大塚紳一郎, 2019年8月
Autonomous Databaseに象徴されるOracle Cloud はOracle Databaseを中心とするミッションクリティカルシステムの将来像を模索する上で最も重要な存在です。
そのOracle Cloudにおける実装のKeyポイントはPaaSの活用にあると考えています。本連載では私が実際の経験を通じて得たKeys to the Oracle Cloudをお伝えしたいと思います。そしてOracleデータベース管理者の皆さまが「データの活用」に強みを持つOracle Cloudアーキテクトとして、ミッションクリティカルシステムの真のモダイナイゼーションを牽引して頂けたら、とても嬉しいです。
大塚 紳一郎(おおつか しんいちろう)
2003年、株式会社野村総合研究所に新卒で入社。ミッションクリティカルシステムにおけるOracle Databaseの構築、運用、コンサルティングに関して15年以上の経験を持つ。毎年サンフランシスコで開催される世界最大のテクノロジーイベント「Oracle OpenWorld」を含む各種イベントでの講演多数。Autonomous DatabaseがGAされた年にOracle ACE Associateになれたことに運命を感じており、Oracleデータベース管理者の今後のロールモデルの構築に携わりたいと考え日々活動中。最新の登壇タイトルは「Boosting your career through Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associate.」
‐ NRI認定ITアーキテクト
はじめまして。株式会社野村総合研究所(以降NRI)の大塚です。Oracle Cloudに関する連載を担当させて頂くことになりました。私達Oracleデータベース管理者の憧れであるOracle Technology Networkへの連載機会を作ってくださったOracle Japanの豊竹 朝梓様、そして、いくつもの重要プロジェクトを通じて、かけがえのない時間を共有してくださったOracle Japanの皆様へ、まず初めに、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
簡単ですが自己紹介から入らせて頂きます。私は2003年にNRIに新卒で入社。ミッションクリティカルシステムにおけるOracle Databaseの構築、運用、コンサルティングに15年ほど従事しています。プロフェッショナルとしてお客様に接していくためには、Oracle Databaseに関する幅広い技術知識と、実装力に基づいた自信が必要だと感じ、Oracle Real Application Clustersが実技試験の必須項目となったOracle MASTER Platinum 10gからPlatinum 11g。そしてPlatinum 12cへと資格取得を継続しながら実務との両輪でOracleデータベース管理者(以降Oracle DBA)としての技術を磨いてきました。
転機となったのはOracle Cloudの登場です。すぐにOracle MASTER Cloud Oracle Database Cloud Service、Oracle MASTER Cloud Oracle Java Cloud Serviceを取得。最先端のクラウドサービスに触れ、今後のシステム構築の潮流を、はっきりと肌で感じました。
そして今、実装の舞台は第2世代のOracle Cloudです。Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associateの試験範囲でもあるAutonomous DatabaseがGAされた年に私はOracle ACE Associateになりました。この意味は大きいと考えています。私の考えるOracle DBAの今後のロールモデルをこの連載を通じて少しでもお伝えしていきたいと思っています。
NRI(※1)は社会や企業の今後の方向性を洞察し、あるべき姿の実現に向けて提言を行う「ナビゲーション」と、的確な解決策を講じる「ソリューション」の2つを相乗的に機能させることにより、変化の激しい現代において、多くのサービスを創発し、社会の仕組みづくり、お客様のビジネスの成長、そして快適な暮らしの実現を目指しています。
事業活動の拡大やIT活用の深まりと共に、企業におけるシステムが巨大化・複雑化している中で、その土台となる「システム基盤」は、ますます重要性を増しています。NRIは先端的な技術を見通し、戦略的に各ソリューションに取り入れ、常に最適なシステム基盤を構築しています。
NRIのミッションクリティカルシステムはOracle Databaseの進化と共にあります(※2)
Oracle Databaseの進化と共に私達Oracle DBAの技術の幅は広がってきました。その系譜を図にしてみました。
目の前のサーバにOracle Databaseをインストールしていた8i, 9iの時代から、10gでASM。そして11gにおけるGrid Infrastructureの登場によりストレージおよびクラスタ制御へ私達Oracle DBAは技術の幅を広げ、その後のOracle Exadata Database Machineでハードウェアとソフトウェアが一体化し、今、実装の舞台はOracle Cloud Infrastructure(以降OCI)です。その進化は頂点に向かって、さらに加速しています。
私達Oracle DBAは、これからOCIのアーキテクトとしてお客様の前に立ちます。これからの私達のアイデンティティの確立にあたり、Oracle OpenWorld2017 で、私は未来を照らす重要な示唆を得ました。
「Your data is worth more with Autonomous Data Management.」
これは General Session での Andrew Mendelsohn, Executive Vice Presidentのメッセージです。
「データの活用」を強みとしてOracle Cloudアーキテクトへ進化していくことが、Oracle DBAの今後のロールモデルのひとつの形ではないかと考えたのです。そういった背景からPaaSによる「データの活用」をテーマに連載を組み立てたいと思ったのです。
私は、データ量に基づくシステムの基盤の特性から3つの方向性をまとめました。このそれぞれのデータ領域において、PaaSにより、どのような価値を提供することができるかを考えてみたいと思います。
それぞれのデータ領域と、テーマとするPaaSおよび連載時の概要を表にしました。
(現時点の予定ですので、内容変更の可能性があることをご了承ください。)
データ領域 | テーマとするPaaS | 概要 |
---|---|---|
MICRO DATA | Oracle Blockchain Platform Cloud Service | クラウド時代の重要な技術要素としてブロックチェーンがあります。OBPCSを中心としたシステムデザインをご紹介したいと思います。また、ブロックチェーン特有の仕様をOBPCSの機能がどのように改善しているなどを紹介したいと思います |
CURRENT DATA | Oracle Container Engine for Kubernetes | 従来の基幹系システムにおけるデータ処理は3層型のWebシステム、もしくはバッチシステムが多いと思います。この大きな2つのシステム構成のモダナイズが今後の価値です。コンテナを活用したモダナイズについて考えてみたいと思います。 |
BIG DATA | Oracle GoldenGate Cloud Service | AI/機械学習が今後のシステムにおいて重要な要素となります。そのAI/機械学習の効果を最大限享受するにはデータが重要であることは言うまでもありません。昨今、マルチクラウドの流れから学習に必要なデータは点在化する傾向にあります。GoldenGateによるData Integrationを紹介したいと思います。 |
各テーマともに、基本的に以下のような3つの流れでお話ししていきたいと思います。
ぜひ実際にハンズオンしてみてください。
そしてOracleデータベース管理者である皆さまに「データの活用」に強みを持つOracle Cloudアーキテクトとして、ミッションクリティカルシステムの真のモダイナイゼーションを牽引して頂けたら、とても嬉しいです。
Autonomous Databaseに象徴されるOracle Cloudは、きっとOracleデータベース管理者である皆さまの心に響くことでしょう。
Accelerate Cloud Onboarding Using Oracle Cloud Infrastructure!
Boosting your career through Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associate!
~Shinichiro Otsuka~
NRI Certified IT Architect, Oracle ACE Associate
and Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associate
Keys to the Oracle Cloud indexページ▶▶
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