Oracle JDeveloper IDEの概要

目的

このチュートリアルでは、Oracle JDeveloper 11g IDEのおもなコンポーネントについて確認し、これらを使用して基本的なアプリケーションを作成する方法を学習します。

所要時間

約45分

トピック

このチュートリアルでは、以下のトピックについて説明します。

 概要
 前提条件

JDeveloper 11gの起動

初めてのアプリケーション作成

初めてのJavaクラス作成

ソース・エディタを使用したJavaクラスの開発

Javaプログラムのデバッグ

 ファイルの管理
 まとめ

スクリーンショットの表示

 このアイコンの上にカーソルを置くと、す べてのスクリーンショットがロードし、表示されます。(警告:この操作によって、同時にすべてのスクリーンショットがロードされるため、ご使用のインター ネット接続によっては応答時間が遅くなる場合があります。)

注:各手順に関連したスクリーンショットのみを表示する場合は、それぞれの手順にあ るアイコンの上にカーソルを置いてください。スクリーンショットをクリックすると、非表示になります。

概要

このチュートリアルでは、簡単なJavaクラスを作成する方法 について学習します。 次に、新しいクラスを使用して、コード・アシストやデバッガなど、JDeveloper IDEの機能について確認します。

トピック・リスト に戻る

前提条件

このチュートリアルを始める前に、次のことを確認してください。


Oracle JDeveloper 11g製 品版にアクセスできるか、またはインストール済みであること。この製品は、 Oracle Technology Networkからダウンロードできます。

トピック・リストに戻る

JDeveloper 11gの起動

1.

スタート」→「 すべてのプログラム」→「 Oracle Fusion Middleware」→「 JDeveloper Studio 11.1.1.0.0」 を選択して、Oracle JDeveloperを起動します。

以前のバージョンのJDeveloperから移行するかどうかを確認するダイアログ・ボックスが開いたら、「 NO」 をクリックします。

2.

Select Roleダイアログで、「 Default Role」 を選択して、「 OK」をクリックします。

注:JDeveloper環境では、ユーザーのロールに基づくシェイピングにより環境を調整できま す。メニュー、プリファレンス、新規ギャラリ、およびダイアログ上の個々のフィールドから不要な項目を削除することで実現可能です。ツール内のダイアログ 上において、シェイピングはフィールド用にデフォルト値を制御できます。Oracle JDeveloperを最初に開始する場合、ロールの選択を指示されます。このロールはOracle JDeveloperの使用方法を表しています。"Java Developer"、"CRM Applications Developer"、"Default Role"のロールでは、それぞれまったく異なる経験を得られます。

Tip of the Dayウィンドウを閉じます。

 

3.

ロードが終了すると、JDeveloper IDEが表示されます。最初にJDeveloperを開くと、Start Pageが表示されます。あとでStart Pageを再表示する場合は、「 Help」→「 Start Page」を選択します。

JDeveloperについて学習するためのさまざまなオプションが用意されています。これらのオプションを確認したら、タブ上の「 X」 をクリックしてStart Pageを閉じます(タブにマウスを合わせると、「 X」が表示されます)。

トピック・リストに戻る

初めてのアプリケーション作成

アプリケーションは、制御構造の最上位レベルです。これは作業 に必要なすべてのオブジェクトのビューになります。Javaプログラムの開発中は、アプリケーションによってプロジェクトが追跡されます。

アプリケーションは、 .jws拡張子のファイルとして 保存されます。JDeveloperを開くと、最後に使用したアプリケーションがデフォルトで開かれるため、作業を中止した場所から再開できます。

新規アプリケーションを作成する場合、テンプレートを使用してアプリケーションを作成できます。選択したアプリケーション・テンプレートによって、初期の プロジェクト構造が決定されます。これは、アプリケーション内の名前付きプロジェクト・フォルダです。

JDeveloperでは、常にアプリケーションに含まれるプロジェクトを使用して作業をおこないます。JDeveloperのプロジェクトは、関連する ファイルを論理的にグループ化します。ソース・コードのアクセス、変更、および再利用を簡単にするために、複数のプロジェクトをアプリケーションに追加で きます。

アプリケーション・ナビゲータはJDeveloperのメイン・ウィンドウであり、アプリケーションのコンポーネントにアクセスする際に使用します。アプ リケーション・ナビゲータの構造は階層化されており、アプリケーション、プロジェクト、イメージ、 .htmlファイルなどをサポートします。デフォルトでは、 JDeveloper IDEの左側にアプリケーション・ナビゲータが表示されます。

アプリケーションを作成するには、以下の手順に従います。

1.

