Press Release

オラクル、MySQL HeatWave on AWSを発表

AWSユーザーは、トランザクション処理、リアルタイム分析、機械学習をMySQLの単一サービスで実行可能に

MySQL HeatWaveは、Amazon Redshiftと比較して7倍、Snowflakeと比較して10倍の価格性能、Redshift MLと比較して25倍の速度、Auroraと比較して最大10倍のスループットを実現

テキサス州オースティン—2022年9月13日
Heatwave AWS

(本資料は米国2022年9月12日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリースの抄訳です)

オラクルは本日、「 MySQL HeatWave 」がアマゾン ウェブ サービス(AWS)で利用可能となることを発表しました。「MySQL HeatWave」は、OLTP、分析、機械学習、機械学習ベースの自動化を単一のMySQLデータベース内に統合した唯一のサービスです。AWSユーザーは、トランザクション処理にはAmazon Aurora、分析にはAmazon RedshiftまたはSnowflake on AWS、機械学習にはSageMakerといった別々のデータベース間で時間のかかるETL(Extract:抽出、Transform:変換、Load:ロード)の複製を必要とせず、単一サービスでトランザクション処理、分析、および機械学習のワークロードを実行できるようになりました。

オラクルのチーフ・コーポレート・アーキテクトであるエドワード・スクリーベン(Edward Screven)は、次のように述べています。「オラクルは、お客様に選択肢を提供することを信条としています。『MySQL HeatWave』のお客様の多くは、AWSから移行されました。また、アプリケーションの一部をAWSで引き続き稼働させたいと考えているお客様もいます。これらのお客様は、AWSから課金される高価なデータ・エグレス料金や、オラクルのクラウドで稼働するデータベース・サービスにアクセスする際の遅延など、深刻な課題に直面しています。オラクルはこれらの問題に取り組む一方で、他のデータベース・クラウド・プロバイダー(AWS上で稼働するAmazon独自のデータベースも含む)と比較して、トランザクション、分析、機械学習にわたって優れた性能と価格性能を実現しています。オラクルは、データをAWSから移動することなく、また開発者が新しいプラットフォームについて学ぶ必要なく、『MySQL HeatWave』のイノベーションのメリットを享受できるこの選択肢を、AWSのお客様に提供したいと考えました。」

Johnny Bytes は、ドイツを拠点とするWebおよびアプリケーション開発の革新的なデジタル・エージェンシーです。Johnny Bytesの最高経営責任者、Thomas Henz氏は次のように述べています。「トランザクション処理と分析の両方に対応する統合データベースである『MySQL HeatWave on AWS』により、当社のデータプラットフォームを簡素化できました。AWS RDSやAuroraと比較して、複雑なクエリを60〜90倍高速化し、ターゲットを絞り込んだマルチチャネル・キャンペーンに必要なリアルタイム分析を生成することが可能です。当社では、IT管理を増強することなく、より多くのデータやあらゆる規模の新規顧客を取り込むことができる拡張性を備えることができました。」

