Oracle Enterprise Service BusによるOracle E-Business Suiteビジネス・イベントの伝播

このOracle by Example(OBE)チュートリアルでは、Oracle Enterprise Service Bus(Oracle ESB)を使用してOracle E-Business Suiteイベントを伝播する方法を説明します。 このプロセスには、ファイルに書き込まれるイベントを取得するためのOracle E-Business Suiteの構成やOracle ESBの設定が含まれます。 また、インストールの開始前に必要な作業についても説明します。

約1時間

トピック

このOBEチュートリアルでは、以下のトピックについて説明します。

このアイコンの上にカーソルを置くと、すべてのスクリーンショットがロードし、表示されます。 (警告:すべてのスクリーンショットが同時にロードされるため、ご使用のインターネット接続によってはレスポンス・タイムが遅くなる場合があります。)

注:各手順に関連したスクリーンショットのみ を表示する場合は、それぞれの手順にある各アイコンの上にカーソルを置いてください。

スクリーンショットは、ご使用の環境を反映したものではあり ません。 Oracle Identity Managerの特定の機能がどこにあるのかをわかりやすくするために提供されています。

概要

異機種のサービスおよびアプリケーションで構成される環境では、 Point-to-Pointアプローチでのさまざまなコンポーネントの統合管理が複雑になります。 Oracle ESBを使用すると、このようなコンポーネント間の通信が簡単に管理できるようになります。 Oracle ESBは、同期や非同期などの別な方法で通信するメッセージング・インフラストラクチャを提供します。 Oracle ESBを使用すると、配信の保証などのサービス品質面も提供されます。 Oracle ESBインフラストラクチャは、Oracle Adapter for Oracle Applicationsと直接統合して、共通通信バックボーンを提供します。
このような環境の場合、Oracle ESBを使用してOracle E-Business Suiteアウトバウンド・ビジネス・イベントを伝播できます。 アダプタを使用すると、基礎となるこれらのビジネス・イベントをWebサービスとして公開できます。 これらのWebサービスは、他のアプリケーションまたはシステムにイベントを伝播して、Oracle ESBと統合できます。

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シナリオ

Lindaは、Mydo Main社のOracle E-Business Suiteユーザーです。 ビジネス・タスクの購買注文(PO)の作成と承認を担当しています。 このため、PO承認ビジネス・イベントが発生します。 Lindaは、このPO承認ビジネス・イベントをOracle ESBに伝播して、詳細をxmlファイルに保存する必要があります。
POが承認される場合、発生するビジネス・イベントはoracle.apps.po.evnt.xmlpoです。


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前提条件の確認

インストール・タスクを開始する前に、システム環境が以下の前提条件を満 たしていることを確認してください。

ソフトウェア要件

システムには次の製品が 含まれている必要があります。

  • Oracle Application Server 10g Release 3(10.1.3.1.0)[Oracle SOA Suite]
  • Oracle JDeveloper 10.1.3.2
  • Visionデータベースを備えたOracle E-Business Suite 11.5.10 CU2にアクセスできること。

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Oracle E-Business Suiteの構成

XML Gateway取引先パートナーを設定するには、以下の手順を実行します。

1.

ブラウザを開いてURLを次の形式で入力し、Oracleアプリケーションにアクセスします。

http://<hostname>.<domainname>:<port>

URLはこのような形式になります。http://ap6065rt.us.oracle.com:8095/OA_HTML/AppsLocalLogin.jsp

.


2.

ユーザー名にOPERATIONS、パスワードにwelcomeを入力して、Login」 をクリックします。

 

3.

左側のパネルから「XML Gateway」をクリックして、右側のパネルから「Define Trading Partners」をクリックします。 Trading Partner Setupアプリケーションが表示されます。 これは、Oracle Formsベースのアプリケーションです。


 

4.

Trading Partnerフォームで、[F11]を押して、Trading Partner Setupフォームを起動します。

.

5.

取引先パートナーを作成するには、次のパラメータを設定して、[Ctrl]を押し ながら[F11]を押します。 Advance Network Devices取引先パートナーの既存のトランザクションの詳細がフォームに移入されていることを確認します。

パラメータ
Trading Partner Type Supplier
Trading Partner Name Advanced Network Devices

 

6.