アプリケーション・ナビゲータで「 New Application」リンクをクリックします。

 

2.

Create Applicationダイアログで、デフォルトのアプリケーション名を MyFirstApp に変更 します。アプリケーション名の変更に従って、ディレクトリ名も変更されることに注意してください。

 

3.

Application Templateペインを下方向にスクロールして、使用できるテンプレー トのリストを確認します。「 Generic Application」を選択して、すべてのJDeveloperテク ノロジーにアクセスする単一のプロジェクトでこのアプリケーションを構成します。

Next」をクリックします。

 

4.

この新しい手順で、デフォルトのProject Nameを MyProject に変更して、「 Finish」 をクリックします。

 

5.

アプリケーション・ナビゲータでは、プロジェクトは階層内の2番目のレベルとして、アプリケーションの下に表示されます。アプリケー ション・ナビゲータは、次のようになります。

プロジェクト・フォルダはアプリケーション・フォルダの子オブジェクトであることに注意してくださ い。

 

6.

Visual Editorは、JDeveloperの各カテゴリの情報を表示します。また、各カテゴリ最下部のリンクからは、より詳しい情報が提供されます。

 

7.

アプリケーション・ナビゲータ内で、ペインのアコーディオン・タイプに相当する3つのタ イトルを確認します。

 

8.

アコーディオン・タイトルをクリックして開きます。

 

9.

開いたアコーディオンのタイトル・バーをクリックして閉じます。

 

10.

Structureペインや Resources Paletteなど、JDeveloperのほかのペインでも、アコーディオンを使用できます。

トピック・リストに戻る

初めてのJavaクラス 作成

新しいJavaクラスを作成するには、以下の手順に従います。

1.

アプリケーション・ナビゲータで、「 MyProject」ノードを右クリックして、コンテキスト・ メニューから「 New...」を選択します。

 

2.

New Galleryが表示されます。デフォルトでは、カテゴリ・リストの最初のカテゴリであるGeneralが選択されています。異なるテクノロジーを使用し て、アプリケーションのさまざまな階層を作成できるように、複数のカテゴリが用意されています。

Generalカテゴリの左側にある「 」サインをクリックし て、使用できるサブカテゴリについて確認します。

Java」ノードを選択し、ウィンドウの右側にある項目リストから「 Java Class」を選択します。 「 OK」をクリックします。


3.

Create Java Classダイアログで、デフォルト名を Dog に変更します。

アプリケーションの作成時にパッケージ名を指定していないため、パッケージ名にはデフォルトで小文字のプロジェクト名が使用されていま す。必要に応じて、このプロジェクト名を変更できますが、このチュートリアルでは変更する必要はありません。

そのほかはすべてデフォルトのままで、「 OK」をクリックします。

 

4.

ソース・エディタ内に新しいクラスが自動的に開き、クラス定義のスケルトンが表示されます。

クラスにメソッドを追加します。コンストラクタのあと[ Enter] を 押して新しい行を作成し、次のコードを入力します。

public String sayHi()

入力した行の下に赤い波線が表示され、構文に問題があることを示します。また、ソース・エディタの右側の余白に赤色の四角いマークが表 示されます。これらの四角いマークや赤い波線にマウスを合わせると、ツールチップによってエラーに関する情報が表示されます。このチュートリアル内のコー ド・アシストの使用においても、同様の例が確認できます。

 

5.

行の最後で[ Ctrl]と[ Shift]を押しながら[ Enter] を押すと、JDeveloperによってメソッド構造が自動的に完了し、いくつかのエラー表示が消失します。ただし、まだ完全ではない構文がある場合、い くつかのエラー表示は残ります。

SourceComplete Statementメニュー・オプションからも自動完了機能にアクセスできます。


6.

