2021年7月、米国国防総省(DoD)は、JWCC(Joint Warfighter Cloud Capability)と呼ばれるエンタープライズ・クラウド・サービスの新しい方向性を発表しました。JWCCは、新しいマルチベンダーIDIQ契約を通じて、DoDにエンタープライズ・クラウド・ソリューションとハイパースケール・クラウド・サービスを提供します。
JWCCが完全に実行されると、国防総省のすべてのセキュリティレベルにまたがるマルチベンダー・エンタープライズ・クラウドを実現します。JWCCによって、マルチクラウドをコア戦略として採用している多くの企業組織が享受するマルチクラウドのメリットを、DoDミッションも享受できるようになります。マルチクラウドは、アーキテクチャー内でのミッション適合性を高め、将来のミッションに向けた幅広いイノベーションを提供し、単一ソース障害からの耐障害性を高め、競争力のあるオプションにより経済的利益をもたらします。マルチクラウドの利用が急増したため、業界標準やソリューションによりマルチクラウド環境の移行、ポータビリティ、仮想ネットワーキング、管理、ガバナンスが容易になり、導入を阻む障壁が取り払われています。
Oracle Cloudは、次世代クラウド・アーキテクチャーとして独自に設計されています。クラウド運用に新たなレベルのセキュリティをもたらし、充実したハイパフォーマンスのコンピューティングとストレージを備えた高速ネットワークを実現します。マルチクラウドの運用に対応し、経済性を重視した価格設定となっています。オラクルは、ハイパースケール・クラウドの大手プロバイダーとして、世界各地に拠点を持ち、DoDのミッションに特化した運用リージョンを持っています。オラクルは、DoDが予測するJWCCのスケジュールに合わせて利用可能な、DoDのさまざまな戦力ミッションに対応する専用のクラウド・サービスを提供することで、JWCCをサポートします。Oracle Cloudは、JWCCの下でのエンタープライズ・クラウドに対するDoDのニーズをサポートしており、例えば以下のようなものがあります。
このような最先端の技術力だけでなく、オラクルのプラットフォームは、DoDにとって実用的なメリットもあります。Oracle Cloudは、政府機関ではよく知られた存在です。現在、Oracle Cloudはすでに複数の連邦政府機関で使用されており、主要な政府契約媒体を通じて利用することができます。オラクルは数十年にわたり連邦政府に貢献してきました。当社の公的機関および国家安全保障に関する広範な専門知識は、オラクルが政府の高いセキュリティ要件に適格であることを示すだけでなく、オラクル・クラウド・テクノロジーがミッションの成果を最適化するために不可欠であることを示しています。
専用、未分類のFedRAMPおよびDISA認可リージョンから、SecretおよびTop Secretリージョンや戦術的エッジ・ソリューションまで、Oracle Cloudは革新的なクラウド機能でJWCCをサポートします。
Oracle Cloudは、既存のほとんどのクラウドソリューションに内在する外部および内部のセキュリティ脅威を排除するように構築されており、機密データを保護しながらリソースを使用可能にします。テナントと仮想化ネットワークの分離、テナント内のコンパートメント化、最大セキュリティゾーンなどのネイティブ・セキュア機能により、Oracle Cloudは一貫したセキュリティ、アイデンティティ、アクセス管理を実現します。Oracle Cloudは、自動化、常時オン、アーキテクトインのセキュリティ(PDF)で設計されています。
オープン・ソース、オープン・スタンダード、オープン・データ・フォーマットに関するOracle Cloudの取り組みにより、データ移動が迅速化し、アプリケーションの移行や開発の効率化がかつてないほど自由に行えるようになりました。Oracle Cloudは、Graph、Spatial、Relational、In-Memory、JSON、XML、NoSQL/Key Valueなどの標準ベースのデータ形式をすべてサポートしています。また、Oracle Cloudは、データ・サイエンス、データ統合、移行から、SQL Anywhere、サーバーレス機能、Kafka準拠のサービス、データレイクにおけるオブジェクトのSparkストリーム処理などのデータサービスをサポートしています。
