Oracle Databaseの最新バージョンへアップグレードのススメ

日本オラクル株式会社 Oracle Direct テクニカルサービス部

宇多津 真彦 (うたつ まさひこ)

はじめに

はじめに

「格納するデータ量が増え続けており、パフォーマンスが遅くなってきた。チューニングが必要だ!」

「セキュリティ確保のための対策が必要!」

「運用管理に手間がかかってしまっているのを改善したい!」

Oracle Databaseは日々進化しています。Oracle Databaseの新機能は、日々ご利用いただいているお客様のご意見を反映したものです。Oracle Databaseをバージョンアップすると、これらの様々なご要望にもとづいた新機能をご利用になれます。

また、ソフトウェアのバージョンアップはつい先延ばしにしてしまいがちですが、システムを安全かつ快適に運用していくためには不可欠な作業です。

システム全体の最適化を考えるとき、重要なインフラであるOracle Databaseを適切なバージョンに維持することは非常に重要です。この文書では、Oracle Databaseをアップグレードするための方法やそのメリットについて、まとめてご紹介します。

目次

古いバージョンで運用を続けるリスク

既に安定稼動しているシステムで、データベースなどをアップグレードするには、いくつものリスクが伴います。そのため、ついつい先延ばしにしてしまうことも多いのではないでしょうか。

しかし、古いデータベースを使用してシステム運用を続けていく場合にも、多くのリスクが伴うものです。

古くなったシステムのメンテナンス・コスト

システムを構成している要素が古くなると、ハードウェアはもとより、ソフトウェアに関してもメンテナンスのコストが高くなります。ハードウェアのメンテナンスは、時間経過による劣化が進むためにその頻度も高くなるでしょうし、修理のための部品調達も困難になります。

OSやデータベースなどのミドルウェア、利用しているアプリケーションなどのソフトウェアに関しても、古くなると、メンテナンススキルを持つ人員の確保や、必要な技術情報の入手が困難になります。同様に、十分なサポートも受けにくくなります。

また、システムの構築からアップグレードまでの期間が開きすぎると、作業手順が複雑になる場合があります。目安として、構築してから5年が経過したらOSやデータベースのバージョンを上げることを検討すべきでしょう。

システムへの要望に対して柔軟な対応が困難

ビジネス環境の変化に伴い、ITインフラに要求されるサービスレベルは日々高くなっています。そうしたニーズに対応するために、ソフトウェアにはバージョンアップの度に様々な新機能が追加されています。

例えば、Oracle Database 11gでは、

  • システムの信頼性向上をより少ないコストで実現
  • データ量増大とシステムパフォーマンス劣化への対応
  • セキュリティ機能の向上
  • 基本性能の向上

などの機能が強化されています。それらの機能を利用することで、例えば災害対策サイトの構築と有効活用といった要望を実現することが可能です。

古いバージョンのままでは、高価なハードウェアの導入やアプリケーション側での追加開発でシステム要求を満たしたり、場合によってはバージョンアップまでシステム要望を凍結せざるを得なかったりなどのケースもでてきます。

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最新のバージョンにアップグレードするメリット

「Oracle Databaseを最新バージョンにアップグレードしたからといって、それほど大きく改善されるわけでもないだろう」そう考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、現在のOracle Databaseは、これまでのOracle8、Oracle8i、Oracle9i Databaseといったバージョンとは一味ちがいます。現行システムでかかえていた問題を、Oracle Databaseを最新にアップグレードして活用することで解決できることも多いのです。Oracle Databaseを最新のバージョンにアップグレードすることで以下のようなメリットを得られます。

自己管理機能の強化

Oracle Databaseは既に多数の基幹業務で利用されています。バージョンアップを重ねる毎に、大量のデータを効率的に格納し、迅速にデータを抽出するための様々な仕組みが導入されてきました。多数の仕組み(=機能)が導入されたがゆえに、「Oracle Databaseに精通した管理者がいないと運用が困難」といった声があったのも事実です。

Oracle Database 10g以降では、Oracle Database自らが日々の稼働状況を収集することで、必要に応じてアラートを提示したり、性能上のボトルネックとなり得る処理を提示したりなどが可能です。つまり、データベース管理者の日々の監視項目の大部分をOracle Database自身が代行し、問題が発生した際の解決方法をアドバイスできるようになりました。

