カスタマー・ロイヤルティとは、自社とお客様の間に継続的に築かれる感情的なつながりを指します。その強さは、競合他社ではなく自社に対して、お客様がどれだけ積極的に関わり、繰り返し購入してくれるかという行動として表れます。ロイヤルティは、自社とのポジティブな体験の積み重ねによって生まれる成果であり、信頼の醸成につながります。
ロイヤルティの高い顧客
顧客がロイヤルティを持つ理由はさまざまですが、大きく6つの明確なロイヤルティカテゴリに分類することができます。
自社の製品やサービスを気に入っており、これまで不満を口にしたことがなく、おそらく何度も購入してくれている顧客です。ただし、競合他社に奪われやすいのもこのタイプです。より良い条件の提示、割引、あるいは新しい関係性が生まれる――それだけで乗り換えてしまう可能性があります。
低価格だからという理由だけで自社を選んでいる顧客です。他社でより安く買える離れ、再び自社が最安値になれば戻ってきます。このタイプは比較的つなぎ止めやすい一方で、その代償(コスト)は非常に大きくなります。
自社やその製品に対してロイヤルティがあるわけではありません。関心はロイヤルティ・プログラムそのものであり、多くの場合、自社のロイヤルティ特典が最も有利だからという理由にすぎません。
このタイプの顧客がロイヤルティを持つのは、貴社ブランドが「連絡しやすい」「見つけやすい」「購入しやすい」からにすぎません。利便性重視の顧客は価格では動きません。つなぎ止めているのは利便性そのものです。
自社が何を販売しているかではなく、提供している「別の価値」に惹かれている顧客です。たとえば、無料Wi-Fi、乳幼児のおむつ替え台、無料点検などが挙げられます。無料特典にロイヤルティを持つ顧客は、購入頻度が不定期になりやすく、収益への貢献度も高くない傾向があります。
いわゆる顧客アドボケイト(支持者)です。繰り返し購入し、ブランドでの素晴らしい体験を周囲に語り、友人や家族を紹介してくれます。
カスタマー・ロイヤルティと顧客維持は、相互に関連しています。カスタマー・ロイヤルティは、顧客が貴社と関わり、貴社から購入しようとする姿勢(マインドセット)を形成するものです。一方、顧客維持は、顧客エンゲージメントと、それによって生まれる売上を追跡するための指標です。
本質は、苦労して獲得した顧客を維持し、優れた体験を提供し続け、価値を提供し続けることにあります。顧客維持戦略は、既存顧客への価値提供を高めると同時に、企業として得られる価値も最大化するために策定されます。
顧客は、電話、メール、チャット、または対面でのカスタマーサービスとのやり取りなど、ブランドが提供する体験に基づいて購買し、関与し、ブランドとやり取りします。カスタマー・サービスチームが、問い合わせやフィードバック、または問題解決を適切に優先させ、対処していると顧客が感じれば、ロイヤルティが維持される可能性は高くなります。同様に、カスタマー・サービスチームとのやり取りで満足のいかない体験をした場合、継続的にブランドから購入したり、エンゲージメントしたりする可能性は低くなります。
先進的なブランドは、カスタマー・エクスペリエンス(CX)を競争軸として位置付けています。CXは顧客維持率の向上を促す要因だからです。CRMシステムは、拡張性が高く、一貫性があり、差別化されたカスタマー・エクスペリエンスを提供するうえでカギとなります。CXでは顧客を知ることが重要で、顧客を知るためにはデータが重要となります。CRMシステムは、あらゆる顧客データを収集し、一元管理することで、よりパーソナライズされたカスタマー・エクスペリエンスを開発できます。
B2CおよびB2Bブランドにおけるクラス最高のカスタマー・ロイヤルティおよびリテンション戦略には、顧客オンボーディング、顧客フィードバック・ループ、ゲーミフィケーション、パートナー・オファリングまで、幅広い施策が含まれます。
