Oracle WebCenter Spacesのインストールおよび構成

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目的

このチュートリアルでは、Oracle WebCenter Spacesに加えて、バンドルされたOracle WebCenter ServicesとオプションのOracle Universal Content Management(Oracle UCM)をLinux環境にインストールし、構成を行う方法について説明します。

所要時間

約1.5時間

概要

WebCenter Spacesは、各種のソーシャル・ネットワーキング・ツール、コラボレーション・ツール、および個人生産性ツールをまとめて提供するオンライン環境です。WebCenter Servicesは、Web 2.0スタイルのコミュニケーション・サービスおよびコラボレーション・サービスをWebCenter Spacesに直接組み込むための補完サービス一式を提供します。WebCenter SpacesとWebCenter Servicesのコンポーネント・アプリケーションはともに、Oracle WebLogic Server上で実行され、そのメタデータはOracleデータベースに格納されます。また、Oracle UCMは、エンタープライズ・レベルのコンテンツ管理プラットフォームです。

シナリオ

あなたは、Linux環境へのWebCenter Spacesのインストールを担当する管理者です。Repository Creation Utility(RCU)を実行し、必要なスキーマをデータベースに作成します。次に、WebCenter Installerを使用し、必要なファイルをファイル・システムに作成します。ここでインストールするのは、WebCenter Spaces、WebCenter Services、およびオプションのOracle UCMです。次に、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを実行して、WebCenterドメインを作成します。WebCenter SpacesとWebCenter Servicesは、このドメイン内のサーバーにデプロイされます。このシナリオでは、単一ノードのWebCenterドメインを作成し、1つのマシンにすべてをインストールします。これは本番インストールとしては一般的な方法ではありませんが、開発またはテスト環境としては十分に機能します。このシナリオでは、開発環境の設定を行いますが、単一ノードのドメインとWebLogic Serverの起動モード以外は、本番環境の場合と基本的に同じ手順です。

:スクリーンショットは、ご使用の環境を反映したものではありません。また、製品のインストーラ・ディレクトリ、インストール・ディレクトリ、およびMiddleware_Homeのロケーションは、ご使用のシステム上のロケーションとは異なる場合があります。

ソフトウェアおよびハードウェア要件

ソフトウェア要件は、以下のとおりです。

前提条件

このチュートリアルを始める前に以下のことを確認してください。

. WebCenter Installerにアクセスできること
. UCM Installerにアクセスできること
. Repository Creation Utility(RCU)にアクセスできること
. Oracleデータベースを起動していること
. Java Runtime Environment(JRE)のロケーションを把握していること
. Middleware_Homeディレクトリ(WebLogic_Server_Homeディレクトリを含むディレクトリ)のロケーションを把握していること
. HTTPサーバーのアドレスとポート番号を把握していること
. 製品のインストールに関する基本的知識を持っていること

WebCenterスキーマの作成

RCUを使用してWebCenterデータベース・スキーマを作成するには、以下の手順を実行します。

.

RCUのbinディレクトリへ移動し、RCUを起動します。

$ cd /u01/app/rcu/bin
$ ./rcu


.

Welcomeウィンドウで、「Next」をクリックします。


.

Create RepositoryウィンドウでCreateが選択されたままにして、「Next」をクリックします。

 

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Database Connection Detailsウィンドウで次の値を入力し、「Next」をクリックします。

フィールド
Host Name <ホスト名>
ポート番号 1521
サービス名 owcdb01
Username sys
Password welcome1
Role SYSDBA

データベースの前提条件が確認されたことを示すダイアログ・ボックスが表示されます。「OK」をクリックします。

 

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Select Componentsウィンドウで、Create a new Prefixが選択され、値にとしてDEV(これはデフォルトの接頭辞であり、任意の値を指定できます)が指定されているままにします。「WebCenter Suite」コンポーネントを選択し、「Next」をクリックします。

:WebCenter Suiteを選択すると、AS Common Schemasの下のMetadata Servicesも選択されます。

データベース・コンポーネントの前提条件が確認されたことを示すダイアログ・ボックスが表示されます。「OK」をクリックします。

 

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Schema Passwordsウィンドウで、デフォルトで選択されているUse same passwords for all schemasを受け入れ、パスワードにwelcome1と2回入力します。「Next」をクリックします。

 

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Map Tablespacesウィンドウで、「Next」をクリックします。

表領域の作成を確認するダイアログ・ボックスが表示されたら、「OK」をクリックします。次に、表領域が正しく作成されたことを確認するダイアログ・ボックスが表示されます。「OK」をクリックします。

 

.

Summaryウィンドウで、「Create」をクリックします。

ダイアログ・ボックスが開き、スキーマ作成の進行状況が表示されます。

 

.