Oracle Databaseが自己管理機能を持つことで、データベース管理者の日々の運用負荷を軽減し、Oracle Databaseのアドバイスを参考にすることで、新機能を効果的に利用することが可能となったのです。

自己診断機能

Oracle Database 10gの場合を例にとると、デフォルトで1時間に1回、モニタリング処理が実行され、過去1時間の間にパフォーマンス劣化が発生したかどうかを確認します。パフォーマンス劣化を検知した場合は、その解決策までを提示します。

例えば、パフォーマンス低下の原因がOracle Databaseのメモリ割り当て不足によるものであった場合、特定のメモリ領域をどのくらいのサイズに設定すればいいか、推奨値を提示します。また、実際のメモリ割り当てを推奨サイズに変更することも簡単です。その際、データベースの再起動は一切必要ないため、処理を止めずにチューニングすることが可能です。

チューニング・アドバイス機能

チューニング・アドバイス機能を使用すると、Oracle Databaseの高いスキルや経験がなくても簡単にチューニングすることができます。データベースのパフォーマンス劣化の主要な原因の一つであるSQL実行を例にとって説明します。

現在のOracle Databaseでは、高い負荷がかかっていた時間帯に、どのようなSQLが実行されていたかを瞬時に突き止めることができます。従来この作業は、高いスキルを持った管理者でも手間のかかる作業でした。Oracle Database 10g以降のバージョンであれば、これを過去にさかのぼって実行することも簡単にできます。例えば2日前にシステムのレスポンスが悪くなり、ユーザーからクレームがあがっていたことが判明した場合、即座に過去にさかのぼって負荷が高かった時間帯を確認し、実行されていたSQLを特定することができます。さらに、ボトルネックの原因となっていたSQLをSQLチューニング・アドバイザ機能を使用してチューニングし、パフォーマンスを改善することが可能です。

図1 Oracle9i Database以前とOracle Database 10g以後の監視とチューニング 図1 Oracle9i Database以前とOracle Database 10g以後の監視とチューニング

自動オプティマイザ統計収集とSQL実行計画管理

日々増え続けるデータから目的のデータを特定し、効率良く操作するための仕組みがコストベース・オプティマイザ(CBO)です。CBOはテーブルに格納されている件数、格納されているデータのバリエーションがどのようになっているか(=カーディナリティの高い、低い)をはじめ、パーティショニングの状態や作成されている索引といったオプティマイザ統計情報を元に、目的のデータを効率的に抽出するアクセス・パス(SQL実行計画)を決定するための仕組みです。

CBOが効果的に動作する為にはオプティマイザ統計がきちんと取得されている必要がありますが、Oracle9i Database以前では、データベース管理者が明示的にオプティマイザ統計情報を収集する必要がありました。しかしながら、Oracle Database 10g以降では、統計情報をまだ収集していないオブジェクトや、大幅にデータが更新されたオブジェクトに対して、負荷の低い時間帯に自動的に統計情報を収集する「自動オプティマイザ統計収集」機能が提供されています。

また、通常はCBOが決定した新しいSQL実行計画により性能が改善されますが、まれに以前より性能が劣るケースもありました。Oracle Database 11gからは新しい実行計画をそのまま利用するのではなく、データベース管理者が新しい実行計画の採用を判断するための「SQL実行計画管理」機能を利用できます。この機能により、意図しない性能劣化に悩まされることが無くなります。

自動通知機能(サーバー・アラート)

例えば、表領域の管理に関して、以前のバージョンのOracle Databaseを使用している場合は、データの追加により表領域が一杯になり、エラーが発生してはじめて領域不足に気づくといった事態が散見されました。自動通知機能を使用すれば、表領域の領域使用率にしきい値を設定でき、指定したパーセンテージを超えた段階で管理者に通知することができます。これにより、ユーザー側にエラーを戻すことなく、事前に領域不足を検知し、問題を回避することが可能です。

Oracle Databaseでは、表領域の領域使用率以外にも様々な項目に対してしきい値を設定することができます。この機能を活用することにより、データベースの問題を未然に防ぐことが可能になります。

障害の診断機能

以前のバージョンのOracle Databaseで致命的なエラーが発生した際、データベース管理者は適切なログ情報を収集し、弊社サポート・センターと連携して問題解決をおこなっていました。しかしながらエラーが発生した際に出力される情報だけでは障害解析は難しく、追加で特別な設定を施して詳細なログ情報を出力させるなど、弊社サポート・センターとのやりとりが長期化することもありました。