顧客オンボーディングとは、顧客に製品やサービスを紹介するための、あらゆる活動やインタラクションを指します。これは、自社ブランドを紹介する認知向上マーケティングとは異なります。顧客オンボーディングは、販売後に行われ、営業チームまたはカスタマーサービス/カスタマーサクセスチームが担当します。
FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)は、顧客および見込顧客と関わるために日常的に使われる手段の1つです。通常はWebサイト上に掲載される、よくある質問とその回答をまとめた静的な一覧を指します。
顧客フィードバック・ループも、カスタマー・ロイヤルティを向上させる簡単な方法の一つです。顧客フィードバック・ループはツールではなく、顧客が良いフィードバックや悪いフィードバックを残すたびに、有意義な方法で応答するという行為そのものを指します。顧客からの苦情を受け止め、問題解決に向けて対応するだけで、関係が救われたり、より強固になったりすることは少なくありません。
顧客管理チームの役割は、コミュニケーションと関係構築にあります。B2Bのカスタマー・ロイヤルティ戦略の一環として広く活用されており、顧客(またはクライアント)と、営業、カスタマーサービス、カスタマーサクセスの各チームの間をつなぐ窓口として機能します。
ティア制のロイヤルティ・インセンティブは、顧客を特定のレベル(ティア)に分類することで、長期的な顧客関係の構築に焦点を当てる施策です。分類は通常、企業側で設定する指標に基づいて行われます(一般的には、購入金額または紹介件数などが用いられます)。
ゲーミフィケーションはカスタマー・ロイヤルティにおいて広く応用されており、多くの企業が全体的なカスタマー・ロイヤルティ戦略の一環として、何らかのゲーム要素を取り入れています。企業はゲームを通じて、プレイヤーが「達成できた」と感じられるような短期的な行動変容を促し、最終的には長期的な行動の変化につなげようとします。
LoyaltyOneが最近実施した調査データによると、サプライズ・リワードや特別サービスを受けた顧客の94%が、その企業に対してより前向きな印象を持ったと回答しています。さらに、そのうち34%は、その体験をきっかけに当該企業との取引を増やしたと述べています。
チャネル・パートナー(販売代理店、卸売業者、小売パートナー)が、eコマース取引や購入に対してロイヤルティ・プログラムのポイントを付与できるようにします。
オラクルのロイヤルティ・コンサルティング・サービスは、長期的な顧客関係の構築と収益性向上のため、データにもとづく業界最高水準のロイヤルティ戦略の策定を支援します。詳細は、お気軽にお問い合わせください。
多くの業界において、顧客獲得コストは非常に高額になり得るため、ロイヤルティは極めて重要です。多くの企業では、獲得のために投じたマーケティング投資を回収して損益分岐点に到達するまでに、新規顧客を少なくとも12〜18か月は維持する必要があります。例外的に、極めて高額(かつ高度に複雑で、個別カスタマイズが多い)製品の場合に限り、1回の購入だけで顧客獲得コストの損益分岐点に達することもあります。
...通常、オンライン・アパレル小売業者から1回購入した人は、平均3名の人を紹介してくれる可能性がある…オンライン・アパレル小売業者から10回購入した人は、7名の人を紹介してくれる可能性がある。— Bain & Company
新しく獲得した顧客には、定着してリピーターになってもらう必要があります。ロイヤルティの高いリピート顧客は、主に2つの点で利益を押し上げます。関係が深まるにつれて購入額が増える傾向があること、そして新規顧客よりも高い割合で他者を紹介してくれることです。
ロイヤルティ・マーケティングは、既存顧客の拡大と維持に焦点を当てた戦略的なマーケティング手法です。
カスタマー・ロイヤルティは、マーケティング施策やキャンペーンの効果を高めます。一般的に、ロイヤルティの高い顧客は、貴社のブランドや製品、サービスを高く評価しているため、繰り返し購入してくれる可能性が高くなります。ロイヤルティ・マーケティングにより、以下が可能になります。
