クラウド・ネイティブなSaaSスイートは、バンキング・アプリケーションを最新化するためのアジリティを提供。顧客ニーズを満たし、新たな事業機会を捉えられるよう企業やリテール銀行を支援
テキサス州オースティン —2023年2月24日(本資料は米国2023年2月7日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリースの抄訳です)
取引量や顧客の期待、そして競合の脅威がかつてないほど高まっている中、銀行は迅速にこれらに対応していく必要があります。こうした課題に対処するため、オラクルは本日、コンポーネント化された構成可能なクラウド・ネイティブ・サービスの新しいスイートである「Oracle Banking Cloud Services」の提供を開始しました。
本日より提供される6つの新サービスは、拡張性の高い法人向け当座預金口座処理、企業規模の限度額および担保管理、ISO20022グローバル決済リアルタイム処理、API管理、リテールの口座開設および審査プロセス、新しいセルフサービスのデジタル体験機能を銀行に提供するものです。マイクロサービス・アーキテクチャ上に構築されたこれらの機能は、銀行がより迅速に、より少ないリスクでビジネス機能を刷新し、最新化できるよう支援します。
Oracle Financial Servicesのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるソニー・シン (Sonny Singh) は、次のように述べています。「銀行は、今日の厳しい競争環境の中で成功するためにイノベーションを起こす必要があります。オラクルは、あらゆる規模の銀行が既存の環境を損なうことなく、優れたスピード、セキュリティ、および拡張性のもとでイノベーションを実現できるよう、世界で最も包括的なクラウド・ネイティブなSaaSソリューションを構築しました」
これらのサービスは、単独での運用、シームレスな連携、既存のアプリケーションとの共存が可能で、銀行がコストとリスクを低減しながらイノベーションを促進できるよう支援します。また、銀行は、わずか数分でプロビジョニングと可用性を実現することができます。さらに、パッチの自動適用や、ディザスタ・リカバリのスイッチオーバーの回数が減ることで、ITコストと負荷を軽減することができます。
新サービスは、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」のOracle Kubernetes Engineを含むOCIの高いパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティ、コンプライアンス上に構築され、稼働しています。「Oracle Banking Cloud Services」は、最も広範な分散オプションに加え、ほとんどのクラウド・リージョンをグローバルに利用できるため、データ主権やデータ・レジデンシーのニーズに応じて導入することが可能です。新サービスには以下が含まれます。
現在の法人向け当座預金口座 (DDA: demand deposit account) ソリューションは、グローバルな銀行取引の激増をもたらしたEコマースやデジタル決済に対応するための機能が十分ではありません。PwCは、2020年から2025年にかけて、世界のキャッシュレス決済量が80%以上増加し、約1兆9,000億件の取引に達すると予測しています。「Oracle Banking Accounts Cloud Service」は、「Oracle Coherence Datagrid Infrastructure」上で拡張性の高い当座預金口座処理を提供します。本サービスは極めて高いパフォーマンスを発揮することが確認されており、コモディティ・ハードウェア上で1CPUあたり200TPS以上を記録しています。また、銀行の既存のプロセス・フローやテクノロジーと統合できるため、業務を中断させることなく、銀行のコアバンキングDDAシステムを最新化し、市場に新しいサービスを提供することができます。
レガシーシステムでは、Eコマースや新しい取引形態によるデジタル決済の量と速度の増加に対応し、拡張・管理することができません。「Oracle Banking Payments」は、クロスボーダー決済、大口決済、バルク決済、リテール決済、24時間365日決済など、リアルタイムの決済処理に対応した単一のエンジンを提供します。このサービスは、ISO20022標準データ・モデルと、SWIFT、SEPAなど15以上の主要なグローバル決済スキームに基づいて一から構築されており、すぐに利用することができます。
コーポレート・バンクは、全社的なシステムの欠如や、非効率的なモニタリング、管理体制の不備により、増加する債務不履行の管理に苦労しています。McKinseyの推定によると、改善されたモデルを使用する銀行では、貸倒損失が20~40%減少する可能性があるとのことです。「Oracle Banking Enterprise Limits and Collateral Management」は、限度額の定義プロセスと担保管理を一元化することで、銀行の信用リスクを総合的に把握できるようにします。このサービスは、信用リスク追跡、信用査定、意思決定、承認に関するリアルタイムのソリューションを銀行に提供することで、リスクを低減します。
今日の銀行業務には、顧客の要求を即座に満たすことが求められています。顧客は、口座が迅速に開設され、融資が数分で処理され、現金が数時間で振り込まれることを期待していますし、そのすべてのプロセスが透明性の高いものであることを望んでいます。「Oracle Banking Origination」は、プロセスの効率化と意思決定の自動化により、銀行員が個人顧客や中小企業顧客向けに、カスタマイズされた口座開設および審査プロセスの体験を提供できるよう支援します。このサービスにより、銀行はリテール資産および負債ビジネスライン全体で審査プロセスを迅速にスケーリングし、預入と貸付の金額を効率的に増加することができます。
「Oracle Banking Digital Experience Cloud Service」は、顧客サービスを向上させるような、法人および個人向けバンキング・エクスペリエンスをすぐに利用できるようにするためのデジタル・バンキング・ソリューションです。このソリューションは、動画、チャットボット、AI、自然言語処理(NLP)ベースのエンゲージメント・ツールに支えられたオムニチャネルのコンテキスト・デジタル体験の提供に加えて、顧客・商品獲得を実現します。また、このサービスは、銀行の既存のテクノロジーやサード・パーティのサービスと連携することで、シームレスなプロセスを推進します。
「Oracle Banking APIs Cloud Service」では、1,800以上のビジネスおよび基盤となるバンキングAPIをすぐに導入できるため、銀行は規制に準拠しながらイノベーションを加速するためのオープン・バンキング・プラットフォームを構築することが可能になります。このソリューションにより、銀行は、Eコマース・ポータルやエンタープライズ・ソフトウェアなど、拡大するパートナーのエコシステムにサービスを組み込むことで、カスタマー・エクスペリエンスと収益の機会を向上させることができます。
オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.com をご覧ください。
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