2019年12月5日より、Oracle Advanced Analytics(OAA)オプションおよびOracle Spatial and Graph
(OSG)オプションがOracle Databaseに含まれるようになりました。これは、Enterprise Edition、SE2、およびDatabase Cloud Service(DBCS)Standard EditionとEnterprise Editionに適用されます。このライセンス変更を告知しているOracle Databaseの公式ブログ投稿は、こちらになります。このブログ記事には、これら各オプションに関するその他の記事へのリンクも記載されています。
Oracle Databaseには、業界をリードするマルチモデルおよび分析機能が備えられています。統合データベースとして、Oracle Databaseは、複数のデータ型とデータモデル(空間、グラフ、
JSON、XMLなど)、アルゴリズム(機械学習、グラフ関数、統計関数など)、ワークロードの種類(運用および分析など)をサポートしています。現在、これらの機能の多くはOracle Database製品とクラウドサービスに装備されていますが、オラクルの目標は、これらの高度な機械学習、空間、グラフ開発APIをすべての開発者とアプリケーションに提供することです。
他のプロバイダーではさまざまなデータ型やデータモデルに対応するために個別のデータ管理プラットフォームを使用する必要がありますが、Oracle Databaseは単一の集約型プラットフォームですべてのデータ型とワークロードをサポートしています。オラクルのアーキテクチャでは、開発者は、運用の複雑さによるオーバーヘッドなしで最新のアプリケーションをより迅速に構築できます。個別の単一目的データサービスと比較して、オラクルは、シンプル(複数のデータエンジンではなく1つのデータエンジンで管理)であり、ドメイン間のデータ統合が強固であり、セキュリティ、スケーラビリティ、可用性も優れています。
オラクルがこの変更を行った理由は何ですか?
このライセンス変更により、より多くの顧客や見込み客によるOracle Databaseの多彩な機能の使用が可能になり、その利用が促されます。機械学習、グラフ分析、空間インテリジェンスなどのテクノロジーはほぼあらゆる最新アプリケーションに含まれているべきであり、オラクルは、これらの
テクノロジーをオラクルのすべてのお客様が広く利用できる必要があると考えています。
今日これらの機能は広く使用されていますが、データベース・オプションに追加コストがかかるために一部のお客様は導入を控えていました。Oracle Autonomous Databaseによって開発者やデータ・サイエンティストが使いやすいOracle Machine Learning NotebooksやSpatial Studioなどのセルフサービス・ツールが最近追加されたことに加えて、コスト要因がなくなったことで、より包括的な
データ・プラットフォームが開発者およびデータ・サイエンティストのコミュニティに提供されています。
この変更は、開発者やデータ・サイエンティストにどのようなメリットをもたらしますか?
Oracle Databaseは、市場をリードする空間、グラフ、機械学習の機能を備えていると認識されています。これらの機能のスケーラビリティとパフォーマンスによって、データ・サイエンティストは企業全体でより巨大なデータをより高速に処理できます。開発者は
これらの強力な機能をアプリケーションに統合することができます。それによって、オープンソースと
独自の技術を活用できます。たとえば、Oracle Machine Learning for R(Oracle Advanced Analyticsの旧Oracle R Enterprise)を使用すると、開発者は、SQLを介した即時のデプロイメント用に作成された、場合によってはデータ・サイエンティストによって作成された、ユーザー定義のR関数を利用できます。
統合データベース・アーキテクチャが各種ワークロード用の個別のデータベースよりも優れている理由は何ですか?