不足しているreturn文を追加します。

メソッドに追加された{}(中かっこ)内の空白行に、次のコードを追加します。

return " woof " + "Kate";

最初の2重引用符記号(")を入力すると、JDeveloperによって自動的に2番目の2重引用符が表示されてカーソルが囲まれるた め、リテラルを簡単に入力できます。構文エラーがないことを意味する緑色の四角いマークが、右上の余白に表示されることを確認してください。

トピック・リストに戻る

ソー ス・エディタを使用したJavaクラスの開発

エディタは、ほとんどのアプリケーション開発作業をおこなう場所です。ここでコードを記述し、ユー ザー・インタフェースを設計します。このトピックでは、Javaソース・エディタのいくつかの機能について確認していきます。

 コード・テ ンプレートの使用
 Javaクラスのコンパイルと実行
 コード・アシストの使用
 コードの検索およびハイライト
 コードのリファクタリング
 コード変更履歴の表示
 コード内のナビゲート

コード・テンプレートの 使用

コード・テンプレートは、ソース・エディタ内でのコーディングをより効率良く、また迅速にする機能 です。既存のテンプレートを編集することも、独自のテンプレートを作成することもできます。このトピックでは、 Dogク ラスを使用して、既存のコード・テンプレートを使用する方法について説明します。

1.

Javaクラスには、 mainメ ソッドを追加するコード・テンプレートがあります。
sayHi()メソッドのあと[ Enter] を押し、新しい行を作成します。 文字 m を 入力して、[ Ctrl]を押しながら[ Enter]を押し、コード・テンプレート を起動します。

mainメソッドのテンプレートが 提示されます。

 

2.

再度[ Enter]を押して提示を受け入れ、テンプレートを組み込みます。


3.

以下のコードを追加して、 main メ ソッド内に Dogオブジェクトを作成します。

Dog myDog = new Dog();

myDog変数にマウスを合わせると、変数が使用されていないことを知らせ るツールチップが表示されます。

このチュートリアル内のコード・アシストの使用においても、同様の例が確認できます。

 

4.

新しい行を追加し、[ Ctrl]を押しながら[ Enter]を 押して、使用できるコード・テンプレートのリストを表示します。

 

5.

forタイプのコード・テンプレートを使用して、整数ベースのループを作成する ことにします。 fo と 入力して、リストを制限します。

3つのテンプレートが提示されます。

 

6.

提示された3つのうち、2番目のテンプレートである「 fori integer based loop」 をダブルクリックして選択します。

テンプレート・コードがファイルに組み込まれます。

 

7.

テンプレート・コードを修正します。
i count に変更します。ループ内の最初の変数名 iを変更すると、すべての個所が変更されることに注意してください。

ループの反復を 3回までに制限します。

 

8.

System.out.println文 を入力します。
forループの{}(中かっこ)内の空白行にカーソルを置いて、 System. と入力します(単語の末尾にかならずドットを追加して ください)。提示されるコードのリストが表示されます。

文字 o を 入力してから、[ Enter]を押して提示された out コードを選択します。

. (ドッ ト)を入力し、提示されるコード・リストが表示されたら、文字 p を入力し、提示されたコー ド「 println() 」 をダブルクリックします。

注: System.out.println()文 を素早く入力するには、 sop と入力し、[ Ctrl] を押しながら[ Enter]を押します。上記のテクニックは、コードを完了させる方法です。

 

9.

ループを使用して sayHiメッセージを表示するように、コードを追加しま す。()(丸かっこ)の中で、 printlnのあとに count + myDog.sayHi()コードを入力しま す。 count + myDog. の 入力を開始し、リストから「 sayHi 」 メソッドを選択します。

行は次のようになります。

System.out.println(count + myDog.sayHi());

 

10.

エディタ・ビュー内で右クリックして「 Reformat」 を選択し、JDeveloperによるコードの再編成をおこないます。

 

11.

コードは次のようになります。

 

12.

変更を保存します。「 File」→「 Save All」を選択 するか、ツールバーのSave Allボタン「  」をクリックします。

トピックに戻る

Javaクラスのコンパイ ルと実行

.javaファイルのコンパイルが正しく完了する と、プロジェクトの \srcディレクトリ内に .classファ イルが作成されます。また、JDeveloperでクラスをコンパイルすると、 .javaファ イルが自動的に保存されます。クラスを実行すると、自動的にクラスがコンパイルされて保存されます。

1.

