フィールド・サービスとは、自社工場ではなく、顧客の拠点で自社製品に対して行われる作業のことを指します。製造業、ハイテク、医療技術などの分野でよく行われているフィールドサービスでは、通常、従業員や請負業者を特定の場所に派遣して、機器やシステムの設置、修理、保守を行います。
フィールド・サービスの従事者は、一般顧客や法人の顧客に対して、熟練の専門的な、もしくは独自のサービスを提供します。従業員である場合もあれば、請負業者である場合もあります。
多くの人は、フィールド・サービスと聞くと、ケーブル・テレビやWi-Fiのセットアップで一般家庭を訪問する技術者や、落ちた電線を復旧する電力会社の作業員を思い浮かべるでしょう。しかし、フィールド・サービスの世界は急速に発展しています。これは、より広範な意味で捉えられており、オフィスにデスクがないデスクレス従業員を含むようになりつつあります。現在、世界の労働者のうち10人中8人はデスクレスであり、フィールド・サービスは、教育やヘルスケアサービス、ホスピタリティなど、新たな産業にまで拡大しています。
顧客が機器を購入した後、顧客の拠点で専門スタッフが行う機器の設置作業です。
多くの人がフィールド・サービスの定義として思い浮かべるのがこの種類でしょう。保守には、修理型、予防型、プロアクティブ型の3つのカテゴリーがあります。
顧客がやりたいことを実現するために、機器を最大限に活用する方法について、フィールド・サービスのスタッフがアドバイスします。
フィールド・サービス管理は、現場の従業員や機器など、現場のリソースの管理における包括的な用語です。カスタマー・サービス・ソフトウェアのマーケットは広範ですが、その中でも重要な位置を占めています。フィールド・サービス・プロバイダー(FSP)は通常、遠隔地に技術者を派遣し、機器やシステムの設置、修理、保守を行います。事前に定義されたサービスまたは保守契約に基づいて、こうした資産の管理、維持、および監視を行います。
フィールド・サービス管理は、以下のような現場作業のあらゆる部分に関わっています。
フィールドサービス・マネジメントを取り巻く状況は、大きく変化しています。フィールドサービスが発展するにしたがって、より多くの業務が含まれるようになり、フィールドサービス・マネジメントはより複雑なものになっています。
作業環境そのものも変化し続けています。全員が9時から5時までのフルタイムで働き、管理者は紙とペン、デスクトップのカレンダー、またはシンプルなスプレッドシートを使ってスケジュールを管理できた時代であれば、フィールドの技術者の管理のプロセスはもっと簡単でした。
昨今、フィールドサービスの一般的なオペレーションにおいては、正社員からパートタイム、および別個のスケジュールで動く請負業者と、多様な労働力が混在しています。こうした状態で、予定のスケジュールや、作業員のニーズや顧客の効果的に管理しようとすると、さらに複雑になってしまいます。
フィールド・サービス管理は、非常に多くの重要な業務の間でバランスを取る必要があり、多くの企業の場合、フィールドサービス・マネジメント(FSM)ソフトウェアを利用して、変化に対応しています。FSMソフトウェアとモバイル・アプリは、現場作業員とバックオフィス間のコミュニケーション、スケジューリング、派遣、および一般的な情報共有の効率化を実現します。
フィールド・サービス管理ソフトウェアには、現場作業員とのリアルタイムのコミュニケーションや、新しい業務のトリガーベースのスケジューリングや派遣などのダイナミックな機能が不可欠であり、変化するフィールド・サービスに対応できるものである必要があります。
今日のダイナミックなビジネス環境では、競争は激化しており、顧客の期待もより大きいものになっています。フィールド・サービスのオペレーションは高い機動力を持って、優れたサービスを瞬時に作業員が提供し、顧客が求めているものが何かを知ることができるようにしなければなりません。
デスクレスの作業員は、面倒な手続きなく、業務を遂行できる必要があります。フィールド・サービス管理のツールは、従業員が現場で使用するモバイル・デバイスにアクセスできる(および互換性がある)ものでなくてはいけません。
どのようなフィールド・サービス管理のソリューションを使用する場合であっても、他システムとシームレスに連動する必要があります。フィールド・サービス管理のソフトウェアと他システムとの連携(CRMや人事、注文管理、eコマース、カスタマー・サービス、給与計算およびERPなど、もちろんこれらは一部に過ぎませんが)をあらかじめ確認しておきましょう。
ひと昔前までは、現場の作業担当者がサインつきの書類の束を持ってオフィスに戻るまで、バックオフィスや管理部門のスタッフおよびマネージャーは何も確認することができませんでした。しかし、現在のフィールド・サービス管理のシステムは、バックオフィスのスタッフが最新の情報にアクセスでき、作業員が現場にいる間にチケットをクローズできるよう、リアルタイムでデータを共有する必要があります。
業界やビジネスモデルによって、フィールド・サービス管理の組織の成功というのは異なります。たとえば、フィールド・サービス管理の1つの構成要素として、会社の機器の所在をトラッキングすることは、あるチームにとっては重要ですが、あるチームにとっては優先順位が低いものかもしれません。社内外の関係者と対話し、自社における優先順位を決めた上で、フィールド・サービス管理ソリューションがその必要な機能を備えているかどうかを確認しましょう。
フィールド・サービス管理ソフトウェアは、これまで現場作業員が行っていた面倒な反復作業を自動化することができます。この自動化は、主にスケジューリングや派遣管理、契約、SLA管理、ワランティー管理、在庫管理などといったバックエンド業務に適用することができます。
フィールド・サービスにおける大きなトレンドとして挙げられるのは、修理が必要な時期を予測することです。多くのフィールド・サービス・マネージャーはフィールド・サービス・システムとIoT管理のソフトウェアを連携させています。これにより、積極的に機器の健全性の監視し、潜在的に起こりうるダメージに対して事前に予防策を講じることができます。IoTのツールの中には、機器の正常動作のシミュレーションを行い、現在の機器の状態をベンチマークと比較できるものもあります。このように、現場の機器ができる限り最高の状態であるかどうかを確認することができます。
フィールド・サービス管理(PDF)とモバイル・ワークフォース・マネジメント(MWM)は、密接に関係しています。しかし、ソリューションを選択する際にはこれらの違いを考慮すべきであり、それは以下の質問によって判別することができます。
業務最適化の目的が、人間に関わる作業(すなわちカスタマー・ジャーニー)にあるのか、それとも物理的な製品のためなのか?
カスタマー・ジャーニーやスケジューリング・プロセス、または現場作業員の配置を最適化したい場合は、モバイル・ワークフォース・マネジメント・ソリューションが必要です。MWMソフトウェアは、顧客と現場作業員をプロセスの中核に位置づけています。なぜならMWMは、こうした人々をあらゆるフィールド・サービスの方程式における解決すべき変数として見なしているからです。
自社所有または販売した物理的な製品の設置や保守、修理、配置の最適化をしたい場合は、フィールド・サービス管理ソフトウェアのソリューションが必要です。FSMシステムは、物理的な資産にプライオリティを置くことを念頭に設計されており、作業の順序とタイミングを調整して、機器を最適な状態に維持します。
Oracle Serviceの詳細をご覧ください。
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