取引先パートナーの詳細を作成するには、次のパラメータを設定し、「File」→ 「Save」をクリックして、パートナーの詳細を保存します。

パラメータ
Transaction Type PO
Transaction SubType PRO
Standard Code OAG
External Transaction Type PO
External Transaction SubType PROCESS
Direction OUT
Map itg_process_po_007_out
Connection / Hub DIRECT
Protocol Type HTTPS
Username OPERATIONS
Password welcome
Protocol Address https://<hostname>.<domain>:<port>/webservices/TransportAgentServer
Source Trading Partner Location Code STPLCs

: 上記の表の値がデフォルトで一部に移入されている場合は、そのまま値を保持します。

 

7.

POを生成するには、「File」→「Switch Responsibility」をクリックして、Purchasing, Vision Operations (USA)と入力 します。 Purchasingフォームが表示されます。

8. 右側のパネルから、Top Ten Listセクションの「Purchase Orders」をクリックします。

 

9.

Purchase Orderフォームが表示されます。 取引先パートナーの詳細がOracle XML Gatewayにすでに存在します。 取引先パートナーの詳細とともにPOを作成するには、次のパラメータを設定します。

パラメータ
Supplier Name Advanced Network Devices
Site SANTA CLARA-ERS
Item CM13139
Quantity 1
Promised <dd-month name-yyyy形式の将来の日付>

 

10.

POを保存するには、ツールバーから「Save」アイコンをクリックします。

 

11.

POのステータスがIncompleteであることに留意してください。 ただし、Approveオ プションが有効です。
POを承認するには、「OK」をクリックします。

: 有効な取引先パートナー設定を使用できるため、デフォルトのXMLオプションがTransmission Methodにおいて有効になっています。

 

12.

POのステータスがapprovedであることを確認します。 将来の参照のためにPO, Rev値を保存できます。 POが承認されると、oracle.apps.po.event.xmlpoビ ジネス・イベントが発生します。 このイベントがOracle ESBに伝播され、ファイルに保存されます。

 

13.

WF_Deferredエージェント・リスナーがターゲット・データベースで実行 されています。 これを確認するには、次のURLを使用してOracleアプリケーションにログインします。

http://<hostname>.<domainname>:<port> /OA_HTML/AppsLocalLogin.jsp

: ユーザー名にsysadmin、パスワードにsysadminを 入力します。

 

14.

Oracle Applications Managerで、「Workflow Administrator Web Applications」権限および「Workflow Manager」を選択します。

 

 

15.

エージェント・リスナーの「Tick」アイコンをクリックします。 エージェント・リスナーが実行されていることを確認します。

16.

移動して、WF Deferredエージェント・リスナーが実行されていることを 確認します。

: フィルタを使用して、表示する必要があるリスナーをドリルダウンできます。

 

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データソースの作成

データソースを作成するには、以下の手順を実行します。

1.

ブラウザ・ウィンドウを開いて次の形式でURLを入力し、 Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlにアクセスします。

http://<hostname>.<domainname>:<port>/em

: デフォルト・ポートは8888です。 ユーザー名はoc4jadmin、パスワードはwelcome1です。

 

2.

Cluster Topologyページで、「home」をクリックします。

3.

OC4J: homeページで、「Administration」をクリックしま す。

 

4.

Task Name列で、「Properties」アイコンをクリックして開きま す(まだ開いていない場合)。 次に、ServicesセクションのJDBC Resources行で、「Go to Task」アイコン をクリックします。

.

 

5.

Connection Poolsセクションで、「Create」をクリックし て、「Continue」をクリックします。 そのまま値を保持します。

 

6.

Nameセクションにebiz_poolと入力して、「Generate URL from Connection Information」ラジオ・ボタンを選択します。

7.

接続データには、次の情報を設定します。

パラメータ
Driver Type Thin
DB Hostname ptc-apps01.us.oracle.com
DB Listener port 1521
DB Identifier Type SID
SID/Service Name VIS

8.

Credentialsセクションで、ユーザー名にapps、パスワードにappsを 入力します。 次に、「Finish」をクリックします。

 

9.

JDBCリソースの「Create」をクリックして、「Continue」 をクリックします。 そのまま値を保持します。

 

10.

データソースに次の情報を設定し、「Finish」をクリックして、データソース を作成します。

パラメータ
Name ebizDataSource
JNDI Location jdbc/ebizDataSource
Database SID orcl
Connection Pool ebiz_pool

 

11.

Oracleアプリケーション・アダプタを作成するには、「OC4J:home」 をクリックします。

 

12.