アプリケーション・ナビゲータまたはソース・エディタで「 Dog.java 」を右ク リックし、コンテキスト・メニューから「 Make」を選択します。

 

2.

JDeveloper IDEの右下に表示されるログ・ウィンドウに、コンパイルが正しく完了したことが表示されます。ログ・ウィンドウが表示されない場合、「 View」 →「 Log」を使用します(または、[ Ctrl]と[ Shift] を押しながら[ L]を押します)。

Makeオプションを使用してクラスをコンパイルすると、JDeveloperによってプロジェクト内のすべてのファイルが保存されま す。

 

3.

アプリケーション・ナビゲータまたはソース・エディタで「 Dog.java 」を右ク リックし、今回はコンテキスト・メニューから「 Run」を選択します。

.

4.

ログ・ウィンドウに、' woof Kate'メッセージが3回表示されます。

トピックに戻る

コード・アシストの使用

コード・アシストは、エディタ内のコードを確認し、一般的な問題の修正を支援します。ここでは、 Dogクラスを使用して表示される提案の例について確認していきます。

1.

Catオブジェクトを作成します。

mainメソッドの開始位置で、最 初の{}(中かっこ)のあとで[ Enter]を押して新しい行を作成します。新しい行に、次のコードを入力します。

Cat myCat = new Cat();

 

2.

赤い波線およびマージン・インジケータが再度表示されていることを確認してください。マージン・インジケータにカーソルを置くと、コー ド・ポップアップ・ウィンドウで問題の詳細が表示されます。

ポップアップ・ボックスが表示され、問題の詳細と同時に問題のある行が示されることを確認してください。


3.

'cat'行の左側の余白にある電球マークにカーソルを合わせます。この行に対する'クイック修正とコード・アシスト'が提供可能であることを示すメッ セージが表示されます。

 

4.

詳細を表示するためにアイコンをクリックします。

Catオブジェクトをインスタンス 化するには、 Catクラスが必要です。最初の提案をク リックすると、JDeveloperは Catという名 前のクラスを作成します。

Catクラスの作成をすぐに実行しない場合は、以下のようにタスクを設定し、あとで作成するようにしてください。 new Cat();のあとで[ Enter]を押して、新しい行を開 き、次のコードを追加します。

//TODO create a Cat class


5.

View」→「 Tasks」を選択して、作成したタスクのリ ストを表示します。


6.

タスク・ウィンドウには、作成したタスクのリストが表示されます(この例では、これが唯一のタスクです)。


7.

リスト内のタスクをダブルクリックすると、JDeveloperによって関連タスクが表示され、その行の初めにカーソルが挿入されま す。


8.

エディタの右上の余白にピンク色のマーカーが表示されていることを確認してください。これは、タスクを作成した場所を示しています。マ ウスを操作して、そのマークの上にマーカーを合わせると、タスクの内容が表示されます。


9.

Catオブジェクトを作成する行をコメント・アウトします。赤色のマークが 消え、緑色のマークへ変わったことに注目してください。このマークは、コード内にエラーがないことを表示します。


10.

コード・エディタの新しいツールバーを確認してください。

クラスに変数を2つ追加します。 [ Enter] を押し、クラス宣言のあとに 新しい行を作成します。次のように2つの変数を宣言します。

String name;
int age;

 

11.

コード・エディタで右クリックして、コンテキストから「 Generate Accessors」オプションを選択します。

コード・エディタ・ツールバーの Generate Accessorsアイコンからも Generate Accessorsオプションを 使用できます。

 

12.

Generate Accessorsダイアログで、2つの変数に対するGetterメソッドおよびSetterメソッドを 生成する Dogボックスを選択 します。

メソッドのスコープを定義したり、リスナーの使用や新しい値の確認など、ほかのプロパ ティの実装をSetterメソッドに定義したりできます。

OK」をクリックします。GetterメソッドおよびSetterメソッドがDogクラス内に生 成されます。

 

13.

コード・エディタの中を右クリックし、コンテキストから「 Source」→「 Generate Constructor from Fields」を選択します。

 

14.

