セールス・イネーブルメントとは、営業チームがよりスマートに、より多く販売できるようにするための、一連のツールやコンテンツのことです。ただし、セールス・イネーブルメントには、マーケティング担当者が営業担当者の販売を支援するために行うプロセスも含まれます。これには、リードを獲得・管理し、営業チームにバトンタッチするために行われるすべてのプロセスが含まれます。
簡単に言えば、企業が事業を継続し、成長するためには、製品やサービスを販売する必要があります。そのため、営業チームは適切なメッセージング、コンテンツ、CRMシステムを使って、マーケティング担当者が送ってきた営業可能なリードを管理する必要があります。
マーケティング担当者は、共感を呼び、エンゲージメントを高め、リードを育成し、最終的に製品やサービスの購入を促すようなコンテンツを作成する(または営業がコンテンツを作成するのを支援する)役割を担っています。
効果的なセールス・イネーブルメント・プロセスとツールがあれば、マーケティングチームはコンテンツの作成にとどまらず、より質の高いリードでパイプラインを埋めることで、パイプラインを充実させ、より予測可能で安定した状態を保つことができます。これにより、成約率の向上につながります。マーケティングと営業のしっかりとした連携は、マーケティングROIとCRM ROIにプラスの影響を与えます。
営業担当者の時間は限られています。セールス・イネーブルメントは、その限られた時間を賢く、生産的に使えるよう支援します。マーケティングで(効果的なリード管理、データのアクティベーションなどによって)適格なセールスリードを獲得できれば、営業担当者は成約可能性が高い取引に集中することができます。
適格なリードと、そのリードに関する正確でデータに基づいたインサイトがあれば、営業担当者は見込み客と対話したり関係性を深めたりする際に役立てることができます。つまり、成約につながる可能性が高くなるのです。
セールス・イネーブルメントは、営業とマーケティングの組織を連携させることから始まります。収益目標、市場参入戦略、適切なセールスプログラム(ターゲットを絞ったマーケティング・キャンペーンに基づく)を連携させることで、セールス・イネーブルメントの推進と営業効果の向上につなげることができます。
営業支援(SFA)などのCRMシステムを通じて、営業担当者がカスタマージャーニーを可視化できるようにすることで、営業取引の迅速化を実現します。これらのシステムは、顧客データ管理の目標達成を支援することに加え、営業担当者に適切なカスタマー・インテリジェンスを提供することで、リードや見込み客との適切なエンゲージメントを可能にします。コンテンツ・マーケティングの取り組みを組織化し、そのコンテンツを営業担当者とも共有することで、メッセージの一貫性を確保できます。
では、セールス・イネーブルメント戦略を戦術的に展開するには、どうすればよいでしょうか。2つの質問から始めます。
1.現在、営業担当者はどのようなシステムやツールを使用していますか?CRMシステムですか?連絡先管理ソリューションですか?モバイルデバイスですか?スプレッドシートですか?
2.その他のつながりのあるチーム(マーケティングなど)は、どのようなシステムを使用していますか?マーケティング・オートメーション・システムですか?コンテンツ管理システムですか?