Applications」をクリックして、「default」 アプリケーションをクリックします。

 

13.

Modulesにある「AppsAdapter」をクリックします。

 

14.

Connection Factories」をクリックして、「Create」 をクリックします。

 

15.

デフォルト値のまま、「Continue」をクリックします。

 

16.

JNDI Locationにeis/Apps/appsSample、 Configuration Propertiesにjdbc/ebizDataSourceを入力します。

: Configuration Propertiesの値は、xADataSourceNameに設定します。

17.

他のエントリはデフォルトのまま保持して、「Finish」をクリックします。

 

18.

コマンド・プロンプトを開いて、C:\SOASuite10131\opmn\binへ 移動し、次のコマンドを実行します。

C:\SOASuite10131\opmn\bin> opmnctl stopall
C:\SOASuite10131\opmn\bin> opmnctl startall

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Oracle JDeveloperのOracle ESBサンプル・アプリケーションの作成

Oracle ESBサンプル・アプリケーションを作成するには、以下の手順を実行します。

1.

C:\<JDeveloper_Home>へ 移動して、「jdeveloper.exe」をダブルクリックします。

 

2.

View」→「Connection Navigator」をク リックします。

 

3.

左のペインで、「Database」をダブルクリックします。 Create Database Connectionウィザードが表示されます。

 

4.

Create Database Connectionウィザード のStep 1 of 4で、Connection Nameにebizを入力 して、「Next」をクリックします。

.

 

5.

Create Database Connectionウィザード のStep 2 of 4で、Usernameにapps、Passwordにappsを 入力して、「Next」をクリックします。

 

6.

Create Database Connectionウィザード のStep 3 of 4で、次の値を入力して、「Finish」をクリックします。

パラメータ
Driver thin
Host Name ptc-app01.us.oracle.com
JDBC Port 1521
SID vis

同じ値を移入する場合は、デフォルト値を保持します。

 

7.

Create Database Connectionウィザード のStep 4 of 4で、「Test Connection」をクリックします。 StatusにSuccess!と 表示されていることを確認します。

: 同様に、(i)Oracle Application Server(SOA)インスタンス、(ii)Oracle Integration Serverへの接続を作成してテストできます。 それぞれに次の値を使用します。

パラメータ - Oracle Application Server(SOA)インスタンス用
Connection Name AppServerConnection1
Connection Type Oracle Application Server 10g 10.1.3
Username oc4jadmin
Password welcome1
Connect To Single Instance
Host Name localhost
OPMN Port 6003
OC4J Instance Name home

 

パラメータ - Oracle Integration Server用
Connection Name ServerConnection1
Application Server AppServerConnection1
Host Name localhost
Port 8888

 

8. 新しいOracle ESBプロジェクトを作成するには、「File」→「New」をクリックします。

 

 

9.

New Galleryダイアログ・ボックスが表示されます。

 

 

10.

Application」を選択して、アプリケーション名にOBEと 入力します。

 

 

11.

作成したApplicationワークスペースを右クリックして、「Create New Project」をクリックします。

 

 

12.

次に、「ESB Project」をクリックして、「OK」をク リックします。

 

13.

Project NameにCaptureBusinessEventと入力し て、「OK」をクリックします。

14.

GetEventアプリケーション・アダプタを定義するには、コンポーネント・パ レットのAdapter Servicesで、アプリケーション・アダプタをOracle ESB設計コンソールにドラッグ・アンド・ドロップします。

 

 

15.

Adapter Configurationウィザードが表示されます。 Vision データベースへの確立したデータベース接続を選択して、「Next」をクリックします。 データベース接続に対応するJNDI名がDatabase Server JNDI Nameフィールドに表示されます。

 

16.

サービスに対して新しい接続の作成が完了した後、Oracleアプリケーションで使用できるマッ プを選択して、XML Gatewayマップを追加できます。 「Product Families」→「Other Interfaces」→「Business Events」→「Outbound」(Oracleアプリケーショ ンからのビジネス・イベントのリスニング)へ移動して、「oracle.apps.po.event.xmlpo」をクリックして、「OK」 をクリックします。

 

17.

ウィザード・ファイルのすべてのファイルでビジネス・イベントが取得されます。「Next」 をクリックします。

 

 

18.

ビジネス・イベントのスキーマを定義するには、「Browse」をクリックしま す。

 

19. Type Chooserダ イアログ・ボックスが表示されます。 「Import Schema」アイコンをクリックします。

 

20.