Generate Constructor from Fieldsダイアログで、両方のフィールドを選択して、「 OK」 をクリックします。

 

15.

新しいコンストラクタ・メソッドがコードに追加されます。

 

16.

このコンストラクタ・メソッドは必要ないので、「 Undo」ボタンをクリックします。

トピックに戻る

コードの検索およびハ イライト

コード・エディタで、テキストを検索して検索基準のすべての該当個所を表示できます。オブジェクト のすべての該当個所を取得するハイライト機能も使用できます。

1.

Search/Codeハイライト機能を使用します。コード・エディタ・ツールバーの左にある Searchボッ クスに nameと入力します。 カーソル位置がコード・エディタ内でハイライト表示されたあと、最初のnameインスタンスが検索されます。

 

2.

'下'矢印をクリックして、次の該当する文字列に移動します。

 

3.

双眼鏡アイコンをクリックして追加オプションにアクセスし、「 Highlight Occurrences」オプションを選択します。 矢印をクリックして、すべての該当個所を ハイライトします。

検索機能によってコードのすべての該当する文字列が取得されていることを確認します。

 

4.

エディタ・ツールバーの「 Clear All Highlighting」アイコンをクリックしま す。

 

5.

Searchフィールドから name を 削除します。

 

6.

メニューで、「 Search」→「 Auto Code Highlight」 を選択します。

 

7.

コード・エディタにおいて、 setAge メ ソッドの age パ ラメータをクリックします。ハイライトされている個所が同じセマンティック・オブジェクトに制限されるので注意してください。age変数が除外されます。

 

8.

setAgeメソッドの age 変数を選択して、その 変数のすべての該当個所をハイライトします。

 

9.

右の余白で、マウスを 上部の黄色マーカーの上に合わ せて、コードを表示します。

 

10.

この 黄色のマーカーをダブルクリックします。これに よって、ソース・エディタの対応する場所に移動します。

 

11.

JDeveloperを構成して、'ghost'ウィンドウでの追加情報の表示を許可します。メイン・メニューから「 Tools」 →「 Preferences」を選択します。

 

12.

Preferencesダイアログで、「 Code Editor」ノードを展開して、「 Display」 を選択します。 Quick Peek Activationのリストでは、デフォルトでMouse Move then Shiftが選択されています。 そうでない場合は、「 Mouse Move then Shift」を選 択してください。

OK」をクリックします。

 

13.

変数の定義やメソッドは、ほかのファイルへ移動させたり新しいエディタを開いたりするこ となく表示できます。[ Shift]キーを押しながら変数やメソッドにカーソルを合わせると、その定義 をghostウィンドウで確認できます。 この機能はコードをすばやく確認するのに便利です。作業中のコードに対するカーソル・フォーカスを外す必要はありません。
構造ペインで、いずれかのノードの上にマウスを移動して、[ Shift] を押します。このように、クラス構造からコードの最初の構造を表示することもできます。

ショートカット・キーを離すと、ghostウィンドウが閉じます。

 

14.

ソース・エディタ・ウィンドウに戻って、 System.out.println(count + myDog.sayHi());の sayHi メ ソッドの上にマウスを合わせて、[ Ctrl]を押しながら[ 1]を押します。メ ソッドの定義が表示されます。

 

15.

コード・エディタ・ツールバーの「 Reformat」アイコンをクリックし、コードを再フォーマッ トします。

 

トピックに戻る

コードのリファクタリ ング

リファクタリングは、プログラムの動作を変更せずにコードの構造を修正する編集テクニックです。リ ファクタリング処理は、
コンパイルや実行を正しくおこないながらプログラム・コードを変形させる、シンプルな編集の手順です。
JDeveloperでは、一連のリファクタリング処理を提供しています。

1.

リファクタリング処理の1つの例として、メソッド内の定数表現をメソッド・パラメータで置き換える処理があります。定数表現は、パラ メータ名で置き換えられます。新しいパラメータがメソッドのパラメータ・リストと、すべてのメソッド起動個所に追加されます。

これを Dogクラスで実行するには、 sayHi()メソッドにおいて、リテラルである「 "Kate"」 を右クリックし、コンテキスト・メニューから「 Refactor」→「 Introduce Parameter...」を選択します。

 

2.

