SOA Suiteロゴ

Oracle SOA Suite 11g Release 1(11.1.1.6.0)の新機能



更新: 2012年2月

Oracle SOA Suiteドキュメントのページへ


はじめに

Oracle SOA Suite 11g Release 1(11.1.1.6.0)には、バグ修正に加えて次の新機能が含まれています。各機能について、詳しくはそれぞれのタイトルをクリックしてください。

Oracle SOA Suiteに関するダウンロード、ドキュメント・リンク、および追加情報はOTNのSOA Suiteのページで入手できます。また、SOAのOTNフォーラムにフィードバックをお寄せください。

このリリースでのOracle SOA Suiteの新機能
 

認定規格

BPELコンポーネント

  • BPELプロセスの作成時に設定できる新しい配信プロパティとトランザクション・プロパティ
    これらの構成プロパティはBPELプロセスの動作に大きく影響します。 今回、JDeveloper内のBPELコンポーネント作成プロセスの一部として、これらのプロパティを設定できるようになりました。 ウィザードにこれらのプロパティが表示され、コンテキストに基づくデフォルト値が設定されます。 たとえば、oneWayDeliveryPolicyプロパティは一方向のプロセスの場合にのみ表示され、トランザクション・プロパティは同期プロセスの場合にのみ表示されます。

    配信: 設定できる値は次のとおりです。
    • async.persist: システムへのメッセージが、サービス・エンジンで取得される前に配信ストアに保存されます。
    • async.cache: システムへのメッセージが、サービス・エンジンで取得される前にメモリに保存されます。
    • sync: インスタンス起動メッセージは配信レイヤーに一時的に保存されません。 サービス・エンジンは同じスレッドを使用してメッセージを起動します。
    トランザクション: 設定できる値は次のとおりです。
    • requiresNew: 実行のために新規トランザクションが作成され、既存のトランザクションがある場合はそのトランザクションが一時停止されます。 この動作は、リクエスト/レスポンス(起動)環境、および「配信」リスト値(oneWayDeliveryPolicyプロパティ)がsyncに設定されている一方向起動環境の両方に適用されます。
    • required: リクエスト/レスポンス(起動)環境では、この設定によって、トランザクションがある場合はコール元トランザクションが結合され、トランザクションがない場合は新規トランザクションが作成されます。 「配信」リスト値(oneWayDeliveryPolicyプロパティ)がsyncに設定されている一方向起動環境では、起動メッセージは、同じトランザクションの同一スレッドを使用して処理されます。
  • BPEL 1.1および2.0(新規)プロセスの動的パートナ・リンク
    動的パートナ・リンク機能を使用すると、エンドポイント参照をパートナ・リンクに動的に割り当てて実行時に使用できますが、この機能がBPEL 2.0プロセスでも使用できるようになりました。
  • 新しい集約機能: 同一インスタンスへのメッセージのルーティング
    複数のメッセージが同じプロセス/パートナ・リンク/操作名にルーティングされる場合、最初のメッセージは新規インスタンスを作成するためにルーティングされ、後続のメッセージは作成済みのインスタンスを続行するために中間プロセスのreceiveアクティビティを使用してルーティングできます。
    メッセージを集約すると、同じ操作(またはイベント名)をreceiveアクティビティのエントリおよび中間プロセスのreceiveアクティビティで使用できます。
  • BPEL 1.1および2.0(新規)のアクティビティの実行をバイパスするためのXPath式の指定
    この拡張機能を使用すると、BPELバージョン1.1および2.0のアクティビティにXPath式を指定して、trueと評価された場合にそのアクティビティをスキップさせることができます。 この機能は、アクティビティを条件付きで実行するために使用するswitchアクティビティの代替手段として提供されています。
  • BPEL 1.1および2.0(新規)でのアサーション条件によるフォルトのスロー
    リクエスト/レスポンスのinvokeアクティビティ、receiveアクティビティ、replyアクティビティ、およびpickアクティビティとscopeアクティビティのonMessageブランチで、コールバック・メッセージの受信時に実行されるBPELバージョン1.1および2.0にアサーション条件を指定できます。 アサーションにはXPath式を指定し、これがfalseと評価されると、アクティビティからBPELフォルトがスローされます。 この条件は、パートナ・コールバック後に多数のswitch、assignおよびthrowアクティビティを作成する可能性がある場合の代替手段として提供されています。
    条件を実行するタイミングを次の中から選択できます。
    • Preassert: この条件は、invokeアクティビティまたはreplyアクティビティがアウトバウンド・メッセージを送信する前に実行されます。
    • Postassert: この条件は、invokeアクティビティ、receiveアクティビティまたはonMessageブランチがインバウンド・メッセージを受信した後に実行されます。
  • BPEL 1.1.および2.0(新規)におけるreceiveアクティビティのリクエスト/リプライ操作および入力専用操作に対するタイムアウトの設定
    BPELバージョン1.1および2.0における次のタイプの操作に対して、タイムアウト設定を指定できます。
    • リクエスト/リプライ(同期)操作。
    • 入力専用receive(非同期)操作。 このシナリオでは、receiveアクティビティは中間プロセスのアクティビティであり、かつ、新しいインスタンスを作成する(つまり、Receiveダイアログの「インスタンスの作成」チェック・ボックスが選択されている)アクティビティではない必要があります。
  • BPELプロセス・サービス・コンポーネントのテスト
    新規または既存のSOAコンポジット・アプリケーションのテスト・スイートに含まれている、個別のBPELプロセス・サービス・コンポーネントのテストを自動化できます。 本番環境にデプロイする前に、これらのテスト・ケースを使用して、BPELプロセスとそのWebサービス・パートナの間の相互作用をシミュレートできます。 これにより、本番環境へのデプロイメントの準備が完了するまでに、BPELプロセスとWebサービス・パートナの相互作用が期待どおりであるかを確認できます。
    • BPELプロセスのアクティビティに対して、変数アサーションおよびフォルト・アサーションを作成できます。
    • 早送りアクションを使用すると、waitアクティビティをバイパスして、テスト・シナリオを進める時間を指定できます。
  • BPELプロジェクトでのアクティビティのコピーおよび貼付け
    同じBPELプロジェクト内またはBPELプロジェクト間で、アクティビティをコピーして貼り付けることができます。 これにより、類似したアクティビティ全体を何度も作成する必要がなくなります。 アクティビティを1回設計して、必要に応じて編集し、複数の場所で使用できます。

