生産ラインに問題が発生?オラクルのAIエージェントが修理をサポート

機械のメンテナンス、品質検査、マテリアル・ハンドリングなどに関する質問に、AIアシスタントが答えます。

オラクル、Fusion SCMおよびHCM開発担当EVP、Chris Leone | 2025年1月30日


バレンタインデーまであと2週間。ジュエリー、時計、香水、メッセージカード、そして箱入りのチョコレートなど、人気のギフトが飛ぶように売れています。どれも真心のこもった贈り物ですが、その製造工程には温かさやロマンティックな要素はほとんどありません。

世界中の生産ラインは、ホリデーシーズン恒例の大量生産に追われています。製造会社は厳しい生産・納品スケジュールで稼働しており、生産ラインの中断は時間とコストの大きな損失を意味します。機械のダウンタイムを2分でも短縮できれば、その価値は数千ドルにも上る可能性があります。

ここで役立つのが、オラクルの新しいAIメンテナンス・アドバイザーです。

Oracle Fusion Cloud Supply Chain Management (SCM) & ManufacturingにAIエージェントを搭載

たとえばあなたが生産ラインで働くメンテナンス技術者だったとして、機械の1つが停止したというアラートを受け取ったとします。このようなアラートは、多くの場合、「IHT」や「PDE」といったコード形式で表示されます。経験豊富な技術者であれば、測定されたパラメーターが許容範囲外であることが分かります。しかし、どのパラメータが問題なのでしょうか?また、どの範囲なのでしょうか?

今後、より多くのタスクに対応するエージェントが追加されることで、将来的にはエンドツーエンドのプロセスの自動化にも役立つでしょう。」

機械を調べても問題がすぐに分からない場合、何百ページにも及ぶ修理マニュアルやドキュメントを読み、問題を診断しなければなりません。オラクルのメンテナンス・アドバイザーAIエージェントは、貴社のマニュアルや過去の修理履歴、その特定の機械に関するドキュメントから、必要な情報を数秒で取得し、簡単な言葉で回答してくれます。

例えば、バレンタインデーのチョコレートを流し込むためのアルミニウム型を加工する機械に不具合が発生した場合、技術者は「この機械は以前にも故障したことがありますか?その際の解決策は何でしたか?」と尋ねることができます。すると、メンテナンス・アドバイザーが回答を生成します。

また、メンテナンス・アドバイザーは、機械のマニュアルや、特定の工場における特定の機械の過去の修理履歴に基づいて、技術者に問題の修理方法をアドバイスすることもできます。AIエージェントの素晴らしい点は、人間と同じように経験から学習できることです。

メンテナンス・アドバイザーのAIエージェントは、単なるナレッジ・ベースではありません。このエージェントは、貴社のビジネスプロセスの文脈内で積極的に作業し、ERPシステム内のデータを理解しています。例えば、マニュアルや修理履歴に基づいて修理方法を提案するだけでなく、その機械の詳細を把握し、交換部品が保証対象かどうかをSCMシステムで確認することも可能です。つまり、最高の修理方法を提案し、交換部品を保証内で入手する手助けをしてくれます。これにより、時間とコストを節約することができます。単に回答を提供するだけでなく、企業データ、ポリシー、プロセスを総合的に考慮して、よりスマートで効率的な行動を促してくれます。

サプライチェーン管理向けオラクルのAIの詳細をご覧ください。

Oracle Fusion Cloud SCMで利用可能なAIエージェント

メンテナンス・アドバイザーは、最近発表された多くの新しいAIエージェントの1つにすぎません。その他のエージェントの例としては、クレーム・ポリシー・アドバイザー、サステナビリティ・ポリシー・アドバイザー、品質検査アドバイザー、マテリアル・ハンドリング・アドバイザーなどがあります。

メンテナンス・アドバイザーと同様に、これらのAIエージェントも対話形式でユーザーとやり取りでき、作業の誘導、複雑な質問への回答、役立つインサイトの提供などを行います。Oracle Fusion Cloud SCMのワークフローに直接組み込まれたこれらのエージェントは、企業固有のデータを使用して意思決定と生産性の向上を支援します。今後、より多くのタスクに対応するエージェントが追加されることで、将来的にはエンドツーエンドのプロセスの自動化にも役立つでしょう。

サプライチェーンと製造業務の次のステップへ

Oracle Cloud SCMのAIエージェントは、現在利用可能であり、カスタマイズされた製造実行システムよりもはるかに優れたユーザー・エクスペリエンスを提供します。Oracle Cloud SCMは、モバイルデバイス用の使いやすい消費者グレードのインターフェースを提供しており、従業員は手軽にAIエージェントを利用できます。これにより、従来の製造実行システムを不要にできる可能性もあり、使いにくいインターフェイスや「PDE」コードともおさらばできるかもしれません。

まずは、オラクルの担当者までお問い合わせください。サプライチェーンと製造業務を変革するための、最初のステップを踏み出しましょう。


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