グローバルのセキュリティに関する動向が刻々と変化する中、テクノロジーの急速な発展に伴い、企業はシステム、ツール、インフラストラクチャにおいて大きな変化を迫られています。競争力の維持に向けて、企業は現在の規制やテクノロジーに適応でき、ビジネスの成長をサポートできるようなソリューションを求めています。企業は、クラウド・コンピューティングとSaaS(Software as a Service)の導入によって、企業は従来のソリューションの範囲と価値を超えた形での自動化のレベルを拡大し、優位性を獲得しています。
クラウド・コンピューティングおよびSaaSソリューションの成長によって、クラウドのお客様は、特に、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)など、新しいプライバシー法の採択後、データ転送とデータ主権の問題をさらに重視しています。GDPRはデータ・レジデンシー法ではありませんが、EUのトレンドとしては、EU向けに設計され、EUに設置され、EUの担当者によって運用されるクラウド・サービスのカスタマー・ニーズが高まっています。
Oracle European Union Restricted Access (EURA)Cloud Service for Oracle Fusion Applicationsは、このようなEUのデータ・レジデンシーのニーズを考慮して、設計およびリリースされています。
Oracle EURA Cloud Serviceは、すべてのカスタマー・サービス環境とその環境内のカスタマー・データ、およびメモリ・ダンプなど、カスタマー・データを含む可能性がある派生データセットがEU内のデータセンターのみに存在するようにして、EUのお客様のデータ・レジデンシーとプライバシーに関するニーズに対応できるような形で設計されています。また、オラクルの担当者によるカスタマー・データと診断データへのアクセスを勤務地で制限すると、EU内のオラクル・エンジニアのみがサービス管理およびメンテナンスを行うことができます。Oracle EURAは、以下のOracle Fusion Applicationsの一部のサービスで利用可能です。
Oracle EURAはISO 27001およびCSA STARの認証を取得しています。
Oracle EURAは、すべてのカスタマー・データ、およびトレース・ファイル、サービスログなどのカスタマー・データの要素を含む可能性がある派生データセットを、データ・レジデンシーとデータ・アクセスに関するEURAの制限下で処理および保存します。メールとマルウェアのスキャン・システム、およびAkamaiのデータセンターから配信されるOracle Fusion Cloud Learningのリッチ・メディア・ストリーミングには、若干の例外が適用されます。(Fusion Learnのお客様はAkamaiからのメディア・ストリーミングをオプトアウトすることができます。)
Oracle EURAは、該当するOracle Fusionのカスタマー・サービスの環境が、ドイツのフランクフルトにあるプライマリのデータセンターでホストされることを保証するものです。
オラクルは、サービス管理を目的にクラウド・サービスとカスタマー・データへのアクセス権限をEU内の社員のみに付与できるように、制御しています。このようなアクセス制御は、社員がEUで雇用されていることを確認するために、設計されています。また、オラクル以外の拠点からリモートでログインする場合は、インターネット・プロトコル・ベースのジオフェンシングを適用し、担当者が物理的にEU圏内にいることを検証します。
Oracle EURAは、EU内のデータセンターへのデータ・ストレージを制限し、データ・アクセス制御を適用するため、お客様はEUのデータ・レジデンシーのニーズに対応できます。
アップグレード版のアーキテクチャは、2023年に提供される予定です。このアーキテクチャと、欧州連合用のオラクルのソブリン・クラウド・リージョンとなる新しい厳格なガバナンス・モデルは、ソブリン・クラウドのエンティティが独立して運営され、カスタマー・データをEU外に転送されないように設計されています。Oracle EURAでホストされているユーザーは、追加のダウンタイムの発生なく、無償でソブリン・クラウドに移行されます。
EURAでは、オラクル・ソリューションで提供されているオラクルのコーポレートおよびサービス固有のコントロールだけでなく、追加のセキュリティ機能も提供されています。
お客様は、Break Glass for Fusionによって、Oracle Fusion Cloud Serviceデータベースに保存されたカスタマー・データへのオラクルのアクセスを制限および制御できます。お客様は、Oracle Break Glass for Fusion Cloud Serviceによって、Oracle Fusion Cloud Service データベースへのデータレベルのアクセスに必要なパスワードへのアクセスを制御できます。Break Glassでは、オラクルの担当者はお客様からの承認がないかぎり、お客様のクラウド環境にアクセスして、問題をトラブルシューティングすることはできません。
さらに、Oracle Transparent Data Encryption (TDE) Security Cloud ServiceとOracle Database Vaultを使用することで、格納データのセキュリティを担保します。オラクルは、Oracle Fusion Cloud Serviceを使用してデータベースを操作するために、お客様のTDEマスターキーを必要としますが、お客様から提供された最新のキーのコピーのみを保持します。
お客様はApplications ConsoleからTDEマスター暗号化鍵をアップロード、削除、またはリストアできます。
企業は、新しいアプリケーションを開発し、テストを実行し、データ分析を行うために、本番データを非本番環境にコピーする場合、機密データを漏洩するリスクがあります。しかし、実際のテストを行うためには、非本番環境のユーザーが代表的なデータセットにアクセスする必要があります。
Oracle Data Maskingは、データを非本番環境のユーザーと安全に共有できるように、元の機密データを架空のデータに置き換えて、このリスクを軽減します。
お客様はData Maskingで次のことを行うことができます。
Bring your own key機能は、データベースのアクセス・キーの暗号化に使用される独自のキーをお客様に持参していただくことで、Oracle Fusion Cloud EPMのセキュリティを強化するものです。この機能は、Oracle EURA環境にプロビジョニングされたお客様だけでなく、すべてのOracle Fusion Cloud EPMのお客様が利用可能です。リレーショナル・データベース内の全データは格納時に暗号化され、お客様が提供するキーはデータベースのアクセス認証の暗号化に使用されます。このキーの管理は、お客様によって行われます。この機能は、データベースのアクセス制限機能(お客様のDBAとオラクルの開発社員によってカスタマー・データへのアクセスを制限するもの)とともに使用することができます。制限付きのデータベースのアクセス機能を有効にすると、アクセスはお客様によって制御および承認されます。お客様のデータベースへのすべてのアクセスは監査され、お客様側で確認することができます。
オラクルでは、EPMのお客様がEPMクラウド・サービスのリレーショナル・データベースに格納されているカスタマー・データに対する、オラクルによるアクセスの制限および制御できるようにしています。アクティベートされると、オラクルの担当者はお客様からの承認がないかぎり、いかなる問題もお客様のクラウド環境にアクセスしてトラブルシューティングすることはできません。
詳細については、オラクルの営業担当者に連絡し、Oracle EURA for Oracle Fusion Applicationsについてお問い合わせください。
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