オラクルは、本日のニュースの一環として、「MySQL HeatWave on AWS」のいくつかの新機能とベンチマークを発表しました。

  • 比類のない性能と価格性能: 「MySQL HeatWave on AWS」は、AWS向けに最適化された優れたアーキテクチャを備えています。そのため、業界標準のベンチマークで実証されたように、競合製品と比較してより高い性能とより低いコストを実現することができます。4TB TPC-H*ベンチマークにおいて、「MySQL HeatWave on AWS」は、Amazon Redshiftの7倍、Snowflakeの10倍、Google BigQueryの12倍、Azure Synapseの4倍の価格性能を提供します。機械学習の場合、「MySQL HeatWave on AWS」は、Redshift MLより25倍高速です。10GBのTPC-C*ワークロードにおいて、「MySQL HeatWave」は、高い同時実行性で、Amazon Auroraと比較して最大10倍のスループットを持続的に提供します。これらの完全に透過的なベンチマーク・スクリプトはすべて、お客様が複製できるように GitHub で公開されています。
  • ネイティブなAWSエクスペリエンス: 「MySQL HeatWave on AWS」は、アプリケーションのミリ秒レベルのレイテンシとリッチなインタラクティブ・コンソールにより、AWSのお客様に真のネイティブ・エクスペリエンスを提供します。スキーマやデータの管理を容易にし、コンソールからインタラクティブにクエリを実行することができます。ユーザーは、クエリ性能や、プロビジョニングされたリソースの利用状況を監視することができます。「MySQL Autopilot」もインタラクティブ・コンソールに統合されており、より使いやすくなっています。
  • 高度なセキュリティ機能: 「MySQL HeatWave」サービスは、Amazon Auroraとの差別化を図るために、複数の包括的なセキュリティ機能の提供を開始しています。これには、サーバー側のデータ・マスキングと匿名化、データの非対称型暗号化、データベース・ファイアウォールなどが含まれます。データの非対称型暗号化により、開発者やDBAは機密データの保護を強化し、ドキュメントに署名する人の身元を確認するための電子署名を実装することができます。データベース・ファイアウォールは、SQLインジェクションなどのデータベース固有の攻撃に対するリアルタイムな保護を提供します。これらの機能は、データベースのユーザーにクラス最高のセキュリティを提供するために設計されており、セキュリティ手法がデータベースの上にレイヤー化されているAuroraとは対照的なものとなっています。
  • MySQL Autopilot: 「MySQL Autopilot」は、プロビジョニング、データ管理、クエリ実行、障害処理など、アプリケーション・ライフサイクルのさまざまな側面において、ワークロードを考慮した機械学習ベースの自動化を提供します。「MySQL Autopilot」の機能には、自動プロビジョニング、自動並列ロード、自動エンコーディング、自動データ配置、自動スケジュール、自動クエリ計画改善、自動変更伝播、自動エラー処理などがあります。これらの機能を組み合わせることで、アプリケーションの性能を向上させ、ワークロードを実行するための最適な構成を予測することでコストを削減し、手動によるデータベース管理を軽減することができます。本日、オラクルは、Amazon Auroraと比較して「MySQL HeatWave」の価格性能をさらに向上させる、OLTPワークロード向けに設計された追加のAutopilot機能を発表します。自動スレッド・プールは、実行すべき最適なトランザクション数を決定することにより、高い同時実行数でより高い持続的なスループットを提供します。自動シェイプ予測は、OLTPワークロードにおいて最高の価格性能を実現するためにプロビジョニングする必要がある最適なシェイプを決定します。稼働中のシステムにおいて、既存のシェイプを使い続けるか、より大きなシェイプにアップグレードして性能を向上させるか、より小さなシェイプにダウングレードしてコストを削減するかなど、どのシェイプが最高の価格性能を発揮するかについての推奨を提供します。
  • 機械学習: 「MySQL HeatWave ML」は、トレーニング、予測、説明を含むインデータベース機械学習機能を提供します。これによりお客様は、ETLの複雑さ、レイテンシ、コストを発生させることなしに、リアルタイムのデータに対しセキュアに機械学習を利用することができます。「HeatWave ML」は、機械学習のライフサイクルを完全に自動化し、学習済みのモデルをすべてMySQLデータベース内に格納し、それらを別の機械学習ツールやサービスに移行する必要はありません。「MySQL HeatWave」のお客様は、追加料金なしで使用できます。他のクラウド・データベース・ベンダーやオープンソース・データベースで、これほど高度な機械学習機能をデータベース内部で提供しているものはありません。平均すると、「HeatWave ML」はRedshift MLよりも25倍速くモデルをトレーニングし、クラスタのサイズに応じてスケールすることが可能です。これにより、「MySQL HeatWave」のお客様は、より頻繁にモデルをトレーニングし、予測精度を高めるためにモデルを継続的にアップデートできるようになります。
 

分散型クラウドへの対応

「MySQL HeatWave」は、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」やAWSを含む複数のクラウドで利用可能で、近い将来にはMicrosoft Azureでも利用可能となる予定です。また、データベースのワークロードをパブリック・クラウドに移行できない企業では、「OCI Dedicated Region」の一部として利用することができます。また、お客様はオンプレミスのMySQL OLTPアプリケーションからAWSまたはOCI上の「MySQL HeatWave」にデータを複製し、ほぼリアルタイムの分析結果を得ることができます。「MySQL HeatWave」は、他の多くのMySQLベースのサービスとは異なり、常に最新バージョンのMySQLデータベースを稼働させています。

