分析、レポートおよびモデリングのためのSQL

分析、レポートおよびモデリングのためのSQL

Oracle Databaseには、SQLを通じてアクセス可能な魅力的な分析機能と機能の数々が含まれています。また、新しい高速かつ効率的な次元モデルを使用したデータ整理方法も含まれています。

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Oracle Analytic SQL

分析、レポート、モデル化向けのSQLの概要

Oracle Databaseに組み込まれたデータベース内の分析関数および分析機能を利用すれば、ビジネス上のさまざまな問題に対応できます。開発者もビジネスユーザーも幅広い分析機能を利用でき、その結果を他のSQL問合せや分析パイプラインと組み合わせることができるため、さらに深い洞察を得ることができます。

スタンダードベースSQL

SQLは1986年に米国規格協会(ANSI)の標準になり、それ以来、現在のイテレーションであるANSI 2011に進化してきました。この標準化には次の2つの大きな利点があります。

  • 標準化によりアプリケーションの移植性が高まり、異なるデータベースシステム間の移植も大規模なコード変更なしで可能になります。データウェアハウスの分野では、BIツールを使用して、複数タイプのSQLデータベースを簡単かつ効率的にサポートできます。
  • – SQLが標準化されていることにより、アプリケーション開発における継続性が保証されます。30年前に記述されたSQL文は、SQLコードに変更を加えなくても現在でも実行し続けています。

継続的な進化

オラクルには、Oracle Databaseに高度なSQLベースの分析を組み込んできた長い歴史があります。

ビッグデータの分析でいまや主要な分析機能となっているウィンドウ関数は1999年のOracle 8iで初めて導入され、多くの開発者がこの機能を使用して複雑なビッグデータ要件を管理しています。

2003年にはOracle 10gで、ビジネスユーザー向けにスプレッドシート・タイプのwhat–ifモデリング・フレームワークを備えたSQLモデル句が導入され、12cでは、SQLパターンマッチングとHyperLogLogベースの概算カウントを実行するdistinct関数が導入されました。Database 18cではさらに、自己記述的で再利用可能な、完全に動的なテーブル関数を記述でき、近似問合せ処理も拡張されています。

分析、レポート、モデル化向けのSQLの主な利点

オラクルのデータベース内分析関数と分析機能の主な利点は次のとおりです。

  • 開発者の生産性の向上 - SQLコードが明晰かつ簡潔になるため、複雑な分析を実行できます。複雑なタスクも簡単なSQL文で表すことができるようになり、SQLの作成と管理が迅速化し、生産性の向上につながります。
  • 問合せ速度の向上 - データベース内分析によって処理の最適化がサポートされるため、問合せのパフォーマンスが大幅に向上します。以前であれば自己結合や複雑なプロシージャ処理が必要だった処理も、ネイティブSQLで実行できるようになりました。
  • 管理性の向上 - アプリケーションで共通のリレーショナル環境を共有し、あらゆるデータ型とソースを統合したビューに容易にアクセスできます。互換性のないデータ構造を含む計算エンジンが混在することはありません。
  • 学習労力の最小化 - SQL分析関数の構文で利用されるキーワードはよく知られている既存のキーワードであるため、新しいキーワードを覚える必要がほとんどありません。
  • 業界標準ベースの構文 - Oracleの機能はANSI SQL規格に準拠しており、多数の独立系ソフトウェアベンダーによってサポートされています。
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Oracle Analytic Views

分析ビューの概要

分析ビューは、ディメンションモデルを使用してデータを編成するものです。分析ビューによって、データセットに対して集計および計算を簡単に追加でき、比較的単純なSQLでの問合せが可能なデータをビューに表示できます。

標準的なリレーショナルビューと同様に、分析ビューはSQLを使用した問合せが可能なメタデータ・オブジェクトです(つまり、分析ビューにデータは保存されません)。分析ビューは、表、ビュー、外部表などの他のデータベース・オブジェクトのデータにアクセスします。また、複数の表を1つのビューに結合することができます。

分析ビューでは次のような操作も可能です。

  • ディメンションと階層の概念を持つリッチビジネスモデルを使用したデータの編成
  • 階層データを使用したシステム生成列の追加
  • データの自動集計
  • ビジネスモデルに基づいた構文を使用して簡単に定義可能な、埋め込み型メジャー計算の追加
  • プレゼンテーション・メタデータの追加
  • 計算式の階層的認識

分析ビューの主な利点

オラクルの新しい分析ビューの主な利点は次のとおりです。

  • アプリケーション開発の簡素化と迅速化 - 分析ビュー内での計算の定義は、複雑なSELECT文の記述や生成よりもずっと簡単です。
  • 計算ルールの保存は一度のみ - ルールがデータベースに保存されるため、エンドユーザーにとってレポートツール使用時の選択の幅が広がります。
  • 計算の一貫性 - 計算ルールは一度定義されればデータベース内に保存されることから、任意の数のアプリケーションから再利用できます。
データベースをアップグレードする準備を整えたら、My Oracle Supportにアクセスして、アップグレード前ユーティリティをダウンロードしましょう。