ビジネス課題
Systêxtilは、ブラジルの繊維業界のニーズに合わせたエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)ソリューションを提供しています。同社のフラグシップ製品であるSystêxtil ERPは、原材料の調達、ファッションコレクションの作成、製造、店舗への配送からなる、物流と金融ライフサイクル全体を管理します。
Systêxtilの繊維業界のクライアントには、購入と販売の複雑なプロセスがあります。多数の小さなアイテムを組み合わせて1つの完成品を作り出し、糸をリサイクルし、水の消費量と汚染を減らす必要があるためです。これらのクライアントは、価格設定ではなくコスト削減の面で競い合うようになっています。コスト削減を実現するには、プロセスの自動化、業務の合理化、より効率的な方法での市場へのファッションコレクションの提供が必要です。
Systêxtilは2015年以降、クラウドベースに移行していますが、以前のクラウドプロバイダーでは、200を超える各クライアントサイトに個別のアプリケーション・サーバーを設置する必要があり、急激なコスト増が発生していました。
新しいクライアントを追加するたびに、ハードウェアへの新たな投資と根気のいるコスト計算が必要でした。これらの事業主にとってダウンタイムの発生は避けられないことであり、そのために繊維業界のチェーンの各分野に重大な金銭的損失が生じていたのです。
SystêxtilがOracleを選んだ理由
Systêxtilは、コストを増加させなければ拡張ができないという問題を解消するために、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)への移行を決定しました。
Systêxtilは当初からOracle Databaseを使用しており、オラクルが提供するサービスに非常に満足していました。Systêxtilは最初は別のクラウドプロバイダーを使用していましたが、オラクルがサンパウロにクラウドリージョンを開設したのを機に、拡張性、可用性、コスト削減を理由にOCIへの切り替えを決定しました。
結果
OCIによって実現されるコスト削減は、企業のリーダーたちに感銘を与えました。Oracle Application Express(APEX)はローコード開発フレームワークであり、Oracle Databaseに完全に埋め込まれています。そのため、Systêxtilはクライアントに対してより迅速にカスタマイズを提供できます。最も重要なのは、サポートコストを増加させることなく、同じインフラストラクチャでより多くの顧客をホストできることでした。
Oracle Enterprise Database Serviceへの移行によって、OCIに単一のコンソールを備えた統合データベースが作成され、よりシンプルな環境でパフォーマンス、拡張性、セキュリティの向上を管理できるようになりました。
SystêxtilはOCIを使用することによって、新しいハードウェアにかかる時間とコストでクライアントに負荷をかけることなく、5分で製造能力を倍増させることを可能にしています。OCIでは各クライアントのニーズに応じてCPUとメモリーを適切なサイズに変更できるため、同社は厳密な財務管理も実現しています。
Systêxtilでは、JavaからOracle APEXに切り替えることによってチームによる手動でのコーディングが不要になり、開発速度が7倍に向上しています。現在、開発者は、重要なデータへの継続なアクセスを維持しながら、OCI Load Balancingを介してアプリケーションや新しい機能に対する顧客のリクエストに迅速に対応しています。たとえば、OCIの導入前には開発に120時間かかっていた繊維製造プロジェクトは、APEXプラットフォームの導入によってわずか18時間に短縮されています。
Systêxtilは、継続的な顧客獲得によって25%の成長を達成しています。インフラストラクチャ・マネージャのFábio de Freitas氏によると、OCIはソリューションのマーケティングにおける重要な差別化要因となっています。リスク回避を優先するためにデータセンターを使用してきたブラジルの繊維業の企業でも、オラクルによって保証される高可用性、最高水準のセキュリティ、予測可能なコスト構造を利用するようになっています。
SystêxtilのクラウドERPを導入してビジネスを運営する顧客は、OCIの利用とプロバイダの開発およびデプロイメント・サービスに対して予測可能な月額料金を支払うことで、インフラストラクチャとソフトウェアに関する設備投資がゼロになるというメリットを得ています。
Oracleブランドは、要求管理されたバックルームに保存されているデータを高リスクにさらしたくないと考える顧客に対し、安心感をもたらします。顧客は、データの暗号化によってサイバーセキュリティが強化されることを喜んで受け入れています。顧客は、Oracle Cloudでインフラストラクチャを管理することによって支出パターンの視覚化、使用状況の監視、請求の分析、支出の削減が可能になるだけでなく、ストレスを回避できる点も評価しています。
パートナー
Systêxtilは、オラクルパートナーのInfra Worldの支援を受けて、以前のクラウドプロバイダからOCIに移行しました。Infra Worldは、Systêxtilのクライアント用のサーバーのサイズ指定とプロビジョニングを実施しました。
Infra Worldは、Oracleによって実施された概念実証に基づき、本番環境での動作をシミュレートし、コストを発生させることなくその期間中に3つのクライアントをOCIに移行しました。
Infra WorldのCEOであるDaniel Marques氏は、次のように述べています。「概念実証では、架空のマシンと少数の内部ユーザーだけを使用するのではなく、完全な移行が行われました。そのため当社は、構造全体をテストして、3つのクライアントを稼働状態に維持することができました。」