Wikibonのシニア・アナリストであるMarc Staimerは、次のように述べています。「AWSでは、データのタイプや機能ごとに特化したクラウド・データベース・サービスを多数提供していますが、『MySQL HeatWave on AWS』は、オラクルのコンバージド・データベース戦略に基づき、トランザクション、分析、機械学習、Autopilotによる自動化のすべてを1つのサービスで提供します。これは、AWSユーザーにとって、アドオンサービス、追加ストレージ、データ・エグレス料金、コネクターなどの料金が不要になることを意味します。コスト意識の高いITチームや開発者にとって、『MySQL HeatWave on AWS』は、AWSのアドオン・サービスのコストがゼロで、データ・エグレス料金もかからない、全く新しいTCO計算となります。まるでウサイン・ボルトがすべてのライバルを圧倒し、未だ破られていない新しい世界記録を打ち立てた時のように、最新の価格性能のベンチマーク結果が、『MySQL HeatWave on AWS』がAmazon Redshiftの7倍優れていることを実証しているのです。コストを考えれば、選択は簡単です。」

お客様の声

本日のニュースに関するその他のお客様からのコメントは以下のとおりです。

インドを拠点に80カ国以上に顧客を持つ通信業界のハイテク・ソリューション・プロバイダーである 6D Technologiesのアソシエイト・バイスプレジデントであるAnish Kumar氏は、次のように述べています。「『MySQL HeatWave on AWS』は、Amazon RDSやAuroraと比較して複雑なクエリを139倍高速化します。これにより、OLTPとOLAPの両方で1秒未満の応答時間でデータ基盤を簡素化する絶好の機会を得ることができます。また、Webコンソールは設定が簡単で、ワークロード関連のパフォーマンス指標をインタラクティブなレポートで確認することができます。『MySQL HeatWave』は、当社のマイクロサービスやクラウド・ネイティブ製品のロードマップにぴったりで、顧客に優れたエクスペリエンスと性能を提供することができます。

ITSP, Inc.は、カナダに拠点を置くハイテク・ソリューション・プロバイダーであり、オラクルのパートナーでもあります。ITSP, Inc.の最高技術責任者であるWenjin Zhou博士は次のように述べています。「『MySQL HeatWave on AWS』は、ゲーム・チェンジャーです。同様のデータベース構成で、複雑なデータベース・チューニングや性能改善を行うことなく、クエリが10~30倍速くなるなど、使い勝手の良さと性能の良さに驚かされました。大量のデータセットのOLTPおよびOLAPワークロードに単一のデータベースを使用することで、インデックスの作成と保守が不要になり、顧客の価値実現までの時間を短縮することができました。」

米国を拠点とする Centroid は、200社以上の顧客を持つクラウドサービスとテクノロジーの大手であり、20年以上にわたりオラクルのパートナーです。Centroidの最高技術責任者であるAjay Arora氏は次のように述べています。「『MySQL HeatWave on AWS』は、AWS RDSでMariaDBを使用した場合と比較して、アプリケーションに変更を加えることなく、クエリ性能を15倍向上させることができました。これまで、分析用のMariaDBと可視化用のTableauでは、データ量の多さとパッチがSQLクエリの性能に影響を与えるため、何度も停止を経験していました。『MySQL HeatWave』により性能が向上したことで、我々のビジネスに自信を与え、より多くのオファリングを市場に投入することができました。」

LeanTaaS は、予測分析と機械学習を行う企業で、プラットフォーム「iQueue」を通じて、米国内の490以上の病院と125の医療システムで医療業務の変革に取り組んでいます。LeanTaaSのシニア・エンジニアリング・マネージャー、Gokhan Oner氏は次のように述べています。「『MySQL HeatWave on AWS』は、小規模なチームである私たちにとって優れたソリューションです。OLTPとOLAPの両方のワークロードに1つのデータベースを使用し、AWS RDSの6倍のパフォーマンスを実現することで、リアルタイムのインサイトが得られ、iQueueプラットフォームの継続的な強化、ユーザー・エクスペリエンスの向上、チームの複雑性や管理オーバーヘッドの軽減に役立っています。」

Bionime は、台湾を拠点とし、100カ国以上で糖尿病監視システムを提供する大手医療機器メーカーです。Bionimeのアシスタント・マネージャーであるKyle Yang氏は次のように述べています。「『MySQL HeatWave on AWS』は、AWS RDSと比較して複雑なクエリを50倍高速に処理します。これは、リアルタイムなインサイトを提供してアプリケーション開発を加速させてくれるだけでなく、患者の生活を向上させることにも貢献しています。」

 

参考リンク

* ベンチマーク・クエリはTPCベンチマークから派生したものですが、TPCの仕様に準拠していないため、公開されているTPCベンチマークの結果と比較することはできません。

 

オラクルについて

オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.com をご覧ください。

商標

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日本オラクル株式会社

広報室 石山
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