ロイヤルティ・プログラムは、顧客に対して、特定のブランドの製品を購入したり、ブランドと関わったり、サービスを利用したりすることを促す仕組みです。顧客が支払った金額、またはブランドとのその他のインタラクションに基づき、あらゆるチャネルで顧客を認識し、特典を提供します。
ロイヤルティ・プログラムとは、ポイントを集める、特定のアクションを行う、一定の金額を使うなど、「私たちと関わってくれたら、その見返りとして価値あるものを提供します」といった、ブランドと顧客との率直な取引のことです。インセンティブには、クーポン券や割引コード、限定商品、お得な価格への限定アクセス、無料配送、さらには無料商品などが考えられます。
カスタマー・ロイヤルティ・プログラムは、顧客維持戦略の一部であり、顧客を維持してロイヤルティを高めるための確立された手法です。
ロイヤルティ・プログラムには2つの目的があります。顧客の獲得・維持を支援し、顧客アドボカシーの拡大につなげること。もう1つは、顧客との関係を深めながら、ファーストパーティ顧客データ(氏名、住所、メールアドレス)を収集することです。
顧客は、購入に対してインセンティブや特典を提供するといった、従来のロイヤルティ・プログラムから次第に離れつつあります。そうした要素も依然として求められてはいるものの、近年は特に、自分のニーズや期待に応え、変化にも対応し続けてくれる「お気に入りのブランド」との実質的な関係性をより強く求めるようになっています。顧客が期待するのは、取引の場面だけではありません。あらゆる接点での認識とインタラクションです。双方向のコミュニケーション、認知、感謝、フィードバックできる機会、そして「自分が誰で、何が好きで、何に価値を感じるか」をブランドが理解していることを示す証拠を求めています。
要するに、彼らはブランドに自分のことを知ってほしいし、ブランドが自分のことを知っているという事実を、なんらかの形で証明してくれることを望んでいるのです。
このようなカスタマー・エクスペリエンスを提供できれば、多くのロイヤルティの高い顧客ベースを構築できます。ただし、その実現にはデータが不可欠です。完全に統合されたCRM カスタマー・ロイヤルティ・ソフトウェア・ソリューションがあれば、マーケティング担当者はデータの収集と活用を容易に行い、顧客を一人ひとり理解したうえで、望ましい行動を促進できます。
カスタマー・ロイヤルティ・プログラムの構築にあたって、以下のポイントを重視しましょう。
カスタマー・ロイヤルティ・マーケティングは、「買ったら貰える」といった取引中心のプログラムから、エンゲージメントに重点を置いたロイヤルティ・プログラムへと移行しています。顧客は、単に購入するだけでは満足しません。ブランドと関わり、自分の意見を述べ、自身の体験を共有したいと思っています。
感情的なエンゲージメントが高い消費者は、82%の確率でそのブランドを購入する一方、感情的なエンゲージメントが低い消費者が購入する確率は38%にとどまる。— Capgemini
このような顧客にとって、ブランドとのやり取りは、1回の購入よりもずっと重要なのです。そのため、エンゲージメント・ベースのロイヤルティ・プログラムは、そうした心の絆を築き、信頼関係を育むのに役立ちます。このようなロイヤルティ・プログラムは、長期的な目標に重点を置いています。たとえば、支持者を増やす、毎月の紹介数を増やす、さまざまなデジタル・アセット(モバイルアプリ、ソーシャルメディア投稿、ランディングページなど)に多くの顧客を誘導するといった目標です。
ブランドは、市場シェアの拡大、競合からの顧客の獲得、そして最も価値の高い顧客の維持を実現するために、オムニチャネルのロイヤルティ戦略とエンゲージメント戦略へと舵を切っています。
ブランドがロイヤルティ・プログラムに投資する傾向が強まっている理由には、以下のようなものがあります。
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