Oracle TimesTen In-Memory Database(TimesTen 18.1のTimesTen Classic)は、メモリが最適化されたリレーショナル・データベースであり、幅広い業種の多数のアプリケーションに求められる、極めて短いレスポンス時間と非常に高いスループットを提供します(製品データ・シート)。
Oracle TimesTen In-Memory Databaseは、実行時のデータ格納場所に関する前提を変えることで、リアルタイムのパフォーマンスを実現します。メモリ内でデータを管理し、データ構造とアクセス・アルゴリズムを適宜最適化することで、データベースの処理がもっとも効率的に実行されます。これによって、完全にキャッシュした状態のディスクベースのRDBMSと比較しても、応答性とスループットが劇的に向上します。Oracle TimesTenは、アプリケーション内に組み込んで、プロセス間通信やネットワーク・オーバーヘッドを排除できるため、データベース処理のパフォーマンスをさらに向上できます。
TimesTenは通常、行レベルのロックや読取りコミット済みの分離レベルを使用するマルチユーザーおよびマルチスレッド・アプリケーションとともにデプロイされます。アプリケーションは、標準SQLを使用して、JDBC、ODBC、ODP.NET、OCI(Oracle Call Interface)、Pro*C/C++、Oracle PL/SQLといったプログラミング・インタフェース経由でOracle TimesTenデータベースにアクセスします。Oracle TimesTenがアプリケーション・プロセス内で実行されている場合に(「ダイレクト・モード」)、最善のレスポンス時間が達成されます。一方、データベースが多数のサーバー上で実行されている複数のアプリケーションによって共有されている場合は、通常は従来のクライアント/サーバー・アクセスが使用されます。
Oracle TimesTenデータベースには、永続性とリカバリ可能性があります。永続性は、トランザクション・ロギングとディスクへのデータベースのチェックポイント機能を組み合わせることで実現されます。
高可用性は、Oracle TimesTenデータベース間のトランザクションをリアルタイムにレプリケートするTimesTenレプリケーションを使用して提供されます。TimesTenアプリケーションのミッションクリティカルな性質から、大半の企業のデプロイメントでは、可用性とディザスタ・リカバリのためにTimesTenレプリケーションが使用されます。たとえば、オンライン課金、サブスクライバ・セッション管理、E-Commerceオンライン・ストア、旅行および予約Webサイトなど、通信やWeb経由でアクセスできるグローバル・システムでは、アプリケーションやサーバーの停止時間は許容されません。また、金融サービスや証券取引のシステムは、金融市場が開いている間は常に利用できる必要があります。
TimesTenレプリケーションは、メモリが最適化されたトランザクション・ログベースのレプリケーション・テクノロジーと、効率的なストリームベースのネットワーク・プロトコルを使用して、高いパフォーマンス、信頼性、堅牢性を実現します。おもな機能は次のとおりです。
既存のデータがすでにOracle Databaseに格納されているアプリケーションでは、パフォーマンス・クリティカルなデータのサブセットをOracle TimesTen In-Memory Databaseにキャッシュすると、アプリケーション・トランザクションのレスポンス時間が向上します。詳しくは、こちらでTimesTen Application-Tier Database Cacheの概要を参照してください。
TimesTen 18.1では、TimesTen ClassicおよびTimesTen Scaleoutの双方がサポートされますが、初期リリース(18.1.1)では、TimesTen Scaleoutのみがサポートされます。TimesTen Application-Tier Database Cacheを含むTimesTen Classicのサポートは、今後リリースされるパッチセットで改めて導入される予定です。