最新のOracle Database 11gでは稼働中に致命的なエラーを検知すると、診断情報を取得する機能が自動的に起動し、メモリダンプ等の詳細情報を記録します。またこれらの障害情報をまとめる機能も提供されていますので、データベース管理者は、障害発生時に弊社サポート・センターに送付すべき適切なログ情報をもれなく提供できるようになり、障害復旧および障害の原因究明を迅速化できるようになりました。

また、障害状況の監視および障害情報を管理するためのGUI画面「サポート・ワークベンチ」が提供されており、データベース管理者は迅速に障害発生時に対応することができます。

図2 サポートワークベンチの画面
図2 サポートワークベンチの画面

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バックアップ・リカバリ機能の強化

Oracle Databaseの通常運用は、上述の通り自己管理機能が充実したことでデータベース管理者の負担を劇的に下げることが可能となりました。しかしながら、安定運用のためには、ハードウェア障害といったOracle Databaseの外的要因による障害についてもあらかじめ検討しておかなければなりません。外的要因による障害が発生した場合、最悪のケースでは取得済みのバックアップをもとにリカバリすることでデータベースの復旧をおこなう必要があります。

最新バージョンのOracle Databaseではバックアップ・リカバリを円滑に行うための機能も強化されています。

バックアップの更なる高速化

データベース管理者は、夜間や休日などにバックアップを取得します。一般的に、夜間や休日は、データのローディングや索引の再構築など、バックアップの他にも様々なメンテナンス処理を行う可能性があります。このため、バックアップの取得にかかる時間をなるべく短くしたいという要求が以前からありました。

Oracle Databaseでは、前回取得したバックアップからの差分データのみをバックアップする、増分バックアップを用いて日々取得するバックアップのサイズを小さくすることができます。増分バックアップは、変更された差分データを特定するためにバックアップ対象のファイル全体をスキャンするので、バックアップ・サイズが小さいわりには取得に時間がかかります。これに対して、Oracle Database 10g以降では、高速増分バックアップ機能が追加されたため、さらに高速な増分バックアップの取得が可能になりました。Oracle Databaseを最新バージョンにアップグレードすることにより、バックアップにかかる時間を大幅に短縮することが可能です。

リカバリ処理の迅速化

不幸にしてデータベースに障害が発生してしまった場合、迅速な復旧は必須です。

物理的な障害が発生した場合、データベース管理者は復旧手順を検討する必要がありますが、障害の発生パターンは千差万別です。障害に対する確実な復旧手順を明らかにするだけでも、時間がかかることもあるでしょう。Oracle Database 11gでは障害復旧に対するアドバイスをおこなうための機能、リカバリ・アドバイザを提供しており、Oracle Databaseのリカバリ処理の迅速化が可能です。

物理的な障害ではなく、論理的な障害、例えばオペレータの判断ミスによるデータ消失等に対する復旧手段としては、物理的なバックアップを元に論理障害直前まで戻す方法や、エクスポート・ユーティリティで取得した論理バックアップを適用する方法などがあります。しかし、障害復旧までの業務停止時間が長くなってしまうことが問題でした。Oracle Database 10g以降では、フラッシュバック・データベースといったフラッシュバック機能によるデータベース全体の巻き戻しが可能となっています。フラッシュバック機能を利用することで、これまでの方法と比較すると短時間で論理障害直前までデータベースを戻すことができます。

また、Oracle9i Database以降では、I/Oの単位であるブロックに障害が発生した場合、当該ブロックのみをリカバリすることが可能です。ブロック障害発生時の業務停止が最小限で済むようになりました。

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セキュリティ

昨今の様々な法整備にともない、企業はコンプライアンス(法令遵守)を徹底することが求められています。こうした背景の中で、企業の重要なデータを扱うデータベース側でも、情報漏えいなどを発生させないためのソリューションが求められています。データベース・セキュリティのニーズは、以前のバージョンのOracle Databaseがリリースされたときにくらべ、格段に高まっています。今こそデータベース・セキュリティ機能が強化された新しいバージョンのOracle Databaseにアップグレードすべきタイミングです!