オラクルの統合データベースを使用すると、アプリケーション内のすべての
機能に単一のデータベースエンジンを使用できます。オラクルでは、JSON、空間、XML、グラフ、
機械学習、テキスト、時系列、ROLAP、ストリーミング/イベントキュー、LOB、および外部ファイル
をすべて単一のプラットフォーム内で使用することができます。個別の単一目的データベースに基づくソリューションと比較して、
オラクルの統合アーキテクチャには次のような多くのメリットがあります。
- より迅速なアプリケーション開発—すべてのデータがOracle Databaseに格納され、標準のインタフェースまたはドメイン固有のAPIを介して開発者が簡単に利用できます。
- より簡単な管理—組織は1つのOracle Databaseを管理するだけで済みます。
複数の種類のデータベースを管理するための専門知識は不要です。
- より優れたデータセキュリティ—オラクルは高いデータの安全性を誇ります。なぜなら、セキュリティポリシーが一箇所で
施行されるからです。データソース間のデータ・レプリケーションは
整合性を失う可能性があり、セキュリティ・リスクが発生します。
- より高いレベルの可用性とスケーラビリティ—オラクルはエンタープライズ機能を
1つのプラットフォームに構築します。単一目的データベースでは、可用性とスケーラビリティに対する企業の同等の投資を
正当化することはできません。複数の単一目的データベースで構成されるアーキテクチャの場合、
機能が最も少ないデータベース・コンポーネントの可用性とスケーラビリティによって
アプリケーションが制約を受けます。
- より強力なデータの整合性—オラクルの統合データベース・アーキテクチャを利用することで、
データの整合性がOracle Database内で自動的に確保されます。逆に、複数の単一目的データベースの場合は、
アプリケーションが複数のデータベースにまたがってデータを共有している場合に
アプリケーション開発者がコードによってデータの整合性を
確保する必要があります。
- 所有コストの削減—集約型プラットフォームによってハードウェアリソースをより効率的に使用でき、管理とセキュリティ構成のために複数のスキルセットは不要です。
この変更で既存の顧客はどのような影響を受けますか?
有効なサポート契約のあるOracle Database EEおよびOracle Database SE2と、有効なサブスクリプション契約のあるOracle Database Cloud Service(すべてのエディション)のすべてのライセンス所有ユーザーは、Oracle Advanced Analytics(OAA)およびOracle Spatial and Graph(OSG)の機能を使用するライセンスを取得することになります。実際、
OAAおよびOSGはOracle Databaseのオプションではなくなりました。これらのオプションのすべての機能は、
Oracle Databaseライセンスに関連付けられた機能になりました。Oracle Database SE2と一部のクラウド・デプロイメントのサポートは、
今後のアップデートによって決まることに注意してください。
Oracle Database ULAを所有する顧客は、Oracle Spatial and Graphと
Oracle Advanced Analytics(Machine Learning)のULAを所有することになりますか?
OAAおよびOSGのすべての機能がOracle Databaseに含まれますか?パッケージの変更は
ありますか?
基盤となるデータベースがサポートする範囲で、すべての機能が含まれます。たとえば、
Oracle Database SE2は並列処理をサポートしていませんので、機械学習、グラフ、
空間機能はSE2では直列で実行されます。コンポーネントに関しては、以前から別にインストールが必要だったコンポーネント、たとえば、
Oracle R Enterprise、Spatial Studio、Property Graph In-
Memory Analytics(PGX)など、および近日公開予定のOracle Machine Learning for Pythonについては、
個別にインストールする必要があります。将来的にパッケージング/インストールの変更があるかもしれませんが、これらは
ライセンス変更とは関係ありません。詳細については、Databaseのライセンス情報
ユーザーマニュアルをご覧ください。Oracle Database SE2と一部のクラウド・デプロイメントのサポートは、
今後のアップデートによって決まることに注意してください。
この変更によって、ライセンスまたはサブスクリプションの価格が上がることはありますか?
いいえ。お客様は、Oracle DatabaseライセンスまたはDBCSサブスクリプションの現在のままの価格で、
データベースの空間、グラフ、および機械学習の
利点と機能を利用できます。
この変更は、これらのテクノロジーに対するオラクルによる投資に影響しますか?
これらのテクノロジーは、オラクルの統合データベース・アーキテクチャと
Autonomous Database製品に不可欠です。機械学習、グラフ、位置(空間)分析は、
今日採用されつつあるテクノロジーで最も急速な成長を見せている重要なテクノロジーであり、
これらの機能を採用するお客様が増えることを期待しています。オラクルは、
Oracle Databaseおよび関連するクラウド製品の機械学習、空間、グラフ機能をサポートおよび強化する開発リソースに
積極的に投資しています。
これによって、Database Cloud Service(DBCS)製品に影響はありますか?
12月5日より、Oracle Database Cloud Serviceのすべてのエディション(Standard Edition、
Enterprise Edition、Enterprise Edition High Performance、Enterprise Edition Extreme Performance)に
データベースの空間、グラフ、機械学習機能のライセンスが付与されます。各種の
DBCS製品で特定のソフトウェアが使用できるかどうかは、
DBCS開発利用スケジュールによって異なります。