
パナソニック、Oracle B2C ServiceとAIチャットボットを導入してFAQにおける顧客の自己解決率を向上、業務負荷の軽減も実現
パナソニックは顧客満足の向上や再購入促進、パナソニックファンづくりなどを目指してOracle B2C ServiceとOCI AIのOracle Digital Assistantを導入。FAQを拡充し、電話やメールによる問い合わせ件数を半減しました。
“現場で判断し実行する。そして、即座に修正・改善を行うということを重視しました。そのためには充実したレポートが不可欠です。上司が「ここを改善しよう」という前に、担当者がレポートを見て自らコンテンツ修正などに取り組める仕組みとして、Oracle B2C Serviceのとても使いやすいインターフェースと、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)AIのOracle Digital AssistantはOracle B2C Serviceとのコンテンツ共有や運用のしやすさ、二重管理なし、というこの組み合わせが最適だと考えました。”
ビジネス課題
グローバルに事業展開するパナソニックは、部品から家庭用電子機器、電化製品、FA機器、情報通信機器、および住宅関連機器等に至るまでの生産、販売、サービスを行う世界を代表する総合エレクトロニクスメーカーです。パナソニックは長い間、「顧客の声(VOC)」を基点にすべての事業プロセスを改善する取り組みを続けてきました。
その1つがFAQの拡充です。顧客の「困りごと」を解決するという役割を、従来主として担ってきたのは同社のコールセンターであり、コールセンターで顧客からの電話やメールに応答するだけでなく、困りごとに直面した顧客が即座に解決するためにはFAQへの取り組みの強化が必要と考えられました。困りごとをすぐに解決するための仕組みを用意することで、顧客満足の向上を図るとともに、再購入促進とパナソニックファンづくりを実現するために、同社では日々さまざまな改善と取り組みが進められています。
FAQシステムの導入に向けた検討では、対象となる商品カテゴリーはパナソニック製品全般が該当しており、家電などのB2Cだけでなく、住宅設備などのB2B分野も含まれていました。最終的に選ばれたのは、FAQページやナレッジ管理画面などを提供するOracle B2C Serviceと、OCI AI の中のチャットボットソリューションであるOracle Digital Assistantでした。これらが本格稼働したころから、FAQコンテンツ拡充に向けた取り組みが加速しました。
顧客満足の一層の向上に向けて、パナソニックは有人チャットとの連携も視野に入れています。有人チャットに関しては、外部調査会社による市場動向の最新のインサイトや、このサービスを求める消費者の声の高まりも鑑み、慎重に検討を進めています。
パナソニックがOracleを選んだ理由
Oracle B2C Service の導入の決め手は、顧客の困りごとに対応するために設けたWebサイトからの移行のしやすさ、そして現場の担当者が自ら判断し、コンテンツの追加・修正などを簡単に実施できる、使い易いインターフェースでした。各製品の扱い方などについては事業部責任者の承認を得てコンテンツが公開されますが、Oracle B2C Serviceを活用することで、現場の一連の業務をスムーズに実行することができます。 現場の適切な判断を導くため、データに基づくレポートや顧客のコメントをタイムリーに提供する機能も重要であり、こうした点でも、Oracle B2C Serviceは評価されました。
一方、チャットボットを実現するOCI AI のOracle Digital AssistantはLINEなど様々な メッセージングアプリをサポートしており、顧客の困りごとなどについて対話形式でのやり取りを実現します。 また、WebフォームでのFAQ検索もサポート。両方の分野で、AIを駆使し精度の高い応答を可能にします。 選定のポイントは、Oracle B2C Serviceとのコンテンツ共有や運用のしやすさです。 Oracle B2C ServiceとOCI AI のOracle Digital Assistantとの連携によって、データの二重管理から解放されます。
パナソニックは、お客様の声(VOC)を基点にFAQ コンテンツの拡充のために導入したOracle B2C ServiceとOCI AI のOracle Digital Assistant連携によるFAQの検索機能、スマートアシスタント機能、ガイドアシスタント機能、レポート機能、およびチャットボット機能が顧客による自己解決を促進させることができる最適なソリューションとして高く評価しました。
FAQへのアクセスを促し、Oracle Digital Assistantを使用する顧客の数は10倍に増加。 顧客のFAQにおける自己解決率の向上を実現しました。また、コールセンターへの 顧客からの電話や電子メールのお問い合せ数は半減しました。
結果
Oracle B2C Service とOCI AI の Oracle Digital Assistant の導入とコンテンツの拡充により、FAQへのアクセス数は大幅に増加しました。導入前と比較して、お客様からの電話とメールでの入電件数がFAQへのアクセスに移行したことで約10倍、FAQへの誘導ができるようになりました。これに伴い、コールセンターへの電話やメールでの問い合わせは、導入当初と比べてほぼ半減しました。
自己解決率の向上は、「困りごとを即座に解決する」との目標に近づいていることを意味します。顧客満足の向上にも役立っていることは、パナソニック調査によるNPS平均スコアが上昇傾向にあることからもうかがえます。
また、従来はメッセージングアプリ向けとWebフォームとで別々にFAQデータベースを用意して二重に管理する必要がありましたが、これを統合することができました。管理負荷の軽減はもちろんですが、コンテンツとAIを一元化することにより応答精度のさらなる向上が見込めます。
Oracle B2C ServiceのFAQとOCI AIのチャットボットへの誘導により自己解決率が高まったことで、電話/メールの件数が減り、その副次的な効果としてコールセンターの業務負荷は大きく軽減されました。そこで、パナソニックはコールセンターのオープン時間を短縮。入電件数の比較的少ない夕方の時間帯、従来よりも2時間早く業務を終えるようにしました。FAQコンテンツのさらなる拡充により、コールセンターにおける働き方改革をもう一段進めようとしています。

About the customer
以上のような取り組みを、パナソニックは日本国内のみならず、欧米やアジアの各国でも進めてきました。同社は今後もグローバルでの顧客満足向上を目指す取り組みをさらに強化する考えです。