SLAを遵守するために、パフォーマンスの監視、ボトルネックの検出、リソースの管理を自律的に実行
Oracle Database Quality of Service Management(QoSM)を利用すると、システム管理者はOracle RACデータベースおよびOracle RAC One Nodeデータベース上でホストされたアプリケーションのサービス・レベルを直接測定、監視、および管理できます。QoS Managementはポリシーベースのアーキテクチャを使用して、正確な実行時パフォーマンスとリソース・メトリックを関連付け、そのエキスパート・システムでこのデータを分析して、ボトルネックの原因でありSLAを脅かしているリソースを特定します。結果はシングル・クロスのクラスタEM Cloud Controlダッシュボードに表示され、推奨のリソース再割当てを1つのボタンで適用できます。QoSMでは、動的な負荷条件の下でパフォーマンス目標を達成および維持できるように、必要に応じて、これらの推奨事項を自動的に実装できます。利用できるリソースが十分にない場合、QoS Managementは重要性の低い目標を犠牲にして、よりビジネスクリティカルな目標を維持します。
Oracle Database QoS Managementは、クラスタ管理対象サービスを介してOracle RACデータベースに接続されるアプリケーションのパフォーマンスを測定します。平均応答時間をリソース使用とリソース待機の2つの部分に分類します。QoSMは待機時間をCPU、グローバル・キャッシュ、I/O、およびその他のデータベース待機にさらに分類して、ボトルネックを特定します。この測定処理モードにより、DBAは次のことを実行できます。
- 単一のEnterprise Managerダッシュボードでクラスタのパフォーマンスを表示する
- 状態およびパフォーマンスをリアルタイムに評価する
- 統合ワークロードの現実的なパフォーマンス目標を容易に特定する
- 具体的なリソース・ボトルネックを的を絞って特定する
Oracle Database QoS Managementは、ユーザー指定の応答時間パフォーマンス目標に照らし合わせて、Oracle RACデータベース・アプリケーションの応答時間を監視します。このモニター操作モードにより、DBAは次のことを実行できます。
- 各ワークロードにパフォーマンス目標を設定して、ポリシーによってグループ化する
- 自律型の警告または重要アラートによって、パフォーマンスの問題に
事前に対応する
- 迅速に優先順位付けできるように、ボトルネックとなっているリソースを明確に特定する
- 最近のパフォーマンス履歴ビューによって傾向を判断する
Oracle Database QoS Managementは、Oracle RACクラスタ内の統合アプリケーションのサービス・レベルを維持するために、グローバルなリソース・ガバナーとして機能します。組込みのエキスパート・システムが、指定されたパフォーマンス目標に照らし合わせて応答時間を常に評価します。目標を下回った場合、QoSMはボトルネックとなっているリソースを特定して、パフォーマンス・レベルを回復させるために、リソースのトレードオフを推奨し、必要に応じて実装します。この管理処理モードにより、DBAは次のことを実行できます。
- 各ワークロードのパフォーマンス目標とビジネス上の順位をポリシーによって設定する
- ニーズの急増や可用性の問題に応じて、
リソースのリバランスを即座に実行する
- さまざまなワークロード・サイクルやイベントを処理するために、
別々のポリシーを作成してアクティブ化する
- パフォーマンス管理を向上するために、実装されたアクションの監査証跡を実行する
Oracle Database QoS ManagementはOracle RACおよびRAC One Nodeのデータベース・ライセンスに含まれており、基盤としてEnterprise Manager Cloud ControlによるOracle RACクラスタの管理が必要です。Oracle Database QoS ManagementはOracle Autonomous Health Framework(Oracle AHF)のパフォーマンス・コンポーネントです。Oracle AHFの可用性コンポーネントとパフォーマンス・コンポーネントについて詳しくは、以下を参照してください。
Oracle RACのソリューション・ファミリーとは、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeのライセンスを持つお客様が追加料金なしで使用できる製品と機能の集合を表します。各ソリューションは、可用性とスケーラビリティをいっそう向上することで、または日々のオペレーションを自動化し、簡素化することで、Oracle RACのコア製品を強化または補完しています。これらの貴重な機能強化について詳しくは、以下の図の各ソリューションのリンク先をご覧ください。Oracle Quality of Service Managementについて詳しくは、ページの最後のリンク先をご覧ください。
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