ビジネス課題
COVID-19によって、この1年で自転車愛好家(ライダー)の波が新たに活気を取り戻しつつあります。その中で、Specialized Bicycle Componentsに対するライダー、小売店、スタッフからのメッセージは明確でした。「もっと自転車が欲しい」。2020年4月には、業界全体の自転車販売台数が通常シーズンの2倍近くになった一方で、パンデミックにより多くの港の閉鎖や工場での隔離を余儀なくされ、世界的なサプライチェーンの危機が発生しました。これらの出来事に加えて、同社では古いオンプレミスのデータセンターのアーキテクチャ上でERPシステムを稼働させなければならないこともあり、需要に応じた迅速な対応の実現はさらに困難をきわめました。
とはいえ同社の数百万人のお客様やパートナー、スタッフは40カ国に点在していることもあり、新しいERPシステムへの移行およびそのアプリケーションを中心とした200以上の連携を再構築することは、現実的な選択肢とは言えませんでした。
Using Oracle Data Guard helps us continuously run these sites in sync mode, which gives us the assurance that our backups are always available and current.
Specializedがオラクルを採用した理由
Oracle E-Business SuiteおよびOracle Agile Product Lifecycle Management内の数テラバイトのデータをクラウド移行することによるコスト削減、パフォーマンス、および稼働時間のメリットを評価した結果、これらのワークロードのOracle Cloud Infrastructure (OCI)へ移行は、Specialized内ですぐに可決されました。
結果
OCIのハイパフォーマンスな Oracle Exadata Cloud Serviceに移行してから、Specializedのオンラインのトランザクションとデータウェアハウスのバッチ処理のパフォーマンスは大幅に向上しました。また、CPUコアの動的な拡張や、使用量に応じた仮想マシンのプロビジョニングなどの柔軟性も実現することができました。さらに可用性の観点からも、OSの自動アップデートを数分以内で完了させることができるようになりました。
パブリック・サブネットとプライベート・サブネットの両方を設定することにより、POSシステムやデータベース、業務アプリケーションと、顧客、小売業者、クラウド・ベンダー、その他のサードパーティとの間での接続における、信頼性と持続性が向上しました。
Oracle Exadata Cloud Serviceを使用して、2つのノードOracle Real Application Cluster (RAC)上でOracle WebLogic Serverを実行することで、Specializedは非常に高い可用性と耐障害性を備えた環境を実現しています。この環境では、Webサイトを通じて顧客からの販売取引を処理すると同時に、バックエンドで在庫、生産および配送スケジュール、売掛金を更新することができます。
Specializedの自転車はスピードと快適さを重視して設計されていますが、同社のクラウド環境はスピードとセキュリティを追求した、スケーラブルな設計となっています。Oracle Cloud Infrastructure Load BalancingおよびOCI API Gatewayを使用して、アプリケーション層を管理し、Oracle RACで異なるサブネット上にインタフェースを分割し、Oracle Enterprise Managerでクラスタ全体を監視することで、待機時間やスケジュールされたダウンタイムがなくなりました。
オラクルのフェニックスにあるクラウド・リージョンで稼働している主要なワークロードを保護するために、SpecializedはOracle E-Business Suite、Oracle PLM、およびOracle Databaseをバージニア州アッシュバーンのオラクル・クラウド・リージョンに複製しました。「OCIの設計により、真のディザスタ・リカバリが実現しました。」とPham氏は言います。フェイルオーバーが発生した場合でも、「Oracle Data Guardを使用することで、これらのサイトを同期モードで引き続き実行することができ、常に利用可能な最新のバックアップが担保されます。」