暗号化

Oracle Database 10g以降のバージョンでは、3つの階層での暗号化が可能です。

まず1つ目はデータの暗号化です。実際にデータを格納しているデータを暗号化することにより、内部犯行などにより万一サーバーに不正アクセスされ、データファイルがコピーされたとしても、データが解読される心配はありません。
以前のバージョンでもデータの暗号化を実装することは可能でしたが、従来の方法ではパッケージを使用し、アプリケーション側を修正する必要がありました。これに対して、Oracle Database 10g以降のバージョンでは、アプリケーションを改修することなく、データベース側で暗号化を実装することが可能です。また、従来のパッケージを使用した場合と比較して、パフォーマンス面でも数倍高速化されているため、暗号化によるパフォーマンス劣化を最小限に抑えることが可能になりました。

2つ目はバックアップデータの暗号化です。バックアップ・テープを車内においていたところ盗難に遭い、大事な顧客情報が盗まれてしまった、といった事件が実際に発生しています。この他にも、社内に保管していたバックアップデータが内部犯行により盗まれるなど、バックアップの盗難・解析による情報漏えいのリスクにも対策を打っておく必要があります。Oracle Database 10g以降のバージョンでは、バックアップデータを暗号化することができるため、万一バックアップデータが盗難にあっても情報がもれることを回避できます。

3つ目は通信の暗号化です。これに関しては以前のバージョンでも実装可能でした。この機能により、ネットワークを流れるデータを暗号化することができます。

図3 Oracle Databaseで可能な暗号化機能
図3 Oracle Databaseで可能な暗号化機能

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最新バージョンへのアップグレード - 基本手順 -

前章までで、Oracle Databaseを最新バージョンにアップグレードするメリットや必要性についてご理解いただけたと思います。ここからは実際のアップグレード方法についてまとめます。

アップグレード作業の手順

アップグレード作業は、図4: アップグレード手順のような流れにそって実施します。アップグレードを実施する前に、本番データベースのデータベース構造やパラメータ設定などの環境を記録し、必ず本番データベースの全体バックアップを取得します。さらに、必要に応じてOSのアップグレード等を行った上で、Oracle Databaseのアップグレード作業を行います。このとき、図4: アップグレード手順にもあるように、データベース全体のアップグレード、データの移行、データコピーの3つのアップグレード方法の中から最適なものを選択することができます。アップグレードが完了したら、新しいバージョンのデータベースとしての、初期全体バックアップを必ず取得します。

図4 アップグレード手順
図4 アップグレード手順

3つのアップグレード方法について、それぞれの特徴を以下でご紹介します。

データベース全体のアップグレード (DBUA / 手動アップグレード)

データベース全体のアップグレードでは、現在使用している本番データベースのファイルを新しいOracle Databaseのソフトウェアに対応するように修正します。この方法では、データを物理的に移動させる必要がないため、他の方法と比較してアップグレードにかかる時間が短時間におさえられ、アップグレードの際に追加で必要となるディスク領域も最小限で済みます。
データベース全体をアップグレードする場合、データベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)というGUIのアップグレードツールを使用することができます。また、コマンドラインからSQLスクリプトやユーティリティを実行する手動アップグレードを選択することも可能です。
DBUAを使用すると、通常は手動で実行するアップグレード処理のすべてのタスクが自動化されます。いずれの場合も、最新のバージョンのOracle Databaseに直接アップグレード可能なバージョンは限られています。例えば、図5:にあるように、DBUAや手動アップグレードによって、Oracle Database 10g Release 2に直接アップグレードできるのは8.1.7.4以降のバージョンに限られます。8.1.7.4より古いバージョンをご使用の場合は、一度8.1.7.4にアップグレードしていただいた後、さらにOracle Database 10gにアップグレードするという2段階の作業となります。

図5 Oracle Database 10g Release 2へのアップグレード・パス
図5 Oracle Database 10g Release 2へのアップグレード・パス

Oracle Database 11gへのアップグレード・パスは、図6のようになります。

図6 Oracle Database 11g へのアップグレード・パス
図6 Oracle Database 11g へのアップグレード・パス

データの移行 (Export / Import)