Completion Summaryウィンドウで、「Close」をクリックします。

 

WebCenter Spacesのインストール

WebCenter Installerは、WebCenter Spaces、WebCenter Services、およびOracle UCMのファイルをインストールします。WebCenter Spaces、WebCenter Services、およびOracle UCMをインストールするには、以下の手順を実行します。

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WebCenter Installerのステージ・ロケーションに移動し、インストーラを起動します。

$ cd /stage
$ ./runInstaller -jreLoc /u01/app/oracle/product/fmwhome/jdk160_14_R27.6.5-32

インストーラを起動する際、JREのロケーションが必要になります。Oracle WebLogic Serverをインストールしたときに、システム上にJREがインストールされています。このロケーションを使用してインストーラを起動します。ここでは、絶対パスを指定する必要があります。このパスのJREロケーションは、SunのJREを指します。開発環境へインストールする場合、Sun JREを推奨しますが、本番環境へのインストールではJRockit JREを使用してください。


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Welcomeウィンドウで、「Next」をクリックします。


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インストーラによって、システムの前提条件をチェックする各種テストが実行されます。チェックが完了したら、Prerequisite Checksウィンドウで「Next」をクリックします。

 

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Specify Installation Locationウィンドウで、Middleware_Homeのロケーション(このシナリオでは/u01/app/oracle/product/fmwhome/)を入力します。デフォルトのOracleホーム・ディレクトリを受け入れ、「Next」をクリックします。

 

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Specify UCM Configuration Optionsウィンドウで、「Install and Configure Oracle Universal Content Management」を選択します。Content Server PortとContent Server Admin Portはデフォルトのままにし、Web Server HTTP Addressをhttp://<ホスト名>:<ポート番号>/<Webルート>の形式で指定します。このシナリオでは、http://edvmr1p0.us.oracle.com:7777/idcを使用します。「Next」をクリックします。

 

.

Specify UCM Database Detailsウィンドウで次の値を入力し、「Next」をクリックします。
:入力する値は、前項でRCUを実行したときと同じものを使用します。

フィールド
Connect String <ホスト名>:<ポート番号>:owcdb01
Schema User Name DEV_OCSERVER
Schema Password welcome1

 

.

Installation Summaryウィンドウで、「Install」をクリックします。

インストールの進行状況が表示されます。インストールが完了したら、「Next」をクリックします。

 

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Specify UCM Installer Directoryウィンドウで、Oracle UCMのインストール・ファイルのロケーションに/stage/ContentServerと入力します。「Next」をクリックします。

Oracle UCMのインストールの進行状況が表示されます。

 

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Installation Completeウィンドウで、「Finish」をクリックします。

 

WebCenter Spacesの構成

Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用すると、Oracle WebCenter Spacesと各種コンポーネント向けの新規WebLogicドメインを作成し、構成できます。WebCenter Spacesと各種コンポーネントを構成するには、以下の手順を実行します。

.

WebCenter_Oracle_Home/common/binディレクトリへ移動し、構成ウィザードを起動します。

$ cd /u01/app/oracle/product/fmwhome/Oracle_WC1/common/bin
$ ./config.sh


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Welcomeウィンドウで、デフォルトで選択されたCreate a new WebLogic domainを受け入れ、「Next」をクリックします。


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Select Domain Sourceウィンドウで、デフォルトで選択されたGenerate a domain configured automatically to support the following productsを受け入れ、次の製品を選択して「Next」をクリックします。

  • Oracle WSM Policy Manager (oracle_common)
  • Oracle WebCenter Spaces
  • Oracle Portlet Producers
  • Oracle Wiki and Blog Server
  • Oracle WebCenter Discussion Server
  • Oracle Identity Management
  • Oracle Enterprise Manager
  • Oracle JRF

:Oracle WebCenter Spacesを選択する前にOracle WSM Policy Managerを選択しておく必要があります。そうでない場合、エラーが発生します。また、Oracle WebCenter Spacesを選択すると、Oracle Enterprise ManagerとOracle JRFが自動的に選択されます。

 

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Specify Domain Name and Locationウィンドウで次の値を入力し、「Next」をクリックします。

フィールド
Domain name practice_domain
Domain location /u01/app/oracle/product/fmwhome/user_projects/domains
Application location /u01/app/oracle/product/fmwhome/user_projects/applications

 

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Configure Administrator User Name and Passwordウィンドウで、デフォルトでUser nameに指定されているweblogicを受け入れ、パスワードにwelcome1と2回入力します。「Next」をクリックします。

 

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Configure Server Start Mode and JDKウィンドウで、デフォルトで選択されているDevelopment ModeSun SDK 1.6.0_14を受け入れ、「Next」をクリックします。

 

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Configure JDBC Component Schemaウィンドウで、ウィンドウ下部に表示されたすべてのコンポーネント・スキーマを選択します。ウィンドウ上部に次の値を入力し、「Next」をクリックします。

フィールド
DBMS/Service owcdb01
Driver デフォルト値
Host Name <ホスト名>
Schema Owner デフォルト値
ポート番号 デフォルト値
Schema Password welcome1

Testing Connectionsダイアログ・ボックスが開きます。

 

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Test Component Schemaウィンドウで、「Next」をクリックします。

 

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Select Optional Configurationウィンドウで、「Administration Server」と「Managed Servers, Clusters and Machines」を選択し、「Next」をクリックします。

 

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Configure the Administration Serverウィンドウですべてのデフォルトを受け入れ、「Next」をクリックします。


.

