Keys to the Oracle Cloud
第21回:連載のまとめ

大塚紳一郎, 2020年10月


Autonomous Databaseに象徴されるOracle Cloud はOracle Databaseを中心とするミッションクリティカルシステムの将来像を模索する上で最も重要な存在です。
そのOracle Cloudにおける実装のポイントはPaaSの活用にあると考えています。本連載では私が実際の経験を通じて得たノウハウをお伝えしたいと思います。そしてOracleデータベース管理者が「データの活用」に強みを持つOracle Cloudアーキテクトとして、ミッションクリティカルシステムの真のモダイナイゼーションを牽引して頂けたら、とても嬉しいです。

著者紹介

大塚 紳一郎(おおつか しんいちろう)

2003年、株式会社野村総合研究所に新卒で入社。ミッションクリティカルシステムにおけるOracle Databaseの構築、運用、コンサルティングに関して15年以上の経験を持つ。毎年サンフランシスコで開催される世界最大のテクノロジーイベント「Oracle OpenWorld」を含む各種イベントでの講演多数。Autonomous DatabaseがGAされた年にOracle ACE Programに参加できたことに運命を感じており、Oracleデータベース管理者の今後のロールモデルの構築に携わりたいと考え日々活動中。最新の登壇タイトルは「Boosting your career through Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associate.」

  • NRI認定ITアーキテクト
  • Oracle ACE Associate
  • Oracle MASTER Platinum10g,11g,12c(Platinum of the year 2016 in Japan)
  • Oracle MASTER Cloud Oracle Database Cloud Service
  • Oracle MASTER Cloud Oracle Java Cloud Service
  • Oracle Cloud Infrastructure 2018 Certified Architect Associate
  • Oracle Database Cloud Service 2019 Operations Certified Associate
  • Oracle Autonomous Database Cloud 2019 Certified Specialist
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1.振り返り~PaaSによるデータの活用~
こんにちは、NRIの大塚です。今回はいままでの連載の振り返りとまとめです。
本連載にあたり、まず、データ量に基づくシステムの基盤の特性から3つの方向性をまとめ、それぞれのデータ領域において、PaaSにより、どのような価値を提供することができるかを考えて、20回に渡り、実装・検証をしてきました。

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それぞれのデータ領域と、テーマとしてきたPaaSおよび概要です。

データ領域 テーマとするPaaS 概要
MICRO DATA Oracle Blockchain Platform Cloud Service 外部へのデータ連携インフラのブロックチェーン技術によるモダナイズ事例を紹介したいと思います。OBPCSを中心としたサンプルシステムを通じてブロックチェーンを体感頂きたいと思います。 そして、ブロックチェーン特有の課題をOBPCSの機能がどのように改善しているなどをご紹介いたしました。
CURRENT DATA Oracle Container Engine for Kubernetes 従来からの重要なデータ処理の1つはバッチ処理。3層型のWebシステムはモダナイズが進む一方、バッチシステムのクラウド化が今後の重要なKeyです。コンテナを活用したモダナイズについて検証いたしました。
BIG DATA ・Oracle GoldenGate (Microservices Architecture) on OCI Marketplace ・Oracle Cloud Infrastructure Data Catalog AI/機械学習が今後のシステムにおいて重要な要素となります。そのAI/機械学習の効果を最大限享受するにはデータが重要であることは言うまでもありません。昨今、マルチクラウドの流れから学習に必要なデータは点在化する傾向にあります。GoldenGateによるData Integrationをご紹介しました。
 

2.Oracle DBAの役割の進化
Oracle Databaseの進化と共に私達Oracle DBAの技術の幅は広がってきました。その系譜を図にしてみました。

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目の前のサーバにOracle Databaseをインストールしていた8i, 9iの時代から、10gでASM。そして11gにおけるGrid Infrastructureの登場によりストレージおよびクラスタ制御へ私達Oracle DBAは技術の幅を広げ、その後のOracle Exadata Database Machineでハードウェアとソフトウェアが一体化し、今、実装の舞台はOracle Cloud Infrastructure(OCI)です。その進化は頂点に向かって、さらに加速しています。

私達Oracle DBAは、これからOracle Cloud Infrastructureのアーキテクトとしてお客様の前に立ちます。これからの私達のアイデンティティの確立にあたり、Oracle OpenWorld2017 で、私は未来を照らす重要な示唆を得ました。

「Your data is worth more with Autonomous Data Management.」

これは General Session での Andrew Mendelsohn, Executive Vice Presidentのメッセージです。
私は「データの活用」を強みとしてOracle Cloudアーキテクトへ進化していくことが、Oracle DBAの今後のロールモデルのひとつの形ではないかと考えています。それでPaaSによる「データの活用」をテーマに連載を組み立てたのです。

3.Boosting your carrier though Oracle Cloud Infrastructure Architect
今回の連載、そしてハンズオンを通じてOracleデータベース管理者である皆さまが「データの活用」に強みを持つOracle Cloud Infrastructureのアーキテクトとして、ミッションクリティカルシステムの真のモダイナイゼーションを牽引して頂けたら、とても嬉しいです。
私はAutonomous DatabaseがGAされた年にOracle ACE Associateになりました。その翌年の令和元年から始まったOracle Cloud Infrastructure の日本展開(令和元年に東京リージョンが開設、令和2年に大阪リージョンが開設)と共に、私はOracle ACE AssociateからOracle ACEになりました。私はこの大きな流れに運命を感じており、Oracleデータベース管理者の今後のロールモデルの構築に携わりたいと考え日々活動をしています。
日本には和暦という独自の美しい紀年法があります。今上天皇が御即位され、2019年5月1日より令和という新しい時代が始まりました。「令和」には人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められております。
多くの技術要素が集まり響きあうOracle Cloud Infrastructure、そしてOracle Cloud Infrastructureのアーキテクトとして新たな一歩を踏み出す私達のハーモニーを祝福してくれているかのようです。
30年という時を刻んできた元号は、元年に戻り、私達自身にとって新しい時代が始まろうとしています。Autonomous Databaseに象徴されるOracle Cloud Infrastructureは、きっとOracleデータベース管理者である皆さまの心に響くことでしょう。

4.If we really want to have meaningful change.
Oracle Cloud Infrastructure is a global inspiration for all those who seek to create a safer, more secure and more high performance mission critical system. It’s a beacon of hope and strength for us. That’s my charge to everyone. I hope you take that to heart and just do something. Do anything. We have incredible power to actually change the world for better.

So, it’s an absolute honor. Thank you so much ORACLE Japan, Kaneko-san, So Go-san, Suzuki-san, Toyotake-san, Kanamoto-san, Tanigawa-san, Goto-san, Seo-san, Ohashi-san, Nakamura-san, Kotegawa-san, Hayakawa-san, Shigeru Koto-san, Marukawa-san.


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