DBUAや手動アップグレードとは異なり、Export/Importユーティリティは、現行のデータベースのデータを新しいデータベースに物理的にコピーします。ExportおよびImportユーティリティを使用してデータベースの全体または一部をエクスポートし、それを別途作成した新しいバージョンのOracle Databaseにインポートします。
Export/Importユーティリティを使用したデータベースのアップグレードは、DBUAを使用する場合と比較して時間が長くかかる場合があります。また、エクスポートしたファイルを一時的に置くための、追加のディスク領域も必要となります。
なお、データベースの全体をExport/Importするには図5、図6のアップグレード・パスに記載のある「直接のアップグレード可能」なバージョンであることが必要ですのでご注意ください。

なお、移行元データベースがOracle Database 10g以降の場合は、データポンプのExport/Import(expdp/impdp)の利用を推奨します。

データの移行(トランスポータブル表領域)

Oracle8i Database以降のバージョンから上位バージョンへデータ移行をおこなう手段として、トランスポータブル表領域(TTS)の機能を利用することができます。ストレージの機能で高速にデータファイルのコピーが可能な場合はTTSの利用も検討してください。

図7 トランスポータブル表領域機能を利用したデータ移行イメージ
図7 トランスポータブル表領域機能を利用したデータ移行イメージ

なお、移行元と移行先のキャラクタ・セットおよび各国語キャラクタ・セットが同じであること、という制限がある為、実質的にはOracle9i Database以降で利用が可能です。

データコピー

データベース・リンク(DBLink)を使用して、本番データベースから、別途作成した新しいバージョンのOracle Databaseにデータをコピーできます。この方法の場合、元のデータベースから表の一部を抜き出して移行することも可能です。
作業にかかる時間はExport/Importユーティリティの場合と同様、データ量に依存します。また、Export/Importユーティリティとは異なり、データコピーの場合は追加のディスク領域は必要ありませんが、データ抽出のためのSQL文を作成する必要があります。
ネットワーク経由でデータをコピーするため、ネットワーク環境によっては作業に時間がかかる場合があります。また、コピーによりネットワークに負荷をかける可能性があるため、大規模データベースのアップグレードにはあまり向きません。

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OSも変更するケース

アップグレード時に異なるOSやハードウェアに移行したい場合は、DBUAで実行することができないため、Export/Importユーティリティ、または、データコピーを使用します。
Export/Importユーティリティに関する詳細は、マニュアル『Oracle Database ユーティリティ』に詳細が記載されておりますので、実行時にうまくいかない場合などはご参照ください。

図8 Export/Importユーティリティを利用したデータ移行のイメージ

図8 Export/Importユーティリティを利用したデータ移行のイメージ

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アップグレードについてよくある質問

前章でアップグレードの手順や方法などはご理解いただけたと思いますが、実際に作業を行うときは、やはり不安があるものです。本章ではアップグレードについてよくある質問をまとめましたので、参照してアップグレードに対する不安を払拭していただきたいと思います。アップグレードに対する理解を深め、より確実にアップグレード作業を行いましょう!

パフォーマンスって本当に速くなるの?

Oracle Database 10g以降のバージョンではRBOはサポートされない!

Oracle Databaseでは、SQLの最適化をオプティマイザが行っています。オプティマイザにはルールベース・オプティマイザ(RBO)とコストベース・オプティマイザ(CBO)があります。それぞれの特徴とメリット/デメリットを図9: RBOとCBOにまとめます。

図9 RBOとCBOの比較

図9 RBOとCBO

Oracle Database 10gからはRBOがサポートされなくなりました。今後、最新バージョンのOracle Databaseにアップグレードした際は、CBOでの運用となりますのでご注意ください。

コストベース・オプティマイザのパフォーマンス最適化

図9: RBOとCBOにもあるように、CBOはデータ量の変動に追随してSQLの最適化を行うことができます。ただ、そのためには定期的にデータ量などの統計情報を取得する必要があります。

従来は、CBOの使用に伴う定期的な統計情報の取得作業が管理上のネックになっていました。これに対して現在のOracle Databaseでは、統計情

報の取得が自動で行われるため、CBOの運用コストを意識する必要がなくなりました。

また、Oracle Database 11gからはSQL実行計画管理機能を利用することで、CBOが新たに作成したSQL実行計画管理をデータベース管理者の承認無しに使用することが無くなりました。

これまでRBOで運用されているシステムのデータベース管理者、もっとCBOを使いこなしたいとお考えのデータベース管理者の方はこちらのドキュメントもご一読ください。

「 データベースアップグレードのベスト・プラクティス - コストベース・オプティマイザのパフォーマンス最適化 -

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既存のアプリケーションは動作するの?