Oracle Human Workflow

Oracle Business Rules

  • 新しいルール構造
    この機能により、if-then-else、-elseif、while、do-whileの各ルール・プログラミング構造が追加されます。
  • デシジョン関数のアクション表のサポートの追加
    設計者は、ルールセットを実行する前に必要な実行パラメータを、「デシジョン関数」ダイアログのアクション表を使用して設定できます。
  • コンポーザでのルールの操作性改善
    コンポーザのデシジョン表が変更され、パフォーマンスが向上すると同時に、大きな表をスクロールする際の操作性が改善されました。

アダプタとバインディング

  • DBおよびFile/FTPアダプタの最適化
    • DBアダプタによるCoherenceの統合
      • Coherence中継キャッシュ経由の読取り/書込みパフォーマンスが向上しました。
      • 大量のレコードをデータベースに書き込む際に役立ちます。
      • 主キーによる問合せのパフォーマンスが向上しました。

Oracle Enterprise Manager(FMWコントロール)

  • スタックしたBPELメッセージについてのアラート
    非同期BPELプロセスのスタック・メッセージがある場合に、アラートが表示されます。 スタック・メッセージの識別には、構成可能なグローバルな時刻しきい値が使用されます。 アラートは、soa-infra、コンポジット・フロー・トレース(PS4以降で利用可能)といった複数レベルで表示されます。 このアラートから、スタック・メッセージに関する追加情報とBPELリカバリ・コンソールへのリンクを取得できます。 BPELメッセージ・リカバリ・アラートは、システム全体のMBeanプロパティを介して有効化/無効化できます。
  • フォルト分析およびリカバリの操作性の向上
    • コンポジット・インスタンスの状態が3つのディメンションに従って、分かりやすく表示されます。 3つのディメンションとは、 実行状態、フォルト・ステータス、要リカバリ・ステータスです。
    • コンポジット・インスタンスの検索条件が強化されました。 実行状態およびフォルト状態に基づくフィルタの組み合わせを、検索に適用できるようになりました。 スタックBPELメッセージがあるインスタンスに検索をフィルタできます。

サービス・インフラストラクチャ

  • メモリ・フットプリントの削減
    BPELインメモリ・モデルおよびWSDL/スキーマ・キャッシュのメモリ・フットプリントが削減されました。 削減量は、実際のコンポジットに応じて異なります。
  • パージの機能強化
  • WLDFとDFWの統合による診断機能の強化
    断続的な問題に関するシステム情報を簡単かつ効率よく収集できるようにすることを目的とした機能です。 この機能を使用すると、事前に定義したWDLF監視用DFW診断ダンプと関連付けることができます。 シナリオに含まれるのは、メモリの問題、デプロイのハング、データソースの問題、サーバーのオーバーロード、スタック・スレッド、サービス・エンジンの安定性、異常なトランザクションです。

