れを維持することでした。

DP WorldがOracleを選んだ理由

選択肢を検討した結果、DP Worldはオラクルの提供するサービスの幅広さと両社のパートナーシップの歴史から、Oracle Fusion Cloud Applicationsを選択しました。この関係は2005年、DP Worldが本拠地であるアラブ首長国連邦にオラクルE-Business Suiteを導入したことに端を発しています。DP Worldがオラクルに以前から馴染みがあることで、オンプレミスからクラウドへの切替えが容易になります。

さらにDP Worldは、オラクルの費用対効果、競合他社と比較した全体的なソリューションの優位性、アナリストの好意的な評価、着実なイノベーションの流れに惹かれました。

オラクルは包括的なスイートを提供しており、DP Worldは複数のプロバイダーのアプリケーションを混在させる必要がなくなり、それらのシステムを統合する作業が不要になります。

結果

Oracle Fusion Cloud ERP を使用して、DP World の財務チームは月次決算プロセスを15日から3日に短縮しました。同社は、Oracle Fusion Cloud SCMを使用してサプライ・チェーンを合理化することで、予算編成時間を半分に短縮し、請求書処理を50%~60%高速化し、Oracle Fusion Cloud HCM を使用して人事プロセスを迅速化しました。

DP Worldは、財務、人事、サプライ・チェーンにわたってオラクルのFusion Cloud Applicationsを導入し、パンデミックの開始時に作業の多くを行いました。世界的な緊急事態にもかかわらず、同社は2020年前半にアプリケーションを導入する計画を堅持しました。

クラウドベースのアプリケーションを利用することで、パンデミックの最中でも最小限のスタッフだけで重要業務を維持できることを確認しました。Oracle Fusion Cloud Applicationsの導入により、手作業によるプロセスの必要性が減少します。一例として、Oracle Cloud ERPを使えば、従業員は携帯電話で書類をスキャンし、電子的に送信することができます。

DP Worldのクラウドへの移行は、財務システム、人事、業務、顧客対応を統合するグローバルな「One Strategy」の基盤となります。

クラウドに移行することで、オンプレミスのアプリケーションを実行するためのデータ・センターのグローバル・ネットワークを維持するための多大なコストが不要になります(ただし、機器の遠隔操作などオンサイトのコンピューティング・パワーを必要とする特殊なワークロードには、小規模なデータ・センターが必要です)。DP Worldは、以前は大規模な新しいデータ・センターを現地に設置しなければならなかったため、新しい施設をオンラインにするのに1年を要していたところを、15週間から20週間で実現できるようになりました。1つのアプリケーション・スイートに統合したことで、DP Worldのライセンス・コストも10%削減されました。

また、DP Worldは、従来の個別システムをアップグレードしたり変更したりする必要がなくなり、オラクルがその作業をクラウドで処理しています。現在、DP WorldのITスタッフは、オンサイト・アプリケーションのアップグレード、カスタマイズ、メンテナンスよりも、より重要な業務を行っています。

公開日:2021年3月31日