Introduce Parameterダイアログで、「 Name」フィールドに name と 入力し、「 OK」をクリックします。


3.

コードを調べて、リファクタ処理の結果を確認します。メソッド宣言のパラメータ・リストに String name が含まれており、メ ソッドの戻り値内のリテラルである"Kate"は name で置き換えられてい ます。また、リテラル"Kate"は、メソッド・コールのパラメータとして挿入されています。

 

4.

そのほかのリファクタリング処理では、既存クラス内で選択したメソッドから新規インタフェースを作成します。

Dogクラスでこれを実行するには、「 Dog class declaration method 」 を右クリックし、コンテキスト・メニューから「 Refactor」→「 Extract Interface...」を選択します。

 

5.

Extract Interfaceダイアログで、インタフェース名として IntAnimal を入力 し、 Extract Interfaceリスト内の「 sayHi(String) 」メソッドを選択 します。 「 OK」をクリックします。

 

6.

IntAnimalインタフェースが作成され、ソース・エディタで開かれま す。

 

7.

簡単なリファクタリング処理の別な例として、名前の変更があります。この処理を利用すると、すべての個所のメソッド名が新しい名前で置 き換えられます。

IntAnimalインタフェースでこれを実行するには、 sayHi() メソッド内で右クリックし、コ ンテキスト・メニューから「 Refactor」→「 Rename」を選択します。

 

8.

Rename Methodダイアログで、メソッド名 sayHi sayHowDoYouDo に変更します。 「 Preview」 チェック・ボックスにチェックを入れ、名前の変更の影響を受ける個所のリストを表示します。 「 OK」をクリックしま す。

 

9.

ログ・ウィンドウが表示され、 sayHi()メ ソッドが使用されているすべての個所のリストが表示されます。すべての使用個所を調べて、 sayHi()を sayHowDoYouDo()に変更したいかどうかを確認しま す。 すべて変更する場合は、ログ・ウィンドウのツールバーにある「 Do Refactoring」ボタンをクリック します。

 

10.

IntAnimalインタフェース内で、名前の変更が実行されていることに 注意してください。

 

11.

また、 Dogクラス内でも名前が変更されています。

 

12.

Navigateメニュー・オプションを選択します。Backオプションを使用して、前の場所に戻ることができます。

Backボタンを使用して、ツールバーからもこのオプションを使用できます。Backボタンの横の 下矢印をクリックすると、ナビゲーションの履歴が表示されます。

 

13.

メニューから「 Search」→「 Auto Code Highlight」 を選択して、このオプションを無効にします。コード・エディタ・ツールバーの「 Clear All Highlighting」 アイコンをクリックします。

トピックに戻る

コード変更履歴の表示

JDeveloperには、履歴機能が組み込まれています。このローカルの履歴では、バージョン管 理システムなしで、最近の変更履歴を表示し、バージョン間の"差分"をビジュアル化できます。バージョンは、保存、コンパイル、名前の変更など、ユー ザー・インタラクションに基づいて自動的に作成されます。

1.

エディタ・ウィンドウの下部にある3つのタブに注目してください。「 History」タブをクリッ クします。

 

2.

Historyウィンドウが表示されます。修正と日付のリストがウィンドウの最上部に表示され、コードに対する変更のリストは下部に表示されています。2 つのウィンドウは同期しているため、ウィンドウの下部に表示される情報は、上のリストで選択した内容と一致します。

選択した日付と時間の修正をまとめたものが、IDEの最下部のステータス行に表示されます。この例では、 6 differences: 3 added, 0 removed, 3 changedです。


3.

薄紫色のボックスは、コードに対する変更を表示します。

ウィンドウ上部で、リストの一番上部近くにある「 Introduce Parameter」を選択 します。

エディタの左下部分で、 sayHi()メ ソッド宣言を含む薄紫色のボックス内にある、 緑色の右向き矢印にマウスを合わせます。メッセージが表示され、緑色の矢 印をクリックすると直前の変更が置き換わることに注意してください。ここでは、緑色の矢印をクリックすると、 sayHowDoYouDo()メソッドが sayHi()に戻ります。ここでは元に戻さないでください。

 

4.