Configure Managed Serversウィンドウですべてのデフォルトを受け入れ、「Next」をクリックします。

 

.

Configure Clustersウィンドウで、「Next」をクリックします。


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Configure Machinesウィンドウで、「Add」をクリックします。次の各値を入力して、「Next」をクリックします。

フィールド
名称 practice_machine
Node manager listen address All Local Addresses
Node manager listen port デフォルト値

 

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Assign Servers to Machinesウィンドウの左側のペインですべてのサーバーを選択し、右矢印アイコンをクリックします。「Next」をクリックします。

 

.

Configuration Summaryウィンドウで、「Create」をクリックします。処理が終わるまで数分かかる場合があります。

 

.

Creating Domainウィンドウで、「Done」をクリックします。

 

WebLogic Serverの起動


すべてのWebLogic Serverとノード・マネージャを起動するには、以下の手順を実行します。

管理サーバーの起動


.

ドメイン・ディレクトリへ移動し、管理サーバーを起動します。

$ cd /u01/app/oracle/product/fmwhome/user_projects/domains/practice_domain
$ ./startWebLogic.sh

<Server started in RUNNING mode>というメッセージが表示されるまで待ちます。このウィンドウを閉じると管理サーバーが停止されるため、ウィンドウは開いたままにしておきます。

ノード・マネージャの起動


.

新しいウィンドウでOracle_Common_Home/common/binへ移動し、ノード・マネージャのプロパティを設定します。

$ cd /u01/app/oracle/product/fmwhome/oracle_common/common/bin
$ ./setNMProps.sh

Appending required nodemanager .propertiesというメッセージが表示されます。

:Patch Set 1が含まれない古い11gバージョンのWebCenter Spacesをインストールしている場合、ノード・マネージャ・ファイルはWebCenter_Oracle_Home/common/binにあります。

.

WebLogic_Server_Home/server/binディレクトリへ移動し、ノード・マネージャを起動します。

$ cd /u01/app/oracle/product/fmwhome/wlserver_10.3/server/bin
$ ./startNodeManager.sh

INFO: Secure socket listener started on port 5,556というメッセージが表示されるまで待ちます。このウィンドウを閉じるとノード・マネージャが停止されるため、ウィンドウは開いたままにしておきます。

管理対象サーバーの起動


.

Webブラウザを開いてhttp://<ホスト名>:7001/consoleと入力すると、WebLogic Server管理コンソールが起動されます。Usernameにweblogicと入力し、Passwordにwelcome1と入力したら、「Log In」をクリックします。

:管理対象サーバーはコマンドラインから起動することもできます。その場合、DOMAIN_DIR/bin/startManagedWebLogic.shを使用します。

ログイン・ウィンドウが表示される前に、コンソール用のアプリケーションがデプロイされていることを示すメッセージが短時間表示されます。

 

.

左側のDomain Structureペインで「Environment」を開き、「Servers」をクリックします。


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Summary of Serversウィンドウで「Control」タブをクリックし、3つの管理対象サーバーを選択します。「Start」ボタンをクリックします。


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ブラウザの「Refresh」アイコンをクリックするか[F5]キーを押して、すべてのサーバーのステータスがRUNNINGになるまでウィンドウをリフレッシュします。


インストールの確認

WebCenter Spacesが正しくインストールされたことを確認するには、以下の手順を実行します。

.

Webブラウザを開いてhttp://<ホスト名>:8888/webcenterと入力すると、WebCenter Spacesが起動されます。User Nameにweblogicと入力し、Passwordにwelcome1と入力したら、「Login」をクリックします。


.

WebCenter Spacesへのログインに成功しました。このことから、インストールが正しく実行されたことが確認できます。


:WorklistサービスやDocumentsサービスに関するウィンドウ右側のメッセージが正しく表示されていないのは、これらの設定を行っていないためです。この時点でWebCenter Spacesは正しくインストールされて稼働していますが、作業は完了していません。Documentsサービス(Oracle UCMを含む)、Worklistサービス、Discussionsサービスなど、WebCenter Spacesで使用したいサービスを構成する必要があります。また、ポートレット・プロデューサの登録が必要になる場合もあります。詳しくは、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド11gおよびOracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle WebCenterを参照してください。

まとめ

このチュートリアルで学習した内容は、次のとおりです。

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