Oracle Service Bus

Oracle Business Activity Monitoring

  • WebSphereでのOracle BAMのサポート
    Oracle BAM 11gがWebSphereでサポートされます。 具体的なバージョンおよび例外については、リリース・ノートおよび認定マトリックスを参照してください。
  • EMSエラー処理の認定
    ログ、JMSトピックまたは他のデータ・オブジェクトにユーザーが拒否メッセージを書き込めるようになり、Oracle BAM EMSでのエラー処理が改良されました。 この機能は、11.1.1.4.0ではプレビュー・モードでした。
  • 外部データ・オブジェクトに基づくOracle BAMビュー/レポートのタイマーによる更新
    要望が多かったため、外部データ・オブジェクトに基づくダッシュボードとビューに大きな機能拡張を行い、事前に定義したタイマーに基づく自動更新を可能にしました。 外部データ・オブジェクト・ベースのビュー/ダッシュボードに対してプッシュ・ベースのリアルタイム更新ができなくなりますが、この機能拡張により、外部ビューを更新するためにレポート全体を作成し直す必要がなくなります。 こうした外部データ・オブジェクト・ベースのビューは、変更の少ないデータに使用することを推奨します。
  • 日付の減算のサポート
    日付の減算を伴う計算フィールドを追加すると、結果は秒数を表す整数になります(例:82,944,000)。 この計算結果をDays, H:mm:ss(例:40 Days, 7:40:33)に書式設定するには、計算フィールドの数値書式プロパティを変更します。
  • プレビュー - Oracle Data Integrator 11gの統合
    Oracle Data Integrator 11gはプレビューされた機能のみです。 インストール手順およびOracle BAMとOracle Data Integrator 11gの統合に関連する構成変更手順については、OTNでOracle BAMのテクニカル・ノートを検索してください。
  • Monitor ExpressのECIDサポート
    標準のMonitor Expressデータ・オブジェクトでECIDがサポートされます。 BPMユースケースに対応したMonitor Expressデータ・オブジェクトの旧バージョンをアップグレードする方法については、Oracle Business Process Management Suiteのリリース・ノートを参照してください。

Oracle Complex Event Processing(Oracle CEP)

  • ExaLogic認定
    あらゆる一般的な製品システムの正常実行、品質保証機能およびパフォーマンス・コンプライアンスのテストをカバーした正式な認定がExaLogicについて完了しました。 この認定に伴い、新しいホワイトペーパーが公開されています。そこで取り上げられている金融サービスのユースケースでは、単一のノードで、平均待機時間が31マイクロ秒という一瞬に近い応答時間で、1秒当たり100万超のイベントが処理され、予想を上回る結果が出ています。 詳細はOracle Complex Event Processing Exalogic Performance Study White Paperを参照してください。
  • 並列度
    パフォーマンスの最適化に関して「限界への挑戦」を続けていくなかで、CEP(EPN)プロセッサに大規模な機能拡張を行ったことにより、CQLエンジン・サービスで新たに複数スレッドがサポートされるようになりました。この機能はエンジン・コンパイラに“Unordered”、“Ordered”、“Partition Ordered”などの順序付けのヒントを設定して有効化されますが、これによりマルチコア・マシン(特にExaLogic)でのCPUの使用率およびパフォーマンスが大幅に向上します。
  • CQL Java Beanのサポート
    Java言語によるCQL構文の完全な双方向正規化によりCQLエンジン・サービスの分析機能が大幅に強化され、次のような問合せコンストラクトが有効化されます。
    • SELECT customer.address.street FROM ...
    • SELECT ... FROM Integer(1) = 1
  • Eclipseツールのサポート
    配布済みのメディア・キットで、EclipseのバージョンHelios(3.6.2)がサポートされるようになりました。 この新しいプラグインには、Eclipseの標準のインストール手順を使用してください。このプラグインでは、前のリリースで提供されたものと類似した機能セットが提供されます。

OTNのSOA Suiteページ



 

Eclipse 3.7へのアップグレードおよびOracle Enterprise Plug-in for Eclipse 1.8.0
 


 

false ,,,,,,,,,,,,,,,,