これらの2つの質問に答えることで、方向性が明確になります。営業チームが見込み客に接する場合と同じように、営業チームに接しましょう。プロセスを自動化して、マーケティング・コンテンツとセールス・インテリジェンスを営業チームに提供します。
取引の成立には、営業とマーケティングの連携が必要です。この連携は、広告キャンペーンやマーケティング・キャンペーン、コンテンツ制作などの需要創出活動を効果的に行うために重要です。適切なセールス・イネーブルメントが行われなければ、せっかくのリードが埋もれてしまい、企業が収益を上げる機会を逃してしまうことになります。
このコンセプトを受け入れ、セールス・イネーブルメントを(営業だけでなく)ビジネス全体に統合する企業は、営業の生産性を高め、収益を増加させることができます。営業とマーケティングの連携には、非常に多くのメリットがあります。
営業チームのリーダーは、常に営業担当者とその営業環境を観察、評価、理解する必要があります。
また、マーケティングは営業と連携し、適格なセールスリードの定義との整合性を実現する必要があります。また、マーケティングは、常に最新情報にアクセスし、セールスファネルに沿った適切なマーケティング・コンテンツを作成する必要があります。
正しく実施した場合、セールス・イネーブルメントは、営業担当者は以下を得ることができます。
セールス・イネーブルメントを適切に実施した企業は、次のような成果を上げています。
49%成約見込みに対する成約率
60%顧客維持率が向上
84%販売目標の達成率
14%取引規模が増大
セールス・イネーブルメントをうまく機能させるには、営業チームとマーケティングチームが使用する一元化されたセールス・イネーブルメント・システムが必要です。
このようなツールとして、次のようなものがあります。
セールス・イネーブルメント・ツールおよびテクノロジを評価する際、重要なのはその価値です。チームは、システムを簡単に使用できるだけでなく、システムの価値を理解する必要があります。チームは、新しいプロセスやツールが、営業チームの効率、生産性、収益性をどのように向上させるかを把握する必要があります。これには、データの完全性、正確性、実用性を信頼できるということも含まれます。セールス・イネーブルメント戦略から最大限の利益を得るには、顧客データ管理(CDM)機能を備えたシステムが必要です。この機能は、顧客データの収集とクレンジングを支援し、最も必要な場所、つまり営業チームに確実にデータを届けるのに役立ちます。
マーケティング担当者と営業担当者は、常にデータを収集しています。どのオーディエンスをターゲットとすべきかをより適切に把握するために、サインアップ、登録、サブスクリプション、アンケート、過去の購入など、見込み客が行うすべてのアクションを追跡しています。データを多く収集するほど、多くのインサイトを獲得できます。営業チームとマーケティングチームは、これらのデータを使って、潜在的な顧客を理解および特定し、コンテンツをパーソナライズして最適なタイミングでリーチすることで、営業プロセスを通じて顧客をナーチャリングすることができます。
また、これらのデータをアクティブ化し、インサイトをアクションにつなげることができます。データ・アクティベーションは、データの価値を引き出し、営業ライフサイクルを通じてカスタマー・エクスペリエンス(CX)を強化するプロセスです。データを収集するだけでは不十分であり、マーケティング・キャンペーンに情報を提供できるように活用する、つまり、アクティブ化する必要があります。適切な顧客データから、顧客に関する次のようなインサイトが得られます。
セールス・イネーブルメント戦略は、時間とともに最適な状態に保つ必要があります。つまり、セールス・イネーブルメント戦略を開始したら、時間が経過してもその効果が持続しているか確認するために、データ、レポート、分析に基づいて営業効果を測定する必要があります。営業の観点からは、次のようなチームの指標に焦点をおいた標準的なレポートが必要です。
マーケティングの観点からは、閲覧回数、共有回数、ダウンロード回数、平均滞在時間に加え、マーケティング・コンテンツが新規顧客の獲得やコンバージョンにどのように貢献したかに焦点を当てたレポートや指標が必要です。
営業効果とは、販売ソリューションとプロセスを検証するもので、営業サイクルを短縮し、平均販売価格や年間契約額を増加させ、成約率を高めることにつながります。購入者の行動に関する可視性を高め、より効率的に業務を遂行するためのツールを営業担当者に提供し、適切なトレーニングを行うことで、営業全体の効率を向上させ、収益を増加させることができます。
セールス・イネーブルメントは、営業チームがカスタマージャーニー全体を通じて効率的かつ効果的に見込み客や顧客のエンゲージメント獲得に必要な、システムとコンテンツを提供します。
セールス・オペレーションでは、営業担当者に適切な販売地域と適切なノルマが割り当てられていることを確認します。セールス・イネーブルメントは、セールス・オペレーション・チームが設定した目標に営業担当者が到達できるよう支援します。