Java ME テクノロジー

Java Platform Micro Edition (Java ME) は、テクノロジーと仕様の集合で、コンシューマー製品、組み込みデバイス、高度なモバイルデバイスといったモバイルデバイスの要件に応えるプラットフォームを作成します。こうしたテクノロジーと仕様を組み合わせることで、特定のデバイスまたは市場の要件をとくに満たす完全な Java 実行時環境を構築できます。

• 小型デバイス向けコンフィギュレーション - Connected Limited Device Configuration (CLDC)
• 多機能デバイスとスマートフォン向けコンフィギュレーション - Connected Device Configuration (CDC)
• コンバージドサービス用 Java ME プラットフォーム

Java ME プラットフォームの概要

Java ME テクノロジーは当初、小型デバイス向けのアプリケーション構築に伴う制限に対処する目的で生み出されました。この目的を果たすため、サンは Java ME テクノロジーの基礎を定義して、こうした制限のある環境に対応し、メモリ、ディスプレイ、電力容量の限られた小型デバイス上で動作する Java アプリケーションの作成を可能にしました。

Java ME プラットフォームは、特定のデバイスまたは市場の要件をとくに満たす、完全な Java 実行時環境を作成するために組み合わせられるテクノロジーと仕様の集合です。このプラットフォームは柔軟で、エコシステム内のすべての要素が共存できるようにすることでシームレスに協調し、エンドユーザーはもっとも魅力的な体験ができるようになります。

Java ME テクノロジーは次の 3 つの要素の上に成り立っています。

• もっとも基本的なライブラリのセットとさまざまなデバイスに対応する仮想マシン機能を提供するコンフィギュレーション。
• より狭い範囲のデバイスに対応する API セットであるプロファイル。
• テクノロジー固有の API であるオプションパッケージのセット。

時間をかけて、Java ME プラットフォームは 2 つの基本的なコンフィギュレーションに分けられました。1 つは小型デバイス向け、もう 1 つはスマートフォンやセットトップボックスなどの多機能モバイルデバイス向けです。

小型デバイス向けのコンフィギュレーションは、Connected Limited Device Configuration (CLDC) と呼ばれ、より機能性の高いコンフィギュレーションは、Connected Device Configuration (CDC)と呼ばれます。

以下の図では、Java ME テクノロジーを構成するコンポーネントの概要と、その他の Java テクノロジーとの関連を表しています。

Java プラットフォーム

小型デバイス向けコンフィギュレーション － Connected Limited Device Configuration (CLDC)

携帯電話のようにリソースに制限のあるデバイスを対象としたコンフィギュレーションは、Connected Limited Device Configuration (CLDC)と呼ばれます。このコンフィギュレーションはとくに、メモリ、プロセッサ能力、グラフィックス機能が限られたデバイス上で動作する Java プラットフォームのニーズを満たすために設計されています。各種のコンフィギュレーションに加えて、Java ME プラットフォームは数多くのプロファイルも指定しています。これらのプロファイルはより高レベルの API を定義し、これらの API がさらにアプリケーションを定義します。広く受け入れられている例としては、CLDC とMobile Information Device Profile (MIDP)を組み合わせて、携帯電話や同様の機能をもつその他のデバイス用の完全な Java アプリケーション環境を提供するものがあります。

コンフィギュレーションとプロファイルを使用し、さらにプロファイル内で利用できる各種の API を使用して実際のアプリケーションは存在します。今日の多くのモバイルデバイスに実装されている CLDC と MIDP 環境では、MIDlet が作成できます。MIDlet とは、Java ME ソフトウェア開発者によって作成されたゲーム、ビジネス・アプリケーション、その他のモバイル機能といったアプリケーションのことです。これらの MIDlet は一度記述すると、Java ME テクノロジーの仕様に準拠していればどのデバイスでも実行することができます。MIDlet は、エコシステム内の任意のリポジトリに配置可能で、エンドユーザーは特定の種類のアプリケーションを検索して、デバイスに無線でダウンロードできます。

CLDC についての詳細は、java.sun.com/products/cldc/index.htmlを参照してください。

多機能デバイスとスマートフォン向けコンフィギュレーション － Connected Device Configuration (CDC)

ハイエンドの PDA やセットトップボックスのような多機能かつネットワーク接続が可能な、より大きなデバイスを対象としたコンフィギュレーションは、Connected Device Profile (CDC) と呼ばれます。CDC コンフィギュレーションの目的は、テクノロジースキルと Java Platform Standard Edition (SE) に基づく開発者ツールを活用することと、リソースの制限にも対応しつつ接続された各種デバイスの機能セットにも対応することです。

CDC コンフィギュレーションは、バリューチェーンの各グループに次のような利点をもたらします。

• 企業は、モバイル顧客、パートナー、社員にビジネスロジックを広げられる、ネットワークベースのアプリケーションを使用してメリットを得られます。
• ユーザーは、Java テクノロジーの互換性とセキュリティの恩恵を受けられます。
• 開発者は Java プログラミング言語の安全性と生産性を得ることができ、Java プラットフォームのリッチ API も活用できます。

CDC コンフィギュレーションには、次の 3 種類の定義済みプロファイルがあります。

• Foundation Profile (JSR 219)
• Personal Basis Profile (JSR 217)
• Personal Profile (JSR 216)

これらのプロファイルはそれぞれ、実際のアプリケーションが実行されるオプションパッケージのセットです。CDC についての詳細は、java.sun.com/technology/cdc/を参照してください。

コンバージドサービス用 Java ME プラットフォーム

Java ME プラットフォームは、ネットワーク接続が途切れがちな小型の制限デバイスからオンライン機能をもつモバイルデバイスまで、すべてを対象としています。プラットフォームのこの設計によって、すべてのモビリティチャネルのサービスニーズに柔軟かつ効果的に対応できます。サービスは、異なるコンフィギュレーションとプロファイル間で容易に移植可能で、同じサービスを異なるチャネルで提供することもできます。

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