大規模なワークロードを実行しながら重要なデータ資産を管理・保護してきた実績を持つOracle Cloudは、そのデータに関する専門知識を活用して、あらゆる階層のデータの作成、公開、保護、管理をセキュアかつオープンに提供します。集中的な計算と分析ワークロードの要件に対して、Oracle CloudはネイティブRDMA、ベアメタル・コンピューティング、GPUコンピューティング、高I/Oストレージ、低レイテンシ・ネットワークを備えたHPCを提供し、データやプロセスを多用するワークロードに対応するパフォーマンスとスケーリングを提供しますまた、Oracle Cloudでは、Exadata Cloud ServicesとOracle Autonomous Databaseを提供しています。これらは、厳格な稼働率と最高のセキュリティを確保しつつ、数百万のIOPSと高いトランザクション率を必要とする世界中のミッション・クリティカルなデータベースのデータ処理を提供します。
サードパーティのテクノロジー・パートナーによる強固なマーケットプレイスのエコシステムから、組み込みAIや機械学習まで、Oracle Cloudの多くの機能は、すべて予測可能な低価格と包括的なサービスレベル契約で提供されます。オラクルは、IaaSとPaaSのクラウド・サービスを実際に使用した分だけ請求するフレキシブルな請求方法を採用しており、これによりDoDは支出をコントロールして予算を管理できます。
Oracle Cloudの特徴として、JWCCプログラム向けSaaS(Software-as-a-Service)サービスがあります。Oracle Fusion Cloud Applicationsは、最も完全でコネクテッドなSaaSスイートにより、DoDの任務遂行能力をサポートします。オラクルは、最新のユーザー・エクスペリエンスと継続的なイノベーションを提供することで、財務、人事、サプライチェーン、製造、プロジェクト、調達、メンテナンス、サービスなど、ミッション全体にわたって四半期ごとにアップデートを行い、DoDの成功に貢献しています。
DoDの組織は、新しい相互運用可能なソリューションを、まずはエッジにいる戦闘員に迅速に提供し、その後時間をかけて確実に改善することでミッションのニーズに対応しようとしています。Oracle Cloudのクラウド・ネイティブ開発ツールは、開発者にとってなじみのあるオープン・ソースのツールとプロセスであるこことから、その目的を迅速に達成するのに役立ちます。
急速に変化する戦場では、相互運用性が重要です。つまり、マルチクラウド・ネットワーク全体の中で、個々のクラウド・プロバイダーが、マルチクラウドとオープン性に対応可能に構築されていることが理想的です。Oracle Cloudは、マルチクラウドに以下のように対応しています。
DoDはデータ分析をJWCCの重要な要素としていますが、あらゆるデバイスがデータソースとなり得る世界では、大量のデータから分析情報を得ることを優先するのは理にかなっています。Oracle Cloudは、真のマルチクラウド・プラットフォームである分析サービスを幅広く提供しています。Oracle Cloudは、データ・サイエンス、MLトレーニング、予測モデリング、データの可視化、AIを活用した分析情報、トレンドを提供し、また、オープン・ソースのデータベース、他のクラウド製品、オンプレミスのデータストアなど、あらゆるデータソースに存在するデータに関するレポートを提供します。
軍の戦術的クラウド構想では、エッジでデータを処理することで、重要な情報を戦場でほぼリアルタイムで得ることができます。オラクルのRoving Edge Infrastructureは、クラウドのワークロードと互換性のあるセキュアで暗号化されたミッション・ワークロードをエッジでサポートします。これにより、戦闘員はクラウドで構築し、エッジに展開することができます。このサービスは、Oracle Cloudとの通信がなくても動作します。通信が可能であれば、エッジとクラウドの間でデータを同期させることができます。また、Oracle Cloudエッジサービスは、過酷な環境下でのデータ管理、エッジ分析、ストリーム処理、ミッション・アプリケーションのために、拡大用スケーリング、ハイパフォーマンス・コンピューティング、GPU処理、プラットフォーム・ソフトウェアを提供します。
連邦政府向けオラクルのマルチクラウド製品およびソリューションについては、www.oracle.com/federalをご覧ください。