緑色のボックスは、コードに対する追加を表示します。

ウィンドウ上部で、リストの最下部近くにある「 Load External State」を選択し ます。

ウィンドウの右下に表示された緑のボックスで、 //Cat myCat = new Cat();行 を選択します。赤の「 X」マークにマウスを合わせます。追加を削除するため「 X」をクリックするように 指示するメッセージに注目してください。

トピックに戻る

コード内のナビゲート

JDeveloperでは、関連するコードやJavadocへ簡単に移動でき、コード内のセクションの展開およ び収縮がおこなえるため、大きなプログラムにおけるナビゲーションが容易になります。これらの機能を確認するには、以下の手順に従います。

1.

エディタで、 Dog.java ファイル の「 Source」タブをクリックします。

コード内のある部分から、関連するほかの部分へとナビゲートできます。1つの例としては、メソッドからインタフェース内でのメソッド宣 言へのナビゲートがあります。

インタフェースの宣言を実装するメソッドには、左側の余白にコールアウト・アイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、メ ソッドが宣言されている個所に移動します。

Dog.javaファイル内の sayHowDoYouDo()メソッドの横に表示されている 矢印アイコンをクリックします。

 

2.

JDeveloperによって、 IntAnimalインタフェースのメソッ ド宣言個所に移動し、適切な行がハイライトされます。


3.

Dogクラス内の元の場所に戻るには、ツールバーに表示されている緑の「 Back」 ボタンをクリックします。

[Alt]を押しながら 左矢印または 右矢印の キーを押して、前後に移動することもできます。

 

4.

また、特定の要素に対するJavadocへ移動することもできます。エディタの Dog.java ファイルで、 sayHowDoYouDo()メソッド内を右クリックします。 コンテキスト・メニューから「 Quick Javadoc」を選択します。


5.

Javadocポップアップ・ウィンドウに選択したメソッドの追加情報が表示されます。


6.

String」リンクをクリックして、Stringクラスの詳細情報を取得します。

コード・エディタ・ウィンドウ内をクリックして、doc 'ghost'ウィンドウを閉じます。

 

7.

[ Ctrl]を押しながら[ -](マイナス)キーを押して、 Go to Java Classダイアログをポップアップ表示します。選択したクラスのSourceまたはJavadoc情報を表示できます。

Nameフィールドに Stringと入力し、ハイライトされている String(java.lang)を 入力します。

 

8.

エディタで Stringクラスのソース・コードが開きます。

String.java」タブを閉じます。

 

9.

コードの折りたたみ機能を利用すると、コード内のセクションを展開および収縮できるので、サイズの大きなプログラムの管理が容易になり ます。

Cat行の左側にある、点線と実線の間の余白にマウスを合わせます。

mainメソッド本体の横に、青色の縦線が表示されることに注目してください。


10.

青色の縦線の最上部に表示される「マイナス( - )」 サインをクリックし、このセクションを縮小します。


11.

縮小されたセクションの横に表示された「プラス( + )」 サインにマウスを合わせます。 縮小されたコードが、青色で縁取られたボックスに表示されます。

 

12.

新しいQuick Outline Navigatorにより、クラスとそのスーパークラスのメソッドおよびフィールドへの素早い移動が可能になります。

コード・エディタのツールバーにある「 Quick Outline」アイコンをクリックします。

Quick Outlineの'ghost'ウィンドウが表示されます。

 

13.

Show Methods」アイコン(左側から1番目のアイコン)をクリックし、Dogクラス内のすべてのメソッドを 表示します。

 

14.

フィールドに geと入力して、フィルタリングしま す。

 

15.

下矢印のキーかマウスを使用して「 getName()」 メソッドを選択し、[ Enter]を押します。

これは、参照しているクラスの組込みナビ ゲーションを提供する新機能です。

 

16.

コード・エディタに戻って、 main() {...} メソッドの省略記号の中をダブルクリックします。JDeveloperは、折りたたまれているコードを開きま す。

トピックに戻る

トピック・リストに戻る

Java プログラムのデバッグ

JDeveloperに組み込まれたデバッガを使用すると、ソース・エディタ内でJavaプログラムのデ バッグがおこなえます。このトピックでは、ブレーク・ポイントの設定によって、プログラムの実行を制御する方法について説明します。
実行中のプログラムがブレーク・ポイントを発見すると、プログラムは実行を停止し、デバッガによってソース・エディタ内のブレーク・ポイントを含む行が表 示されます。
ここで、デバッガを使用してプログラムの状態を参照できます。

1.