Import Schema Fileダイアログ・ボックスが表示されます。 「Browse」 アイコンをクリックします。

21.

Import Schemaダイアログ・ボックスが表示されます。 「APPS_WF_EVENT_T.xsd」 をクリックして、「Open」をクリックします。

22.

ビジネス・イベントの「WF_EVENT_T」スキーマをクリックして、「OK」 をクリックします。

23.

Finish」をクリックして、アダプタ・サービス作成の手順を完了します。

 

24.

ファイル・アダプタ・サービスを作成して、XMLファイルにアウトバウンド・ビジネス・イベン ト・データを書き込む必要があります。 Component Paletteから「Adapter Service」をクリックします。 「File Adapter」をクリックします。

 

25.

Adapter Configurationウィザードが表示されます。 ファイル・サービス・アダプタの名前としてWriteEventを入力します。 次に、WSDL Fileエントリのアダプタ・サー ビス設定のアイコンをクリックします。

26.

Adapter Configurationウィザードが表示されます。 Adapter Configuration Wizard Step 1 of 4 Service Nameでは、デフォルトのサービス名であるWriteEventを 保持します。

 

27.

Adapter Configuration Wizard Step 2 of 4 Operationで、「WriteFile」ラジオ・ボタンをクリックして、Operation NameにWriteを 入力します。

28.

Adapter Configuration Wizard Step 3 of 4 File Configurationで、次の値を設定します。

パラメータ
Directory for Outgoing files (physical path) C:\tmp
File Naming Convention EventAck%SEQ%.xml

 

29.

TypeChooserポップアップ・ウィンドウが表示されます。 「Project Schema Files」→「APPS_WF_EVENT_T.xsd」→「WF_EVENT_T」をクリックし て展開し、選択してから「OK」をクリックします。

 

30.

Finish」をクリックします。

 

31.

Oracle ESB設計コンソールで、GetEvent_RS Routingサー ビスのトランスフォーメーションのアイコンをクリックします。

 

32.

GetEven_RSルーティング・サービス詳細設計ページで、Routing Rulesセクションの「Add」をクリックします。

 

33.

Browse Target Service Operationダイアログ・ボックスで、WriteEventの「Write」操作をクリックして、「OK」をクリック します。

 

34.

Oracle ESB設計コンソールで、GetEvent_RS Routingサー ビスのトランスフォーメーションのアイコンをクリックします。

 

35.

Create New Mapper File」ラジオ・ボタン・オプションを クリックします。 これによって、WF_EVENT_T_To_WF_EVENT_T.xsl変換マッピング・ファイルが作成されます。


 

36.

前の手順で作成したトランスフォーメーション・マッピング・ファイルの設計ウィンドウで、リンク を描画し、WF_EVENT_T ( GetEvent.wsdl)WF_EVENT_T Target (WriteEvent.wsdl)ソース間のデフォルトのトランスフォーメーション・マッピングを確立します。

 

37.

Auto Map Preferencesで、デフォルトのマッピングを選択します。

 

38.

確立したデフォルトのマッピングが表示されます。

 

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Oracle ESBビジネス・イベント・アプリケーションの配置およびテスト

Oracle ESBビジネス・イベント・アプリケーションを配置およびテストするには、以下の手順を実行します。

1.

Oracle JDeveloperで、プロジェクトを保存して再構築します。

 

2.

左のペインで、「Register with ESB」→「SOA」 をクリックします。

[CD:ステップの最初の部分が必要]

 

3.

ブラウザを開いてURLを次の形式で入力し、Oracle ESB Consoleにアクセスします。

http://<hostname>.<domainname>:<8888>/esb/

注: ユーザー名はoc4jadmin、パスワードはwelcomeです。

 

4.

POの承認のためにOracle E-Business Suiteからアウトバウンド・ビジネス・イベントを取得するOracle ESBルーティング・サービスのインスタンスを確認します。

.

 

 

5.

ファイル書込みアダプタ・サービスによってビジネス・イベントのXMLペイロードのディレクトリ がファイルに書き込まれていることを確認します。

 

 

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このレッスンで学習した内容は次のとおりです。

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前提条 件の確認
このOBEチュートリアルについての質問は、OBE Discussion Forumに投稿してください。

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Oracle Corporation発行の「Propagating eBusiness Suite Business Events with Enterprise Service Bus」の翻訳版です。

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