基本的には、最新バージョンのOracle Databaseにアップグレードする際に、既存のアプリケーションを変更する必要はありません。ただ、場合によってはOracle Databaseの新しいリリースに新機能が追加されることで、新しい予約語や事前定義ファンクション等が追加される影響や、初期化パラメータやデータ・ディクショナリが変更されている影響で、既存のアプリケーションがそのままでは正常に動作しない場合がありますのでご注意ください。

ご使用のOracle Databaseを新しいリリースにアップグレードする場合は、アプリケーションがOracleの予約語を使用していないか、アプリケーションがデータベースの初期化パラメータと互換性があるか、またはアプリケーションがデータベースのデータ・ディクショナリと互換性があるかを確認してください。

また、パッケージ・アプリケーションをご使用の場合は、対応するOracle Databaseのバージョンが限定される場合があります。ご使用になっているパッケージ・アプリケーションが、最新バージョンのOracle Databaseに対応しているか、事前に確認した上でアップグレードを行ってください。

アップグレードの際、旧バージョンで使用していたアプリケーションをそのまま移行する場合は、移行先にて動作確認を必ず行ってください。

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移行後の運用管理ってどうなるの?

強力なGUI管理ツール

Oracle Database 10g以降のバージョンでは、Oracle9i Database以前のバージョンと比べて格段に使いやすくなったOracle Enterprise ManagerというGUIの管理ツールが使用できます。WebブラウザからURLを指定することで、Oracle Enterprise Managerにアクセスできます。あとはWebブラウザからGUIでデータベースを簡単に管理できます。

図10 Oracle Enterprise Managerを利用した運用管理イメージ
図10 Oracle Enterprise Managerを利用した運用管理イメージ

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まとめ

データベースのアップグレードはシステム保守において必要かつ重要な作業です。アップグレードを検討するにあたって、不安をお持ちの方も多いと思います。本文書をご活用いただき、是非スムーズなアップグレードを計画いただき、適切かつ安全に実行いただければと思います。最新バージョンのOracle Databaseにアップグレードすることによって、様々な拡張機能を活用することが可能になります。いつアップグレードするかタイミングを計りかねている方は、この機会にぜひご検討ください。

尚、実際にアップグレードを実行する場合は、本文書に加え、かならずマニュアル(『Oracle Database アップグレード・ガイド』)をご参照ください。

また、本文書についてのご質問や、パフォーマンスに関してのご相談、システム構成のご相談、概算金額のお見積もりに関するご相談などは、 Oracle Direct(フリーダイヤル:0120-155-096) までご相談ください。日本オラクルのエンジニアが直接ご相談をお受けします。

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「Oracle Database バージョンアップ支援サービス」ご案内

Oracle Directでは、移行を検討されている現在のデータベース状況や、移行検討先のデータベースバージョンなどのヒアリング項目を基に、安全にバージョンアップしていただくための方法について無償でアドバイスいたします。

  • Oracle Database バージョンアップ支援サービス

ヒアリング項目

  1. 既存Oracle DatabaseのVersion/Edition
  2. 既存/新規:O/S
  3. アプリケーション開発言語 (Java、VBなど)
  4. 既存サーバのデータ量(「ざっくりと何GB」程度で結構です)
  5. アプリケーション形態: WEB、C/S等
  6. バージョンアップの動機(ハードウェア・リプレース、パフォーマンス改善、新機能の利用等)
  7. バージョンアップ時の懸念点(アプリケーションの互換性、パフォーマンス劣化等)

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Oracle Database バージョンアップ支援サービスについて、ご不明点やサービスご希望の方は、お気軽にOracle Directまでお問い合わせください。

Webによるお問い合わせ 専用お問い合わせフォームにてご相談内容を承ります。詳細確認のため、お電話させて頂く場合がございます。
  • ※フリーダイヤルがつながりにくい場合には、お問い合わせフォームをご利用ください。
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宇多津 真彦 (うたつ まさひこ)

Oracle Directにて、Oracle Databaseの技術支援を担当しております。

データベースバージョンアップについてのご相談では、システム開発やデータベース管理に携わった経験を元に、具体的なお話ができるよう心がけています。