Dog.javaファイルにブレー ク・ポイントを設定します。実行するには、
System.out.println(count + myDog.sayHowDoYouDo("Kate"));
行の左側の 余白をクリックします。

赤い丸印のブレーク・ポイント・アイコンが余白に表示されます。

 

2.

ソース・エディタ内で右クリックし、コンテキスト・メニューから「 Debug」を選択します。

 

3.

プログラムの実行は、ブレーク・ポイントまで進みます。 ソース・エディタの左側の余白に表示される赤の矢印は、ブレークの発生を表示します。 デバッガ・ウィンドウが開き、デバッギング・トレースが表示されます。


4.

ツールバーの「 Step Over」アイコンをクリックして、 myDog.sayHowDoYouDo()メソッドの最初の反 復を実行します。


5.

ログ・ウィンドウの下部の「 Debugging: MyProject.jpr」タブをクリック し、デバッガ・ウィンドウの「 Log」タブをクリックします。ログ・ウィンドウに、1回目のwoof Kateメッセージが表示されます。


6

Debugging Logタブ右部の Smart Dataウィンドウに注目してください。「 count 」変数を選択してから、「 Value」 列をダブルクリックして、 Modify Valueダイアログを表示します。


7.

新しい値として、 2 を入力します。 「 OK」 をクリックします。


8.

ツールバーで、「 Resume」をクリックしてプログラム実行を継続します。


9.

count変数がインクリメントされて上限を超えたため、プログラムは終了 し、デバッガは切断されます。


トピック・リストに戻る

ファイ ルの管理

統合されたJDeveloperツールを使用して、現在のアプリケーションまたは複数のアプリケーション に属するファイルの検索を実行できます。これらの機能を試すには、以下の手順に従います。

1.

メニューから「 Application」→「 Find Application Files」を選択します。

 

2.

File Listタブで、 Look inフィールドを使用し て検索の範囲を選択します。「 All Projects」を選択します。

 

3.

File Extension」を選択し、 .javaを入力 してこのタイプのすべてのファイルを取得します。次に、「 Search」をクリックします。


4.

Resultsウィンドウに基準と一致するファイル名が返されます。

リストからいずれかのファイル名をクリックして、エディタでファイルを開きます。


5.

Match論理演算子とともに  記号を使用して、複雑な検索基準を示すことができます。


6.

また、アプリケーション・ナビゲータから最近使用したファイルを取得できます。「 Recently Opened Files」をクリックして、アコーディオンをデプロイします。


7.

Javaクラスを取得するには、[ Ctrl]を押しながら[ -] を押して、ダイアログを開きます。

 

8.

Nameフィールドに Intと入力し、リストから「 IntAnimal.java」 を選択して、[ Enter]を押します。

 

9.

ファイルを取得するには、[ Ctrl]と[ Alt]を押しなが ら[ -]を押して、ダイアログを開きます。File Nameフィールドに Dと入 力し、リストから「 Dog.java」を選択して、[ Enter]を押します。

トピック・リストに戻る

まとめ

このチュートリアルでは、JDeveloper IDEを使用した基本的なプログラミングについて確認しました。1つのアプリケーションと1つのプロジェクト、および1つのJavaクラスを作成しまし た。さらに、このクラスを使用してJava IDEの数々の機能を確認しました。確認した機能には、コード・テンプレートの組込み、コード・アシストの使用、リファクタリング、コード変更履歴の表示 などが含まれます。最後に、組込みデバッガを使用してプログラムをデバッグする方法について確認しました。

このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。

 JDeveloperを使用した新規アプリケーションとプロジェクトの作成
 新規Javaクラスの 作成
 Java IDEの生産性向上ツールおよびコード・アシスト機能の活用
 Javaコード・デ バッガの使用
 ファイルの取得

トピック・リストに戻る

 このアイコンの上にカーソルを置くと、すべてのスクリーンショットが非表示になります。