“私たちは、オラクルの導入効果を実感しています。データ品質が向上し、データにアクセスできるようになったことで、サプライチェーンのグループは、これまでできなかったさまざまな方法で、データを分析できるようになりました。このように、よりクリーンに整備された環境で、今後も継続的にアップグレードを行い、ツールがどのように進化していくのかを楽しみにしています。”
サプライチェーンのレジリエンス
Land O'Lakesは、米国最大のバターメーカーのひとつであり、チーズやその他の乳製品原料、さらには動物飼料や作物の投入資材の主要なメーカーでもあります。同社のサプライチェーンは事業のバックボーンであることから、昨年春にコロナウイルスが米国で蔓延し始めたときには、農家が所有する生協のサプライチェーンに対して、組織全体が総力を挙げて対応しました。
生協は、レストランや学校などの大きな施設が閉鎖されたことから、急遽大きなチャネルを失いましたが、一方で自炊をする人が増えたことで、スーパーでの需要は爆発的に増えました。また、Land O'Lakesでは、作業員の不足や施設の閉鎖、トラック運転手の不足などの問題を抱えていました。
「当時は、まるでマグネットで作られたお絵かきボードのような日々でした。誰かが何かを大きく変えて、しばらくすると、また真っ白な状態に戻る、といった具合に。」と、Land O’Lakesのロジスティクス担当シニア・ディレクターであるDustin Braun氏は語る。「8週間の間に、過去8年間で経験したことのないほどの混乱が発生しました。労働力の制約が、需要側と供給側の両方で発生したためです。」
クラウドで獲得した俊敏性
Land O'Lakesは、クラウドに移行する以前は、Oracle Transportation Managementのオンプレミス・アプリケーションを10年以上使用していました。また、Accessのデータベースや、スプレッドシート、SharePointサイトを組み合わせて使用して、グローバルな取引を管理していました。
より最先端のテクノロジーと最新の機能を利用し、グローバルな成長計画に対応できるサプライチェーン・プラットフォームを構築するために、Land O'Lakesは 物流(輸送およびグローバル取引管理)業務向けアプリケーションとして、 Oracle Fusion Cloud Supply Chain & Manufacturing (SCM)に移行する時期であると判断しました。
同社は、乳製品、動物用飼料・栄養、作物投入資材という3つの事業部門において、Oracle Cloudのアプリケーションを一度ずつではなく、すべて同時期に導入しました。このアプローチにより、3つの事業部で一貫してプロセスを連携させることができ、生産性を向上させることができました。
2020年3月にオラクルのクラウドベースの輸送管理アプリケーションを導入した直後、Land O'Lakesはピークレベルの需要を経験しました。これは、通常であれば1年の後半にあたるホリデー・ラッシュに備えて在庫を確保する時期の同等のピークレベルのものでした。しかし、新たなオラクルのクラウド・アプリケーションにより、そのピークにも対応することができました。
短期的な成果と、長期にわたる学び
生協は、パンデミックの際にサプライチェーンを事由にで牛乳を廃棄せず済んだ、唯一の乳製品メーカーおよび流通業者のひとつです。Land O'Lakesが前例のない需要にも問題なく対応できたのは、Oracle Transportation Managementが重要な役割を果たしたからです。
パンデミックの影響で、Land O'Lakesの米国外でのビジネスも同様に、新たに変化し続ける規制を含めて、混乱に見舞われました。しかし、グローバル取引管理向けの単一システムと、標準化されたプロセスを実現することで、同社の意思決定者がより高い品質の物流データはもとより、新しい分析機能を活用できるようになり、同社の対応に大きな変革をもたらしました。
今後の展望を考えたとき、今回のパンデミックで得た学びの多くは、この危機が過ぎ去った後もずっと残るだろうと、Land O’Lakesは考えています。
「たった一晩のうちに、私たちは社内の部門間、そして外部とのパートナーシップを成熟させ、より迅速に、意思決定を行うことができました。」とBraun氏は述べています。「私たちの成功において、敏捷性と迅速な対応は、なくてはならないものとなり、もはや、これまでのやり方には戻れません。」