Propre、Oracle Autonomous Databaseを導入して、 チューニングなしで高い性能向上を実現

Propreは世界17ヶ国の不動産、地理情報を日次収集してシームレスな形でデータを整備し、「使える」データベースとして独自の不動産ビッグデータのサービスを開発・構築しています。このサービス基盤環境をAWSからOracle Cloudに移行し、システムや運用管理のコスト削減、および高い性能向上を実現しています。

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億単位の不動産ビッグデータのサービスプラットフォームをAWSからOracle Autonomous Databaseの Autonomous Transaction Processingへ移行したことでコストの削減を実現し、データを移行しただけで、チューニングをしていない状態でも高い性能が得られたことは衝撃的でした。99%のスループット性能向上をしたSQLもありました。24時間365日稼働する当社のミッションクリティカルな不動産テックのビッグデータ基盤だからこそ、オラクルからのさらなる強力なサポートやビジネス協業に今後も期待しています。

白井 久也 氏代表取締役 CEO, 株式会社Propre Japan

ビジネス課題

Propreは、世界17ヶ国の公開不動産情報約1,500万件を動的に日次収集し、さらに膨大な要素を生成して1つ1つのデータを丁寧にクレンジングして、「使える」データベースを構築する独自システムを開発しています。不動産ビッグデータをより身近なツールとして分かりやすく可視化させ、シームレスな形でデータを整備し不動産ビッグデータを「使える」データベースとすることで、お客様が必要とするデータやアルゴリズムを必要なときにAPIとして提供しています。

また、不動産以外での新たなビジネスのイノベーションにも取り組みを広げており、業種を超えた様々な企業が個別に管理するデータをPropreのデータベースに情報統合することで、新たな付加価値をマーケットにもたらす、ビッグデータ・マネージメント・カンパニーとして同社は進化を続けています。

このような今までは不稼働資産であったデータ資産を稼働資産に変換していくビジネスを世界17ヶ国で拡充していく中で、情報の非対称性をなくし、グローバルで統一したモノサシを世の中に提供するためには、ビッグデータ基盤のサービスプラットフォームとして、高い可用性とパフォーマンス、および億単位の不動産ビッグデータに対応でき、コスト削減にも貢献できる新たなプラットフォームが必要でした。

オラクルのデータベース、特にOracle Spatialの性能が高いこと、および使い勝手がとても良いところは非常に有益です。スケーラビリティとパフォーマンスは当社にとって非常に重要です。要件の厳しい大規模な空間アプリケーションやロケーション・インテリジェンスが必要なワークロードでは、コンソールから接続サービスを「High」に変更すると驚異的に高速なパフォーマンスを発揮しています。新しいリアルタイムな情報および分析サービスを開発できていることで、新たなイノベーション創出により多くの時間を費やすことができています。

根岸良多 氏最高技術責任者, 株式会社Propre Japan

PropreがOracleを選んだ理由

Propreでは、グローバルでサービス展開をする国と地域の数の拡大にともなって増え続けるデータ量とコストにどう対応するかが課題でした。日次で増える膨大なデータに対しては性能を出し続ける必要があり、パフォーマンス要件に対応するため、これまでのオープンソースのデータベースをAWS上で運用していたシステムを Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 上の Oracle Autonomous Transaction Processing を導入することで自動調整、自動的に最適化、および自動暗号化機能により、パフォーマンス、セキュリティ、および可用性が大幅に低いコストで実現しています。同社ではこれまで専属のDBAが作業を担っていましたが、ATPの機能を活用した結果、構成や運用管理に時間をかける必要がなくなったため、専属のDBAが不要となり、Propreは、テクニカルサポートと高速ネットワーク接続の運用コストとクラウドサービス料金を削減しました。

Oracle Autonomous Database のオートスケーリング機能を用いることで、ダウンタイムなしでオンデマンドで処理容量とストレージ容量を調整できる柔軟性が向上しました。 同社は、パッチを適用するために大量のデータを計画的に予定し、閑散期におけるコストを最小限に抑えることができます。

Oracle Autonomous Databaseは、地理データと位置データを統合して不動産の洞察を強化し、業界全体で新しいサービスをより迅速に展開するPropreの空間分析機能を支えています。

結果

Propreは、同社のビッグデータ・マネージメントを支える新しいプラットフォームにOracle Cloud Infrastructure(OCI)上のOracle Autonomous Transaction Processingを導入することでデータを移行しただけで、チューニングをしていない状態でも高い性能が得られ、最大99%のスループット性能向上を実現したSQLもありました。また、同社ではこれまで専属のDBAが5・6名体制で作業を担っていましたが、ATPの機能を活用した結果、構成や運用管理に時間をかける必要がなくなったため、専属のDBAは現在、同社の新たなビジネスにおけるイノベーション創出に貢献するために戦略的で高度な分析と空間データの視覚化に時間と労力を費やすことが出来るようになりました。これまで集計と分析に数か月かかっていた新しい独自のデータサービスも、リアルタイムの洞察のために毎日データが更新されるようになりました。

同社は、クローリングのサーバーもEC2からOCIにかなり移行を行ったことで、ネットワークに関しては以前のAWSシステムと比べてオラクルのクラウドでは1/10の費用を実現しています。

Propreではグローバルなマーケット全体における人々の様々なライフスタイルや、それに伴う不動産情報の新たなトレンドの創出。世の中に埋もれている様々な情報や地理情報システムGeographic Information System (GIS)を活用して、今後も新たな付加価値をマーケットにもたらす、ビッグデータ・マネージメント・カンパニーとして同社は進化を続けています。

公開日:2021年12月9日